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日産、新型「Z」(米国仕様)初公開 日本仕様は今冬の発表
2021年8月18日 09:46
- 2021年8月18日(現地時間)公開
日産自動車は8月18日(現地時間)、ニューヨークで開催された特別イベントで新型「Z」(米国市場向けモデル)を初公開した。同モデルは米国で2022年春に発売される予定。日本仕様である「フェアレディZ」は今冬の発表を予定する。
米国市場向けの新型「Z」には、「Sport」と「Performance」の2グレードに加え、240台の限定生産モデル「Proto Spec」を用意。両グレードともV型6気筒3.0リッターツインターボ「VR30DDTT」型エンジンが搭載され、6速MTか新開発の9速ATを選択できる。また、「Proto Spec」には専用の黄色いブレーキキャリパー(Zロゴ付)、ブロンズカラーのアルミホイール、黄色がアクセントの本革シートと、黄色のステッチをインテリアの随所に採用した。
新開発のVR30DDTTは最高出力405PS、最大トルク475Nm/5600rpmを発生し、従来から出力を大幅に向上しながらシャープでスムーズなレスポンスを実現。6速MTには大トルクのVR30DDTTエンジンに対応するため、クラッチディスクとギヤトレインを強化。また、新設計のシンクロナイザーシステムの採用やシフトプロファイルの変更などが行なわれている。また、新開発の9速ATは幅広いギヤレンジによりダイレクトで素早いレスポンスを実現するとともに、通勤や高速道路でのロングドライブに最適なスタンダードモードと、ポテンシャルを最大限に引き出すスポーツモードを用意。スポーツモードはより速い加速制御に加え、ステアリングやVDCに専用制御を採用することで、ワインディングロードをキビキビと駆け抜けるのに最適な設定にしているという。
加えて新型Zでは日産の後輪駆動車として初めて、クラッチ操作でエンジン回転数を保持し、停止状態からの加速性能のポテンシャルを最大限発揮する「アドバンストローンチアシストコントロールシステム」を搭載(AT全車、MT車は「Performance」グレードのみ)した。
また、高速走行時やコーナリング時にレスポンスの高いハンドリング性能を実現するため、ボディ剛性を向上し、ラックアシストタイプEPSやワイドフロントタイヤなどを採用することで、コーナリング性能を最大13%向上させたとのこと。
前後のダンパーには新設計の大径モノチューブダンパーを採用。減衰力を現行より約20%低減させることで路面突起乗り越し時のショックを低減し、モノチューブ式の強みである高応答性を活かすことで路面追従性を向上させ、高い操縦安定性を実現。アルミ製ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションは、キャスター角を増やすなどしてジオメトリーを変更し、直進安定性を向上させている。
一方、デザイン面においては「伝統と最新技術の融合」をデザインテーマとし、洗練されたエクステリアと歴代の「Z」へのオマージュを感じさせるデザインを特徴とした。伝統的な後輪駆動のスポーツカーのデザインを踏襲し、ロングフードや低重心のリアスタンスなど、初代モデル(S30型)をはじめとする歴代「Z」へのオマージュを込めたシルエットに仕上げたという。例えば、ノーズから四角いテールエンドに向かって流れるようなルーフラインや、テール部分がフロントフェンダーよりもわずかに低くなっていることで独特のサイドシルエットを生み出している。
LEDヘッドライトのデザインは、240ZG(S30型)を彷彿とさせる2つの半円をイメージ。また、リアコンビネーションランプはZ32型を彷彿とさせるデザインに最先端の技術を取り入れ、新たに3DシグネチャーLEDテールランプを採用して「Z」らしさを表現している。
また、「Performance」グレードにはリアの浮き上がりを抑えるリアスポイラーを採用しており、このフロントスポイラーにはGT-Rの開発で培ったノウハウが活かされているという。
ボディカラーはモノトーン3色と、新色のセイランブルーとイカズチイエローを含む2トーン6色(いずれもスーパーブラックルーフ)を用意する。
インテリアではセンターコンソールを3つのエリアに分け、インストルメントパネル上の3連メーター(ブースト計、ターボスピード計、電圧計)をドライバーが見やすい位置に配置。理想的なスポーツカーのコクピットとするため、日産ドライバーである松田次生選手等からもアドバイスを受け、12.3インチ・フルデジタルメーターディスプレイを一新。エンジン回転計の針が真上を指すと同時に、シフトアップインジケーターが点滅してドライバーにシフトアップを促すなど、重要な情報を一度に表示できるようにした。ドライバーの好みに合わせて変更できる3つの表示モードも用意するという。
新設計のシフトレバーではMT/ATともに握りやすさと快適性を追求したほか、深いスポークを採用したステアリングホイールは伝統的な美しさを損なうことなく、ドライバーが素早く操作できるようデザイン。シートはGT-Rの開発で培ったノウハウを活かし、ホールド性とフィット感を向上。シートバックにスエードを多用することで、身体の横ブレを抑えて快適なドライブを実現するとともに、コーナリング時の身体の動きも抑制する。
インテリアカラーは、グラファイト、レッド、ブルーの3色を用意。特別限定仕様車「Proto Spec」では、インストルメントパネルのステッチをはじめ、室内の随所に黄色のアクセントが施された。また、シート素材を重ねることでグラデーション効果と立体感を出しているという。