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【SUBARUテックツアー】スバルが製造する中央翼を体感!! JALのボーイング 787チャーター便へ旭川空港から成田へ
国際線仕様を国内線へ投入。機内では吉永社長のビデオメッセージなど
2017年10月25日 06:30
- 2017年10月20日 開催
10月20日、スバルは報道向けにスバルの技術紹介などを行なう「SUBARUテックツアー」を北海道のスバル研究実験センター美深試験場を中心に開催した。このSUBARUテックツアーで東京から北海道への足となっていたのが、JAL(日本航空)のボーイング 787-8型機。
このボーイング 787シリーズは、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics、炭素繊維強化プラスチック)を多用した、高効率な新世代の旅客機として世界のベストセラーとなっており、日本ではJALとANA(全日本空輸)が運航。基本となるボーイング 787-8型機、ストレッチタイプのボーイング 787-9型機を日本で見ることができる。また、現在さらに長胴タイプとなるボーイング 787-10型機の製造が始まっており、2017年のパリ航空ショーではデモフライトを披露していた。
スバルはこのボーイング 787シリーズの“中央翼”と呼ばれる構造部材を製造しており、その中央翼をSUBARUテックツアーで体感してもらうために、JALと協力してチャーター便を設定した。
JALのチャーター便については関連記事(地元の空港から世界の観光地へ直行!! JALチャーター便運航の裏側)で紹介したように、さまざまなものがある。今回のチャーター便の特記すべき点として、1つは国際線仕様のボーイング 787-8型機を用いていること、1つは成田~旭川という通常は運航していない路線を飛ばしていることだ。
また、成田空港や旭川空港においては、貨物室へのBRZの積み込みや積み卸しを実施。旭川空港では歓迎の放水なども行なわれた。
成田からの往路(JAL4901便)と復路(JAL4902便)で2便運航されたチャーター便だが、Car Watch組は復路に搭乗。新千歳空港で成田空港行きの案内を見るのはLCC就航以来見慣れた風景だが、旭川空港で見るのは違和感がある。そういった違和感もチャーター便の醍醐味だろう。
座席はくじ引きによって決まっており、自分の座席は2K。つまりビジネスクラスとなっていた。本来なら喜ぶべき処だが、今回のテーマは中央翼体感フライト。ビジネスクラスは中央翼の前方に位置するため、体感は難しかった。あとで撮影のために中央翼付近に移動してみたが、体感というより頭で「おそらくこの辺りだろう」と理解した次第。
チャーター便の機内は、スバルとJALのコラボレーションヘッドレストカバーが全席にセットされ、特別なフライトであることが分かる。また、国際線の機材であるため、すべての座席にIFE(機内エンタテイメントシステム)が備えられており、離陸後はその画面にスバル 代表取締役社長 吉永泰之氏の挨拶が流れる。
機内アナウンスでは、スバル 航空宇宙カンパニー 技術開発センター 研究部長 齋藤義弘氏の技術解説、JALエンジニアリング 技術部 システム技術室 期待技術グループ グループ長 盛崎秀明氏の787解説、JAL 運航乗員部 機長 靍谷忠久氏の操縦解説など盛りだくさん。機内サービスは、国内線に準じたソフトドリンクの提供となっていたが、紙コップはスバルとJALのコラボコップ、スバル×JALのスバルサブレの提供などがあり、ちょっと変わった旅を楽しめた。
JALは好評だった「千社札シール」に続く第2弾「JAL TODOFUKEN SEAL」の配布を現在国内線CA(客室乗務員)が実施しているが、そのTODOFUKEN SEALも機内でしっかり配布。スバルとJALのコラボコップなどは、このチャーター便のみの特典だが、TODOFUKEN SEALについては通常の国内線で配布を行なっており、気になる人はCAさんに聞いてみるとよいだろう。
旭川~成田は1時間29分で到着。これぞ中央翼という体感はできなかったものの、ボーイング 787シリーズは与圧がこれまでの機種に比べて高く、地上と気圧の変化が小さいため快適なフライトが楽しめる。実際、今回のフライトは旭川が晴れ、成田が雨という、気圧変化に敏感な自分にとっては最悪のシチュエーションだったが、頭痛や耳がツーンとする感じもなかった。
スバルは2017年、中島飛行機創業100周年ということもあって社名変更(関連記事:4月1日、東京 三鷹の「富士重工業株式会社 東京事業所」も「株式会社SUBARU 東京事業所」に)を実施。今回のフライトは報道陣だけでなく、抽選で選ばれた「SUBARU Web コミュニティ(#スバコミ)」会員も同乗しており、自らのルーツである航空機メーカーと、最先端の開発を行なう自動車メーカーとの2つの訴求を、JALのチャター+美深試験場という形で表現し、報道やWebコミュニティ向けに訴求したのだろう。
スバル 航空宇宙カンパニー ヴァイスプレジデント 技術開発センター長 若井洋氏によると、スバルはボーイング 787シリーズの中央翼のほかシートレールも納品しているという。次回、ボーイング 787シリーズに乗る機会があったら、中央翼やシートレールなどを意識して乗ってみるのも楽しいことかもしれない。