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フォルクスワーゲン、中国に新たなバッテリシステム工場を建設 BEV生産体制を強化

2021年9月23日(現地時間) 発表

新工場完成イメージイラスト

年間15万~18万個の高圧バッテリシステムを生産可能

 フォルクスワーゲングループは9月23日(現地時間)、中国の合肥市(安徽省)に初のバッテリシステム生産工場の建設を開始すると発表した。バッテリの生産開始は2023年後半を予定している。

 新たに建設される工場は4万5000m 2 を超える敷地面積があり、合弁会社であるフォルクスワーゲン安徽の生産施設に隣接。フォルクスワーゲングループ中国は、2025年までに1億4000万ユーロ以上を新工場とその設備に投資し、2023年後半の生産開始を目指すとしている。フォルクスワーゲン安徽のMEB(Modular Electric Drive Toolkit)プラットフォームをベースにしたBEV(電気自動車)用の高圧バッテリシステムを、年間15万~18万個生産する予定という。

 新工場は、フォルクスワーゲン安徽省のEV生産拠点の近くにあるサプライヤーパーク内に建設され、物流やコストの効率化、市場投入までの時間短縮にも貢献。また、ドイツのブラウンシュヴァイクと中国の天津にあるグループ全体のバッテリ工場およびワークショップとの既存のシナジーを活用するとともに、フォルクスワーゲングループの中国合弁会社のMEBバッテリ工場との連携およびシナジーの強化も図られる。

 従業員は、グループの天津工場にある「コンポーネント教育アカデミー」で教育を受け、現場の従業員も最先端のVRトレーニングを受けることで、部品の紛失や事故のリスクを排除しているという。

フォルクスワーゲン・グループ・チャイナのCEOであるステファン・ヴェレンシュタイン博士のコメント

「フォルクスワーゲン・グループのプラットフォーム戦略は、e-モビリティ時代に移行していく競争上の優位性です。今後BEVが大幅に増加していく中で、バッテリシステムなどの重要なコンポーネントを自社のバリューチェーンに留め、グループ全体のシナジー効果やイノベーションを活用できるようにすることに注力する必要があります。フォルクスワーゲン安徽とVW安徽部品有限公司は、私たちの2つの強力なジョイントベンチャーとともに、私たちの電動化戦略と、2030年までにフォルクスワーゲングループ中国の車両の40%以上をNEVにするという目標を達成するために不可欠な存在です」

フォルクスワーゲングループの技術担当役員であり、フォルクスワーゲングループコンポーネントのCEOであるトーマス・シュモール氏のコメント

「バッテリシステムの開発と生産は、バッテリの最終的な責任を果たすための重要なステップです。したがって、安徽省は我々のグローバルなバッテリ戦略の重要な柱となります。このグローバル戦略は、原材料市場での垂直統合から、中国のバッテリ専門企業であるGotionをはじめとするパートナーとの協力によるバッテリ工場やセル工場の建設、そしてセカンドライフソリューションやリサイクルまでを視野に入れています。現在、私たちは将来のMEBバッテリシステムの需要拡大に対応するため、アジア、ヨーロッパ、アメリカに3つのMEBバッテリ製造施設を建設しています。ドイツのブラウンシュヴァイクにある当社の設計図工場は、年間最大50万個のバッテリシステムを生産する準備ができており、企画・開発・生産の専門知識をもって当社の生産能力増強を支援しています」

フォルクスワーゲン・グループ・チャイナのコンポーネント、ロジスティクス、品質担当のエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるフランク・エンゲル氏のコメント

「安徽省の新しいコンポーネント工場により、フォルクスワーゲン安徽省の将来の電気自動車におけるフォルクスワーゲンのコンポーネントによる付加価値の割合は約40%になります。VW Anhui Componentsは、当社のすべての電気自動車の提供システムであり、当社のe-mobility攻勢の戦略的バックボーンとなることを目標としています。この新しいコンポーネント工場は、中国市場向けに次世代バッテリを生産するための強力な基盤となります」