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NTTデータ オートモビリジェンス研究所、クラウド型自動運転システム検証基盤ソフトウェア「ZIPC GARDEN Automation」リリース

2022年4月25日 発表

次世代車両開発プロセスにおけるZIPC GARDEN®ラインアップの活用イメージ

 NTTデータ オートモビリジェンス研究所(以下:ARC)は4月25日、自動運転システム検証基盤ソフトウェア「ZIPC GARDEN Automation(ジップシー ガーデン オートメーション)」を2022年4月22日にリリースしたと発表した。

 ARCはNTTデータグループの自動車技術のR&Dセンターで、ZIPC GARDEN Automationは、J-QuAD DYNAMICS(以下:J-QuAD)とNTTデータとの業務提携による自動運転・先進安全支援領域の共同研究成果としてリリースされる自動運転システム検証基盤ソフトウェア。

 今後、ARCでは自動運転の実現に必要な車両統合制御ソフトウェアの技術開発を推進しているJ-QuADとの共同研究を経ながら、自動運転システムのバーチャルシミュレーション環境における、シナリオベース開発プロセスを用いた有効かつ効率的な安全性検証を実現するテクノロジを確立していき、これをZIPC GARDENシリーズとしてソフトウェアサービス化してリリースしていく。

 今回リリースされるZIPC GARDEN Automationは、クラウド型検証基盤ソフトウェアとして、ARCが研究開発した独自アルゴリズムやアーキテクチャを以て運転シーンに関するデータやナレッジを有効かつ効率的に分析することにより、自動運転システムのバーチャルシミュレーションで実行すべき重要シナリオを網羅的に自動生成する。

 基本機能は年額課金のWebサービスとして提供するとともに、自動車メーカー・サプライヤ各社の開発環境の状況に応じたエンジニアリングサービスをあわせて提供することによって、各社において最適な開発・運用環境構築(バーチャルプライベートクラウド)を支援。その結果、バーチャルシミュレーション主体による自動運転システムの有効な安全性検証が実現し、次世代車両量産を画期的に効率化できるとしている。

 ARCでは、先行してオープンソース版自動運転システム検証基盤ソフトウェアGARDEN Scenario Platformを2021年6月にリリースしており、今後、このオープンソースに実験的な新機能を適宜アップデートし自動車業界に向けて広く無償公開することで、業界各社のニーズを把握し得られた知見をZIPC GARDENのサービス拡充に反映していく。

 ZIPC GARDEN第1弾としてリリースされる、シナリオ自動生成機能を備えるZIPC GARDEN Automationに続いて、今後もサービスラインアップ拡充を予定。今後、自動運転車両開発の自動化・仮想化をより推進するためにバーチャルシミュレーション実行機能を備える「ZIPC GARDEN Simulator」を2023年に、さらに量産市販後の車両の稼働状況をモニタリング・学習して車両開発プロセスにフィードバックすることで製品のブラッシュアップにつなげる「ZIPC GARDEN DevOps」を2024年にそれぞれリリースする予定。

 ZIPC GARDENラインアップの各機能は、次世代車両開発プロセスを可能な限り前倒し省力化するとともに、車両量産後の市場運用並びに車両機能のアップデートに至るサイクルを含めてトータルでつなぎ合わせるための媒介の役割を担うことで、次世代車両の安全で効率的な量産と更なる進化に貢献していくとしている。