ニュース

スバルなど5社、小型無人航空機“ドローン”の自律的衝突回避に世界初成功 相対速度200km/hの有人ヘリコプターとの衝突を回避

2021年11月8日 発表

衝突回避飛行試験イメージ

 スバル、日本無線、日本アビオニクス、ACSL、マゼランシステムズジャパンの5社は11月8日、小型無人航空機と有人ヘリコプターを使用して、相対速度200km/hの領域で小型無人航空機の自律的な衝突回避に世界で初めて成功したと発表した。

 福島県南相馬市の広域飛行空域で9月9日~10日に実施した試験では、10㎏クラスの無人航空機と有人ヘリコプターを、相対速度200km/h(無人航空機:50km/h、有人ヘリコプター:150km/h)で各々の正面方向から接近させる試験が行なわれた。

 無人航空機には小型化/低消費電力化されたセンサが搭載されており、各種センサの探知データに基づき、衝突を回避する経路をリアルタイムで生成して、この回避経路に沿って無人航空機が自律回避飛行したことを確認。また、有人ヘリコプターを回避した後、無人航空機が元の飛行経路に復帰することも確認された。

 無人航空機の自律的な衝突回避試験を実運用速度域である相対速度200km/hで世界で初めて成功させ、この成功は小型無人航空機を社会実装するための大きな前進となるものとしている。

衝突回避飛行試験の状況

 一般に“ドローン”と呼ばれる小型の無人航空機や、それよりもひとまわり大きく、より大きなセンサなどを搭載できる中型の無人航空機は、すでに農業分野などで利用が広がり、さらには災害時の物資運搬や遭難者捜索、物流インフラなどの用途に大いに期待され、運用数は増加している。

 しかし、無人航空機とドクターヘリなどの有人航空機のニアミス実例が国内で報告されるなど、衝突回避技術は、安全利用のための喫緊の課題となっている。また、衝突回避技術は、無人航空機の実用化に必要とされる、「目視外飛行」や「第三者上空飛行」の実現に欠かせない技術としている。今後5社は、同成果を活用して衝突回避システムを確立し、無人航空機の社会実装推進に努めていくとしている。