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「Zには負けませんから」の新型「Z」が富士24時間耐久テストに登場 モリゾウ選手と同じST-Qクラスに参戦

2022年5月10日 実施

富士24時間レースのテスト走行に登場した新型「Z」の230号車(平⼿晃平/松田次生/佐々木大樹/星野一樹組)

富士スピードウェイに現われた新型「Z」のレーシングマシン

 5月10日、富士スピードウェイでは6月3日~5日に開催されるスーパー耐久第2戦富士24時間レースへ向けてのテストが始まった。この第2戦では、第1戦鈴鹿に参加した各種のマシンや、鈴鹿に間に合わなかったマシンなどが新たに参戦。さらに日産自動車は新型「Nissan Z」(日本名:フェアレディZ)をベースとしたレースカーでテスト参戦すると発表していた。

 新型「Z」が参戦するのは各種の開発車両が参加するスーパー耐久のST-Qクラス。ST-Qクラスの2022年シーズンは、トヨタ自動車社長でもあるモリゾウ選手が水素カローラでの挑戦を引き続き行なっているほか、カーボンニュートラル燃料を使用する1.4リッター直列3気筒ターボのGR86、2.4リッター水平対向4気筒自然吸気のBRZ、ユーグレナのバイオディーゼル燃料「サステオ」を使用するMAZDA 2など技術的にも最先端の車両が参加している。

 この新型「Z」は、日本でお披露目となった東京オートサロン2022の最初のプレスカンファレンスでモリゾウ選手でもある豊田章男社長が次の日産を紹介するときに、「日産、内田さんかな~。でもね、日産のみなさん、Zには負けませんから。たすきは渡したけど、Zには負けませんから」と2度推しするなど大きな話題となっている新型車。

 発売時期は夏とされている新型車が、いきなり24時間レースに挑むために富士スピードウェイに現われた形になる。

244号車(田中徹也/田中徹/三宅淳嗣/高星明誠/安田裕信組)

 エントリーは、NISMO 230号車 平⼿晃平/松田次生/佐々木大樹/星野一樹組と、Max Racing 244号車 田中徹也/田中徹/三宅淳嗣/高星明誠/安田裕信組、テスト量をこなすためか2台エントリーとなっていた。気になる走行タイムは、朝の走行枠で230号車が1分50秒674、244号車が1分50秒864。ST-Qクラスでは、2位と3位。全体でも13位、14位のタイムになる。

 モリゾウ選手にとっては、オートサロンのプレスカンファレンス後にアポなしで日産ブースに訪れ、コクピットに乗り込んだあの新型「Z」が、サーキットで、同じST-Qクラスでライバルとして参戦してきたことになる。

 新型「Z」のST-Qクラス参戦だけでも話題だが、トヨタ、スバル、マツダとの争いにも注目したい。新型「Z」については、ドライバーラインアップを見るだけでも、日産/ニスモの本気度がうかがえる参戦になっている。富士24時間レースが盛り上がっていくのは間違いないだろう。