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グッドイヤー、サステナブル素材を70%使用したデモタイヤを開発

2022年1月5日(現地時間) 発表

サステナブル素材を70%使用したデモタイヤ

サステナブルな原材料100%によるタイヤ製造という目標に向かって前進

 ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニーは1月5日(現地時間)、サステナブルな原材料含有率が70%のデモタイヤを発表した。

 今回新しく開発されたサステナブル素材70%のタイヤには、9種類の異なるタイヤ成分と、それに関わる13種類の特徴ある成分が含まれており、グッドイヤーの性能指標では、この成分特性がタイヤ全体の性能を強化していることを証明しているとのこと。

 グッドイヤー 上級副社長 グローバルオペレーション&CTOのクリス・ヘルセル氏は「グッドイヤーは2020年に、この先10年以内にサステナブルな原材料100%によるタイヤを製造するという目標を掲げましたが、今回、当社の研究者とエンジニアはその目標に向かって大きな前進を遂げてくれました。これは、私たちのタイヤ製造におけるサステナブル素材を増やすというコミットメントを実証するものであり、大変期待が持てる大きな成果です」とコメントしている。

具体的な素材・成分

 コンパウンドの補強やタイヤ寿命延長のために含まれているカーボンブラックは、メタン、二酸化炭素、植物性オイルから生成される3種類の異なるものを使用。初期のライフサイクルアセスメントでは、現在の各種石油製品を燃焼させて作られているカーボンブラック製造方法と比較して炭素排出量が減少していること、またはバイオベース、あるいは廃棄物原料の使用が証明されている。

 タイヤへの大豆油の使用は同社の重要な技術革新であるといい、極端な温度変化の中でもコンパウンドの柔軟性を保つのに役立っているという。大豆油は植物を原料とした資源であり、石油系製品の使用量を削減。大豆タンパクのほぼ100%が食品や動物飼料用として利用されているが、大豆油には余剰があるため、工業用に使用可能となっている。

 グリップ力の向上や燃費低減の効果がある成分のシリカについては、米の加工時に出る副産物で、廃棄・埋め立てに使われることが多い籾殻灰から作られた多様な種類のものが含まれている。

 ポリエステルは、ペットボトルやその他プラスチック製品の廃棄物を基材に戻し、タイヤコードに使用可能な工業用級のポリエステルに改質することでリサイクルしている。