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JR東日本、気仙沼線BRTにおける自動運転バスの試乗会実施 9月14日から沿線住民による試乗も開始

2021年9月13日 実施

JR東日本が実証実験を行なっている自動運転バス。JR東日本が購入して、独自に改造を行なっている

 JR東日本(東日本旅客鉄道)は9月13日、気仙沼線BRT(Bus Rapid Transit=バス高速輸送システム)の一部区間において行なっている自動運転バスの実証実験を公開した。この自動運転バスの実証実験は9月14日~19日に沿線住民の希望者による試乗会も行なわれ、約51名が試乗する予定だ。

 13日に公開された事前試乗会では、JR東日本柳津駅~陸前横山駅間の4.8kmを使って、「60km/hの自動運転走行」「自動運転によるすれ違い」「自動運転による正着制御」「2種類の障害検知」のデモ走行が行なわれた。

あいさつを行なう東日本旅客鉄道株式会社 執行役員 記述イノベーション推進本部 統括 浦壁俊光氏
柳津駅発車シーン(東日本旅客鉄道提供)

 JR東日本では、これまでにも同区間を使っての自動運転バスの試験を行なっているが、今回はJR東日本が購入したバスをベースに自動運転化されており、将来の営業運転を見据えての実証試験となっている。

 このバスには多くの企業が協力。JR東日本は実証実験全体の責任者として運営を行ない、JR東日本を含む10社が役割分担し、技術などを提供している。

先進モビリティ株式会社 自動運転制御責任者
愛知製鋼株式会社 磁気マーカシステム責任者
京セラ株式会社 ITS無線責任者、地上側障害物検知責任者
京セラコミュニケーションシステム株式会社 トンネル内通信責任者
株式会社ジェイテクト 自動操舵ユニット制御担当
ソフトバンク株式会社 マルチGNSS測位責任者
日本信号株式会社 クラウド信号制御責任者
日本電気株式会社 自動運転走行軌跡責任者
BOLDLY株式会社 車内モニタリングシステム責任者

JR東日本の行なう自動運転システムについて

 今回の気仙沼線BRTを使用した自動運転実証実験だが、通常の自動運転実証実験とは異なるポイントが多い。一般的に現在行なわれているバスを使った自動運転実証実験では、一般公道を用い、小型のバスで走行を行なっている。そのため走行速度は最高でも40km/h程度と低速域での自動運転実験となっている。

 一方、JR東日本の行なう気仙沼線BRTを使用した自動運転実証実験では、気仙沼線BRTの専用軌道を使用。バス以外は走ることのない、JR東日本の占有エリアを用いて、現在の気仙沼線BRTのバス運行の置き換えを将来的に目指している。もともと、この気仙沼線BRTが東日本大震災による被災した鉄道を置き換えるものだったため、そこそこの速度と定時運行を目指したものとなっており、最高速度は60km/hと中速域での実証実験が行なわれている。

 専用エリアであるから一般公道よりも有利な点はあるものの、もともとが単線であることから一般公道よりも走行レーンは狭く、高度な自動運転技術が要求されるものとなっていた。

 この専用軌道を使えることから、道路上には愛知製鋼製の磁気マーカーを2mごとに設置。10mごと(つまり5個ごと)にはRFID(Radio Frequency Identification)の入った磁気マーカーを設置することで、絶対的な位置を把握できるようになっている。

 この自動運転バスにはジェイテクト製の自動操舵ユニットも組み込まれており、先進モビリティの作り上げた自動運転制御により、60km/hの中速走行を可能にしていた。

2mごとに埋め込まれた愛知製鋼の磁気マーカー