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三菱自動車、HALカーデザイン学科との第2回産学共同プロジェクトのグランプリ作品を発表

2021年10月26日 発表

GRAND-PRIXを受賞した中村雪之丞さんの提案作品

電動化技術と四輪制御技術を活かしつつ斬新なアイデアが登場

 三菱自動車工業は10月26日、カーデザインを希望する学生の育成への貢献と三菱自動車デザインのプレゼンス向上を目的とし、専門学校HAL(東京・大阪・名古屋)カーデザイン学科との産学共同プロジェクトを2021年4月から実施していたが、9月に学生による最終プレゼンテーションが行なわれ、今回のグランプリ作品を発表した。

 2回目の産学共同プロジェクトとなった2021年度のテーマは「Ambition to Explore」で、学生たちは10年後の未来を想定しつつ、冒険心を持った三菱自動車ユーザーに向けて、コア技術である電動化技術と四輪制御技術を活かした新しいライフスタイル・モビリティを企画・提案。

 オンラインで実施された最終プレゼンテーションでは、学内プレゼンテーションを勝ち抜いた3名の学生たちが、三菱自動車執行役員・デザイン本部長の渡辺誠二氏をはじめ指導にあたった現役デザイナーなどに対し渾身の作品を提案し、中村雪之丞さんの作品が見事グランプリに選ばれた。

 三菱自動車執行役員・デザイン本部長の渡辺誠二氏は「1つ1つの作品に夢を感じました。デザイナーとして大事なのは、夢を描きワクワクするような体験価値をクルマのデザインとしてお客さまに提供することです。今後仕事をする上でも個性や独自性を発揮して、これまでに見たことがない、皆がワクワクするようなクルマをデザインしていってほしいです」とコメントしている。

受賞作品3つとプロジェクトを通しての講評および提案者のコメント

GRAND-PRIX 提案者:中村雪之丞さん

プロジェクトを通しての講評: デザイン、デジタルモデリングのスキルがともに高く、すばらしい提案でした。アイディアもシンプルで分かりやすく、素直にかっこいいクルマです

「スポーツEV、EVトライアスロンをテーマに、三菱自動車の4WD技術を生かす新たな競技車両を提案。走りへの信頼感を表現するスタイリングや、レースに集中できるシンプルでノイズレスなコックピットが特徴です。また、異なる路面状況に対応するためタイヤや車高が変化します。ランサーエボリューションやラリー競技車の要素を取り入れつつ、全く新しい車両にすることを意識しました」

NEW CONCEPT AWARD 提案者:白鳥龍祐さん

プロジェクトを通しての講評:フロントウィンドウの形に意味があり、考え方がユニークで素直にワクワクする提案でした。面質にこだわるともっと良くなると思います

「自然保護やSDGsの意識の高まりや、テレワークが進むことで、自然に囲まれて生活する社会人が増加すると想定。『自然とクルマの共生』をコンセプトに、フロントウィンドウを大きくとり、搭載するドローンで撮影した映像を、ダイナミックなパノラマビューで観賞できるクルマを提案します。三菱自動車らしく水平基調のしっかりした骨格や、車高を高く取り下を絞ることで、踏ん張り感を表現しました」

NEW VALUE AWARD 提案者:波多野永遠さん

プロジェクトを通しての講評:コンセプトの着眼点やオリジナリティを高く評価しました。スケッチのレベルも高く、プレゼンテーションも分かりやすくまとめられていました

「コンセプトは『自分を魅せるコンパクトスポーツカー』。多様化・国際化の流れを受けて、女性のエンパワーメントがより進んだ世の中を想定し、ファッションが好きで芯のある女性のためのクルマを提案します。服の重なりやコーヒーサーバーなどをデザインのイメージとし、優雅さで華やかかつモードで力強さを感じるスタイリングとしました。ドライバーのファッションを引き立たせるため、サイドウィンドウを大きくし、乗り降りの際に所作が美しく見えるよう車高を低く設定したこともポイントです」