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ボディカラーが白から黒へ、ボディ色が変化するBMW「iX Flow Featuring E Ink」をCES 2022で確認

CES2022にボディカラーが変化する「iX Flow Featuring E Ink」が展示された

ボディにはポリゴン的なラッピングが施されていた

 BMWは、1月5日(現地時間)に報道発表を行ない、同社が「iX Flow」と呼んでいる台湾のE Inkと共同で開発した技術を利用した、ボディカラーが刻々と変化する車両をCES 2022に展示した。

 CES 2022が行なわれているメイン会場「ラスベガス・コンベンション・センター」(LVCC)の駐車場にあるBMWブースに展示されていたその車両は、表面にE Inkの技術を利用していると思われるフィルムのようなものでラッピングされている。

【BMW】ボディの色が変化する「iX Flow」① from CES 2022(38秒)

 実車で確認して分かったことは、表面に貼られているE Ink由来のフィルムは、1つ1つが自動車の曲面に貼るためにポリゴンの三角形になっており、それらが徐々に濃さを変えることで、人間の目には色が白から黒に徐々に変わっているように見える仕組みになっている。

E Ink Prismというフィルムが車体に貼られており、人間の目に徐々に変わっているように見せている

 「E-INK」というのは、台湾のE Inkが開発した電子ペーパーで、電気を流したときだけその表示を変えるディスプレイ。白黒の表示を変化させることで文字やイラストなどを表示できる。表示を変更するときだけ電力を必要とするので、非常に小さい消費電力で表示を変更することが可能だ。

 PCやスマートフォンなどに採用されている液晶ディスプレイが、表示する際に常に電力を必要としているのに比べると、圧倒的に小さい消費電力で情報を表示することが可能となる。

人間の目にはスムーズに変わっているように見えるが、よく見ると三角形単位で色が変移していっている
ホイールカバーにもつけられていた

 そうした特性を活かして、E Inkの電子ペーパーはAmazonのKindleのような電子書籍端末に利用されている(タブレットモデルのKindle Fireは液晶を採用している)。電子書籍、特に文字ベースの書籍を読む場合には、ページをめくってからそのページを読み終わるまで特に画面は動かないので電子ペーパーの優れた応用例になっている。そのほかにも、看板やレストランのメニューなど1日に1回程度書き換えればいいものなどはE Inkの電子ペーパーにとっての応用例となっている。

【BMW】ボディの色が変化する「iX Flow」② from CES 2022(13秒)

 今回の「BMW iX Flow」も、必要なときだけ電気を流すことで、黒と白の間を濃淡変えながら変化するというE Inkの特性を活かしている。E Inkによれば、「E Ink Prism」というフィルムを利用しており、ソフトウエアによるプログラムによりデザインを刻々と変えることが可能になっている。実際に実車を見ると、白と黒の間を刻々と色が変わっていってるように見え、とても不思議な印象だった。

貼られているフィルムは三角形になっている
三角形1つ1つの単位で徐々に色の濃さが変わっていっている。それなりの速さで切り替えられているので、人間の目には色がスムーズに変わっているように見える
【BMW】ボディの色が変化する「iX Flow」③ from CES 2022(12秒)