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JVCケンウッド、国内向けカーナビ生産を国内工場へ移管 国内生産回帰で50万台規模の生産体制に

2021年10月29日 発表

 JVCケンウッドは10月29日、国内アフターマーケット向けのAVナビゲーションシステム「彩速ナビゲーション」の生産について、2022年1月からJVCケンウッド長野(以下、JK長野)への全面移管を開始すると発表した。

 また、国内自動車メーカー向けに展開する国内市場向けカーナビゲーションについても段階的に生産移管を行ない、中期的には50万台規模の生産体制を目指すとしている。

 具体的な生産移管の内容としては、国内アフターマーケット向け“彩速ナビ”の生産を、インドネシア工場(PT. JVC Electronics Indonesia)から国内工場(JK長野)へ2022年1月から全面移管を開始。

 また、国内自動車メーカー向けに展開する国内市場向けカーナビゲーションの生産を、段階的に上海工場(Shanghai Kenwood Electronics Co., Ltd.)から国内工場(JK長野)へ移管すべく取り組みを開始し、中期的には現在の生産台数10万台の5倍となる50万台規模の生産体制を目指す。

 国内への生産移管の背景としては、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大による物流をはじめとするサプライチェーンの寸断や、昨今は半導体需給バランスの悪化による部品供給不足、米中貿易摩擦など、さまざまな地政学リスクが顕在化している。また、自動運転社会に向けて今後重要となる車両サイバーセキュリティ対策への対応強化が求められている。

 こうした状況において、同社は中期経営計画「VISION2023」を2021年5月に策定し、新たな経営方針の一つとして掲げた「ものづくりを通じた新たな価値の創造」の実現に向けて、生産拠点における自動化推進や国内生産回帰、サプライヤエコシステムの構築などを軸に、総生産量・総工数に見合った生産拠点規模への統合を目指している。

 国内生産回帰による地産地消で、生産から販売までのリードタイムの短縮やコスト競争力の強化など製品供給効率の最大化を図るとともに、国内自動車メーカーから認定工場として指定されているJK長野での生産に集約することによる対国内自動車メーカー向けの事業拡大を目指す。

 これに伴ってJK長野は、長野県の産業投資応援条例に基づく助成金を活用するなど設備投資を行ない、組立・調整・検査自動化システムを導入。国内アフターマーケット向け“彩速ナビ”2022年モデルから同システムに対応した基本設計の大胆な見直しを実施することで、生産技術機能の増強と高度化を推進するとしている。