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スバルのニュル24時間参戦マシン、JALの自動車輸送サービス「J SOLUTIONS WHEEL」でドイツへ飛び立つ

ボーイング 787-9型機で成田からフランクフルトへ

2018年3月22日 開催

積み込みを待つ2018年のニュルブルクリンク24時間レース参戦車両「SUBARU WRX STI NBRチャレンジ2018」

 スバルは3月22日、成田空港において報道陣向けに2018年のニュルブルクリンク24時間レース(ADAC Zurich 24h Rennen、以下NBR)参戦車両となる「SUBARU WRX STI NBRチャレンジ2018」の積み込み作業を公開した。

 車両を積み込んだのは成田(11時発)~フランクフルト(15時15分着)の定期旅客便、JAL407便。使用機材はスバルも製造の一部を担当するボーイング787-9型機(登録記号:JA867J)。天候不良など不測の事態を想定して、成田(10時50分発)~パリ(15時35分)のJAL045便(使用機材ボーイング777-300型機)がバックアップ便として設定されていた。

 自動車の航空輸送では貨物機を利用する例が多いが、今回は定期旅客便を利用している。というのも、貨物便の場合は就航地や運航日などに制限が発生してしまうため。一方、旅客機に積み込む場合は、貨物室が機体下部に位置するとともに横向きに搭載するため、車両の全長が3.5m程度までに限定されるといった物理的な制限があった。

 そこで今回は、JAL(日本航空)による旅客機を使った自動車輸送サービス「J SOLUTIONS WHEEL」を利用。このサービスでは専用のパレットを使用するとともに、車両を縦向きに積み込むことを可能とすることで、全長5mを超える車両の積み込みを実現しているのが特徴。ただし、貨物室の全高が約1630mm、パレットが約130mmほどあるので、搭載できるのは全高1490mmまでのクルマのみとなっている。

 スバルでは、過去にも同サービスを利用して「レヴォーグ」や「BRZ」などを海外へ輸送しているほか、国内線においても2017年10月20日に成田~旭川間において利用しているなど、実績がある点も今回の輸送につながったようだ。

 車両の概要については関連記事「スバルとSTI、2018年のニュル24時間&SUPER GT参戦マシン『SUBARU WRX STI』を富士でシェイクダウンを参照いただきたい。

J SOLUTIONS WHEEL 搭載可能車両サイズ

最大車両重量:1953kg
最大車両サイズ(全幅):1880mm
車体内幅:1223mm
最大全高:1490mm
最大全長:5140mm
最低地上高:100mm

SUBARU WRX STI NBRチャレンジ2018車両概要

全長:5120mm
全幅:1930mm
全高:1395mm
ホイールベース:2650mm
エンジン型式:EJ20 BOXER DOHC 16バルブ AVCS ツインスクロールターボ
排気量:1994cc
最高出力:250kW(340PS)/5500rpm
最大トルク:461Nm(47kgm)/3000rpm
エアリストリクター:φ37
変速機:6速シーケンシャルギヤボックス+パドルシフト
クラッチ:小倉クラッチ製メタルツインプレート
サスペンション:ストラット(フロント)/ダブルウィッシュボーン(リア)
ブレーキ:ブレンボ6ピストン(フロント)/ブレンボ4ピストン(リア)
ホイール:BBS18×10J
タイヤ:ファルケン

手際よく積み込みが完了

 折り返し便となるJAL407便が成田空港62番スポットに姿を見せたのは、9時40分(時刻はすべて手元の時計による)。到着便のコンテナを降ろすとともに報道陣の撮影などを済ませた車両をトーイングトラクターが移動、10時15分にはハイリフトローダーが貨物室への搭載作業を開始。リアスポイラーの収まりに気を使いつつ車両の向きを変え、10時30分には貨物室への積み込みを完了。その後、残りのスペースに一般の貨物が積み込まれ全作業が終了した。SUBARU WRX STI NBR チャレンジ2018を積み込んだJAL407便は、11時40分に成田空港からフランクフルトへと飛び立っていった。

 今回の車両が参戦するNBRは、5月10日(現地時間)に練習走行および1回目の予選、翌11日に2回目の予選が行なわれ、決勝レースのスタートは12日の予定となっている。

JAL407便となるボーイング787-9型機が62番スポットに到着
タイヤはブリヂストン製
スポットインとともにフードローダーなどが作業を開始
トーイングトラクターに牽引されてSUBARU WRX STI NBRチャレンジ2018が姿を現す
62番スポット横に到着
アンベール
チーム総監督 辰己英治氏も作業をお手伝い
全容を現したSUBARU WRX STI NBRチャレンジ2018
車両を積載するパレットの下部は通常のコンテナと同じ構造
車高が低くパレットにあたってしまうため、端材でかさ上げされている。タイヤも本来のサイズだと積み込めないため移動用の仮のモノ
リップ部分も積み込みの障害となるので取り外し済み
リアスポイラーはギリギリ外さずに収まった
パレットに添付されていたタグ
状態をチェックした辰己総監督も安心のサムズアップ
積み込みを待つ
トーイングトラクターに引かれて積載が始まる
ハイリフトローダーへバトンタッチ
人力でハイリフトローダーに押し込む
貨物室へ持ち上げられていく
作業を見守る辰己総監督
まずは横方向で貨物室へ
収まったところで向きをチェンジ。リアスポイラーの翼端板がギリギリ
ちょっと心配そうな辰己総監督
今度は逆側の翼端板が気になる
無事に向きを変え終わった
貨物室に収まったSUBARU WRX STI NBRチャレンジ2018
辰己総監督も安心
最終的な搭載位置。通常コンテナ2列×3個分を占有
パレットから降ろす際に使用するスロープなども積み込まれた