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新型「アクア」に昭和電工マテリアルズのリチウムイオン電池用負極材を採用

2021年11月9日 発表

リチウムイオン電池とリチウムイオン電池用負極材

 昭和電工マテリアルズは11月4日、トヨタ自動車の新型「アクア」の一部のグレードに搭載されているリチウムイオン電池の部材として、同社のリチウムイオン電池用負極材が採用されたことを明らかにした。

 新型アクアでは、容量5.0Ahのニッケル水素電池を「Z」「G」「X」グレードに、容量4.3Ahのリチウムイオン電池を「B」グレードに搭載している。同社のリチウムイオン電池用負極材は「ヤリス」のハイブリッドモデルに続く採用という。

アクア

 ハイブリッド車や電気自動車など、電動車に搭載されるリチウムイオン電池には、燃費性能を向上させるため、特に大電流で充放電できることが求められる。

 昭和電工マテリアルズでは、これまでに培った粒子設計、表面構造の制御技術などにより、負極材の粒子形状、粒子サイズ等を最適化し、電気抵抗を低減することにより大きな電流を通せるようにした。そして、電動車用リチウムイオン電池に必要な大電流での充放電に貢献する製品性能が評価され、今回の採用につながったという。

 なお、昭和電工マテリアルズでは、2008年から国内外において負極材技術に係る発明の特許を継続的に出願し、負極材の構造、物性、用途等多面的な視点で特許網の構築に努めてきた。そして、2021年には、特許に関する通常の早期審査よりもさらに早期に行なう審査「スーパー早期審査」を経て、粒子形状や粒子サイズなど、今回採用された負極材の技術を含めた複数の技術を特許化。これにより、負極材技術における強固な特許網を構築させた。

 昭和電工マテリアルズでは、研究開発の成果や製品を保護するため、今後も積極的に特許権を行使、同社独自の技術として差別化を図り、同社の市場優位性の維持、強化を図るべく、さらなる特許網の強化策を推進していくとしている。