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出光興産、日産自動車らと変動料金制を用いたEV充電サービスの実証事業を実施

2021年8月19日 発表

実証のイメージ図

充電時間帯を誘導することで再生エネ消費の効率化を目指す

 出光興産と日産自動車および出光興産の100%子会社であるソーラーフロンティアは8月19日、需要や供給などの状況で変動する独自の価格体系=ダイナミックプライシングを活用したEV充電サービスの実証事業を行なうと発表した。実証期間は2021年11月~2022年1月を予定している。

 この実証事業は、経済産業省の「令和3年度 蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金(ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証事業)」の採択を受けて実施されるもので、日産自動車のEV「リーフ」ならびにEV充電設備を保有する実証参加者を対象に、電力料金の割引額をスマートフォンのアプリケーション上に提示し、再生可能エネルギーの主力電源である太陽光パネルが発電する昼間や電力需要の低い深夜などにEV充電を促すもの。

日産リーフ

 実証参加者が推奨する時間帯に充電した場合は、あらかじめ提示した割引額が電気料金から控除される仕組みで、割引額は日々や時間帯により変動する。これにより実証参加者の行動変容を分析するとともに、実証参加者へアンケートも実施し、仕組みの実効性とサービスとしての実現可能性を検証するという。

 3社はEVやPHVなどの電動車の普及がさらに進む将来に向け、電力負荷の低減や平準化を目的として本実証に取り組むとしていて、本実証で再生可能エネルギーを効果的にEV充電に活用することや、電力需要が高まる時間を避けた充電を可能にする仕組みを検証し、カーボンニュートラルの達成と持続可能な電力インフラの実現への貢献を目指すとしている。

 この実証事業では、全体の運営や電気料金メニューの提供、実績集計・分析を出光興産が、実証参加者の募集協力やテレマティクスを使ったEVデータの提供を日産自動車が、機器システム構築、機器選定・調達をソーラーフロンティアが担う。

 対象となる参加者は、東京電力管内のうち出光興産が指定する工事可能エリアに住んでいて、日産リーフならびにEV充電設備を持つ個人で、50名程度を予定しているという。また、本実証に参加するには出光興産が提供する電気プランへの切り替えが必要となる。その他にも、参加条件を満たした上で、必要機器の設置、実証への参加、アンケートの回答などを完了した人には6万円相当の謝礼が渡されるという。

 参加希望者は「お問い合わせフォーム」から、お問い合わせ種別で「EV充電サービス実証(DP2021実証)」を選択し、内容欄に居住している都/県および市町村を記載し送信すればOK。募集締切は2021年9月末だが、募集人数に達した場合は早期に募集を締切る場合があるという。