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BMW、新型バッテリEV「iX M60」 最大トルク1100Nmと航続距離615kmを実現する“Mモデル”

2022年5月24日 発売

1740万円

BMWのバッテリEVシリーズに新たに「iX M60」が追加された

前後にモーターを搭載する4輪駆動モデルで安定した走行性能を発揮

 ビー・エム・ダブリューは5月24日、長距離走行が可能な次世代BEV(バッテリ電気自動車)であるBMW iX(アイエックス)のラインアップに「iX M60(エムロクマル)」を追加し発売した。右ハンドル仕様で価格は1740万円。

 BMW iXは、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)をベースに、コンセプト、デザイン、パワートレーンなど、その全てにおいて、BMWが次世代を見据えて開発したモデルで、サステイナブル(持続可能性)であることを目的にパワートレーンには電気モーターを採用しつつ、大型のリチウムイオンバッテリを搭載し、長距離走行を可能とした次世代BEV。今回ラインアップに追加されたiX M60は、BMW iXシリーズにおけるトップモデルであるとともに“BMW M”を冠するBMW Mモデルとなる。

ボディサイズは4955×1965×1695mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3000mm、車両重量は2600kg

システム最高出力619PS/最大トルク1100Nm(スポーツモード時)を発生

 iX M60は、前輪に最高出力258PS(190kW)を発揮する電気モーターを、後輪に最高出力489PS(360kW)を発揮する電気モーターを搭載した4輪駆動モデル。システムトータルの最高出力は619PS(455kW)、最大トルクは1015Nm(スポーツモードでは1100Nm)を発生し、0-100km/hの到達タイムはわずか3.8秒(欧州仕様値)。ボディ床下に収納されているリチウムイオンバッテリの総エネルギー量は111.5kWhで、一充電での走行可能距離は615kmを誇る。

最高出力619PS(455kW)/最大トルク1015Nm(スポーツモード時は1100Nm)。リチウムイオンバッテリ容量60.6Ah。総エネルギー量111.5kWh。一充電走行距離615kmを誇る

 普通充電と急速充電(CHAdeMO)に対応し、普通充電は6.4kWのBMWウォールボックス(200V/32A)なら一晩で充電開始時0%の状態から満充電が可能で、急速充電(CHAdeMO)は現在主流となっている90kW充電器なら、約75分で充電開始時0%の状態から約80%までの充電が完了する。また、10分のみの急速充電でも、最大約80km程度の走行を可能としている。さらに、BMW店舗に設置予定の150kWの急速充電器の場合は、約60分で充電開始時0%の状態から約80%までの充電が完了し、わずか10分で最大約130km程度の走行が可能になるという。

独特なデザインが施されたフロントグリル
ブレーキキャリパーにはMモデルのロゴが入る
後部ピラーにはBEVシリーズである証の「iX」ロゴ
リアゲートのエンブレム

4輪アダプティブ・エア・サスペンションを搭載

 前後輪に「アダプティブ・エア・サスペンション」を採用し、走行状態に合わせて常に最良の車両地上高を保ち、乗り心地、敏捷性、安定性といったさまざまなシチュエーションに対応。任意の切り替えも可能とし、例えば「Sportモード」でダンパーを固くし、車高を下げることで、スポーツ走行に適した特性にすることも可能。車高はスイッチにより、高(+20mm)~低(-10mm)を任意に設定できる。

インテグレイテッド・アクティブ・ステアリングを採用

 また、走行状況に応じて後輪を積極的に操舵させることで、街中での取りまわしやスポーティ走行性能を高めるとともに、旋回時の安定性が高まることにより、後席の乗り心地を向上させてくれる前後輪統合制御ステアリングシステム「インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング」を採用。

 街中での駐車や取りまわしなど、低速域においては、後輪を最大3.2°逆位相(前輪と逆方向)に操舵することで、車両の回頭性を高め、狭いスペースへの駐車や細い道でのUターンなどがスムーズにできる。逆に高速域においては、後輪を最大2°同位相(前輪と同方向)に操舵することで、ワインディングでは安定したターンインを、高速ではスムーズなレーンチェンジを実現するとしている。

暖かなラウンジのような車室内を実現

 ヒート・コンフォート・パッケージを標準装備とし、従来のエアコンディショナーによる温風や、シート(フロント&リア)およびステアリングヒーターに加え、センターコンソール、フロントドアパネル、リアドアパネル、ダッシュボード下部の表面が加熱される表面加熱技術により、冬季でも車室内は暖かなラウンジのような心地よい空間を実現するという。

走行モードによって流れるサウンドも自動調整

 オーディオスピーカーから、特別に作曲したサウンドを発することで次世代の走りを表現する「アイコニック・サウンド・エレクトリック」を採用。ドイツ出身の映画音楽作曲家の1人であるハンス・ジマー(Hans Zimmer)氏により作曲されたサウンドは、MY MODESの設定で「Sport」を選択するとサウンドを強調、「Personal」では音響の全体バランスを重視、「Efficient」ではサウンドをOFFにしてくれる。

安全機能・運転支援システムを標準装備

 高性能カメラ&レーダー、および高性能プロセッサーによる高い解析能力によって、より精度と正確性が向上した最先端の運転支援システム「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」を標準装備。主な機能として「アクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付き)」「レーン・チェンジ・ワーニング(車線変更警告システム)」「レーン・ディパーチャー・ワーニング(車線逸脱警告システム)」「ステアリング&レーン・コントロール・アシスト」「サイド・コリジョン・プロテクション」「衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付き)」「クロス・トラフィック・ワーニング」「ペダル踏み間違い急発進抑制機能」などを搭載する。

 さらに標準装備の「パーキング・アシスタント」には、車両が直前に前進したルート最大50mまでを記憶し、その同じルートを自動バックで正確に戻る「リバース・アシスト機能」も採用され、日本に多数点在する細い道での対向車とのすれ違いに困った際など、安全かつ正確に元のルートに復帰することを可能としている。

Alexa(アレクサ)など音声操作も可能

 AI技術を活用することで、音声会話だけで車両の操作、情報へのアクセスが可能となる「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」を搭載。今までの音声入力と異なり、より自然な会話に近い言葉で、ドライバーの指示や質問を理解し、適切な機能やサービスを起動可能にするほか、使用頻度に応じてドライバーの好みを学習し、長く乗り続けるほどドライブにおける真のパートナーとしての役割を担ってくれるようになるという。Amazonが提供するクラウドベースの音声サービスAlexa(アレクサ)にも対応する。