ニュース
新型「NX」世界初公開 レクサス初のPHEVなど6種類のパワートレーン採用
2021年6月12日 16:15
- 2021年6月12日 世界初公開
レクサス(トヨタ自動車)は6月12日、日本で2021年秋頃の発売予定している新型「NX」を世界初公開した。新型「NX」にはレクサス初のPHEV(プラグインハイブリッド)モデルなど6種類のパワートレーンを設定して、レクサスは電動化ビジョン「Lexus Electrified」に基づき、HEV(ハイブリッド)モデルとともに電動車の普及を加速させていくとしている。
新型NXは、生命的な躍動感(Vital)と先進技術(Tech)を融合したスポーツギア「Vital x Tech Gear」を開発コンセプトとし、走り、デザイン、先進技術を全面刷新して、次世代レクサスの幕開けを象徴する第1弾モデルと位置付けられた。
また、今後の電動車においてもレクサスならではのドライビング体験を提供すべく、駆動力コントロール、空力、軽量化等の基本性能を徹底的に磨き上げ、「Lexus Driving Signature」を継承・深化。さらに、自然吸気の2.5リッター、2.4リッターターボエンジンなど多様なパワートレーンラインアップを揃えていくことで、多様化する世界各国のユーザーのニーズに応えた。
新型NXの主な特徴としては、レクサス初のPHEVをはじめ、大容量バッテリーを搭載したHEV、新開発の直列4気筒2.4リッターターボエンジン、自然吸気の直列4気筒2.5リッターエンジンなど、いずれも高い熱効率エンジンを採用。PHEV、2.4リッターターボモデルは4WD、HEVと2.5リッター自然吸気エンジンでは4WDと2WD(FF)のドライブトレーンを設定。
具体的な6種のパワートレーンとして、2.5リッター PHEV E-Four(「A25A-FXS」エンジン+THSIIPlug-in+リアモーター)、2.5リッター HEV E-Four(「A25A-FXS」エンジン+THSII+リアモーター)、2.5リッター HEV FF(「A25A-FXS」エンジン+THSII)、2.4リッターターボ 4WD(「T24A-FTS」エンジン+Direct Shift-8AT+電子制御フルタイム4WD)、2.5リッター 4WD(「A25A-FKS」エンジン+Direct Shift-8AT+電子制御スタンバイ4WD)、2.5リッター FF(「A25A-FKS」エンジン+Direct Shift-8AT)を設定する。
レクサス初のPHEVを採用
レクサス初のPHEVは、高熱効率な直列4気筒2.5リッターエンジンを採用。大容量・高出力のリチウムイオンバッテリー、フロント・リアモーターを搭載。4WD(E-Four)による前後駆動力を100:0から20:80の間で可変する。
リチウムイオンバッテリーは高い総電力量18.1kWhを備え、クラストップレベルのEV走行可能距離と十分なパワーを両立。走行モードはスイッチ操作で4つ(EVモード/AUTO EV・HVモード/HVモード/セルフチャージモード)から任意で選択が可能。HVモードでは、エンジンとモーターの併用により高い加速性能を実現。また、AUTO EV/HVモード選択時には、ナビの目的地を設定することで、レクサス初の先読みEV/HVモード切りかえ制御がはたらき、駆動用電池の残量や経路、交通情報といったデータをもとに、高速道路などにおいては自動的にHVモードに切りかえ、エネルギー効率のよい走りを実現するという。
HEVモデルは、高効率な直列4気筒2.5リッターエンジンと高出力モーターを組み合わせつつ、専用の制御ロジックにより、優れた加速性能と低燃費を高次元で両立。E-Fourは、前後駆動力配分を100:0から20:80で可変。また、多様化するユーザーのニーズに応えるべく、FFも導入された。
新開発の直列4気筒2.4リッターターボエンジンは、新開発の高トルク対応型8速AT(Direct Shift-8AT)、新開発の電子制御フルタイム4WDを採用。エンジンはTNGAの高速燃焼システムに加え、レクサス初のセンター噴射直噴システムやターボと触媒の近接配置等により、年々厳しくなる世界各地の排気・燃費規制への対応を図りつつ、カーボンニュートラルを意識した取り組みを実施。トランスミッションは、低回転から高トルクを発生できる過給エンジンの特徴に合わせて最適化した、新開発のシフト制御技術によって、ドライバーの意図に忠実な加減速、気持ちよいシフトスケジュールを実現。また、電子制御フルタイム4WDは、前後駆動力配分を75:25から50:50までシーンに応じて常時可変、高い接地感とリニアなステアリングフィールを独自の技術で両立させた。
高効率な直列4気筒 2.5リッターエンジンは、8速AT(Direct Shift-8速AT)を採用。2.4リッターエンジンと同じ独自の制御技術と最適化したファイナルギア比にて十分な駆動力と、シーンに応じて最適でリズミカルなシフトスケジュールによる走りの気持ちよさを両立。4WDは、前後駆動力配分を100:0から50:50で可変。また多様化するユーザーのニーズに応えるべく、2WD(FF)も導入される。
レクサスらしい走りを目指して駆動力のコントロールに着目
走行性能では、これまでレクサスが追求してきた、リニアなステアリングフィールを独自の価値として継承しつつ、駆動力のコントロールに着目。「Toyota Technical Center Shimoyama」で走り込むことで、ドライバーの意図に忠実に応える「Lexus Driving Signature」を深化、新開発電子制御フルタイム4WDを2.4リッターターボモデルに採用し、4WDの持つ高い接地感と手ごたえのある操縦性を独自の技術で両立させた。
次世代レクサスのデザインとして、プロポーションの“独自性”とテクノロジーに根差した“シンプリシティ”を追求
新型NXのデザインでは、プラットフォームの変更によりダイナミックさを増した骨格に、大きな面単位の艶やかな造形を表現したエクステリアを採用。また、インテリアには、ドライバーがクルマと直感的につながり、より運転操作に集中できるコックピット思想「Tazuna Concept」を初めて取り入れた。
人間中心の考え方に基づいた、最新の予防安全技術と利便性を高める先進技術の採用
運転支援機能では最新の「Lexus Safety System +」を採用。ドアのラッチ/アンラッチを電子制御で行なうe-ラッチシステムとブラインドスポットモニターを組み合わせた、停車時のドア操作に起因する事故防止に貢献する「安心降車アシスト(ドアオープン制御付き)」を世界初搭載した。
そのほか、スマートフォンを介してロック/アンロック、エンジンスタートなどの車両操作ができるデジタルキー、スマートフォンにより車外からの遠隔操作を可能とし、不慣れな場所や狭い場所での駐車を支援する、レクサス初のリモート駐車機能付き「Lexus Teammate Advanced Park」を採用した。
Lexus International チーフエンジニアの加藤武明氏は「新型NXの開発は、レクサスの新たな挑戦の連続でした。考え抜いた設計構造を、コンピュータモデルを駆使してさまざまな条件で評価し、生産性を確認して品質を確保する『デジタル開発』を実施。走りではプロのレーシングドライバーによる下山テストコースでの走り込みを行ない、クルマの体幹を徹底的に鍛えあげ、駆動力コントロール技術によりレクサスの走りの味を継承・深化させました。パワートレーンはレクサス初のPHEVや新開発の2.4リッターターボに新開発の電子制御フルタイムAWDなど多彩にラインアップ、また、数多くの先進技術や新世代のマルチメディアも新たに開発しました。魅力的なデザインや各性能は仕入先様のご協力をはじめ、多くの生産技術の革新や工夫で実現しました。移動の制約など困難な環境下で企画、開発、生技、製造が国境を越えてオンラインでつながり、レクサス初、世界3拠点での生産を実現します。これらすべてはお客様の笑顔のためにチーム一丸となって全力で取り組んできたことです。ぜひ、新世代レクサスの挑戦、そして我々開発チームが情熱を注いでお届けする新型NXをご体感ください」とコメントしている。