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三菱自動車と専門学校HAL、産学を直結させた「2030年のEV提案プロジェクト」完結

学生たちが渾身の作品を提案

2020年10月2日 発表

作業中の様子

 専門学校HALは10月2日、三菱自動車工業とカーデザイン学科が進めていた「産学連携プロジェクト」が完結したことを発表した。

 プロジェクトは、学生ひとり1人がプロの現場で活躍できるよう、企業やクリエイターと連携し、企画立案から実制作までを手がける「産学直結ケーススタディ」を導入しているHALが「2030 EV for Amazing experience」をテーマに、今までのEV(電気自動車)では体験できない価値を持つ「新しいEVの世界観を提案するモビリティ」を企画・提案するというもの。

 4月のオリエンテーションから7月末の納品まで、ビデオ会議システムZoomを活用して、三菱自動車の第一線で活躍するデザイナーから、制作過程を毎週細かく直接指導されながら進行してきた。

 最終プレゼンテーションはオンラインで実施され、デザイン本部長・渡辺誠二氏をはじめ、三菱自動車の現役デザイナーへ向けて、学内プレゼンテーションを勝ち抜いた3名の学生たちが渾身の作品を提案。譚振輝さんの作品がグランプリに選ばれた。優秀3作品を下記のとおり。

最終プレゼンテーションの様子
GRAND-PRIX受賞者:譚振輝さん
DREAM AWARD受賞者:弘津悠耶さん
CHALLENGE AWARD受賞者:木下翔太さん

GRAND-PRIX:譚振輝さん「HALF GARAGE」

 技術の進歩によりクルマは家電化していき、同時にクルマ本来の楽しさも求められると予想。モジュール化やプログラミング技術により、ユーザーが自由にカスタマイズできる体験を提供します。アウトドア好きをターゲットに、助手席側をカスタマイズできる自由空間とし、クルマがアウトドア生活を支える相棒に。デザインは左右非対称で、片側の自由空間を強調しました。積んで楽しく冒険できるクルマです。

講評:展開力や積極的に提案する姿勢がよかったです。スケッチのレベルの高さも評価されました。全体的なバランスが高いので、今後も自由な発想でチャレンジングな提案をしてください

DREAM AWARD:弘津悠耶さん「Water strider」

 自動運転が進む社会でも、クルマを趣味とする人にスポーツカーブームの再燃が起こると予想。30代男性をターゲットに、次世代型スポーツモビリティをコンセプトとしたクルマを提案します。「4WD」「リーン」「EV」「スポーティ」の4つの要素を持ち合わせ、エキサイティングな体験を可能に。スタイリングテーマは「アメンボ」。4方向に足が伸びる踏ん張り感や、水の上をスイスイ進む様子から、EVのモビリティが音も立てずにきびきびと進んでいく様子を表現しました。

講評:モデラー志望ながらデザインもできることに驚きました。話をよく聞いて成長している姿が印象的で、きっといいモデラーになるだろうなと思いました。期待しています

CHALLENGE AWARD:木下翔太さん「ROBOT RALLY RACE MOBILITY」

 三菱自動車が10年後ロボットラリーに復活することを想定し、技術の進化を感じさせ、先駆けとなるモビリティを提案。コンセプトは「Give life」。「Clean×Breath」をキーワードに、EVのエコなイメージと、有機的な生物感、躍動感をイメージしてデザインしました。重心のピークをセンターに、タイヤ4つを地面に踏ん張らせ、キャビンはヘルメットのようなイメージ。すべて合わさることで全方位から守る力強さを表現しました。

講評:ストーリーやアウトプットの展開の仕方がよかったです。対応力もあり、スキルの高さを感じました

三菱自動車陣営のコメント

デザイン本部長 渡辺誠二氏

「クルマが好き」という熱い気持ちを感じ、嬉しく思いました。これから社会人になって夢を持つこと、意志の強さが大事になります。自分が描いたデザインを振り返り、今まで見たことないデザインだったかどうか確認してみてください。

デザイン本部 デザインマネジメント部長 竹林恵司氏

 三菱自動車としても人材発掘や、刺激になる貴重な機会でした。オンラインでの実施で難しかったと思いますが、このような環境でも洗練されたプレゼンテーションを実施されていて感激しました。

エクステリアデザイン部 担当部長 吉峰典彦氏

 どんどん成長していく姿が見えて楽しかったです。三菱に対してどういうクルマを提案したらよいか、皆さんそれぞれが考えられていて刺激になりました。どこかでお会いできる日を楽しみにしています。