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デンソー、“空飛ぶクルマ”用の電動推進ユニットを「人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA」で展示

2022年5月25日~27日 開催

入場無料

デンソーが展示した「空飛ぶクルマ用の電動推進ユニット」

 デンソーは、5月25日~27日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催されている「人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA」(主催:公益社団法人自動車技術会)に出展。電動車などに向けたパワートレーン関係や、パワー半導体、安全技術、CO2削減に関するソリューション技術、トレーサビリティ、QRコードに関する展示などを行なっている。

 なかでも、“空飛ぶクルマ”用の電動推進ユニットは軽量化を実現し、地上モビリティにもその技術が活かせるとしている。

 空飛ぶクルマといっても実際は航空機で、クルマのように手軽に移動できる空を飛ぶモビリティ。浮力を得るエネルギーとして主に電動化が想定され、そのために大幅な軽量化を行なった電動ユニットが必要となる。

デンソーが展示した「空飛ぶクルマ用の電動推進ユニット」
アキシャルギャップ型ダブルローター方式のモーターの説明。上半分は従来型、下半分がアキシャルギャップ型

 展示された「空飛ぶクルマ用電動推進ユニット」はアキシャルギャップ型ダブルローター方式のモーターを採用することで、出力密度を向上させ、軽量化を高次元で実現している。従来のモーターとはステーターとローターの配置などの内部構造が異なるもので、さらにインバーターの周波数を高めることで静電容量を低減。加えて、出力密度を向上させ、従来の自動車用のモーターに比べて出力密度は3倍以上になるという。

 このユニットは本体内の回転部分にファンの羽も内蔵されるが、これにより、自己冷却機能も持たせている。

 デンソーでは「地上モビリティに還元」としており、この技術で地上モビリティの電動機の出力密度向上にも役立てる方針だ。

 展示された新型のインバーターは、ハイブリッド4WD車など前後にモーターを持つ電動車向け。従来は前後で別々のインバーターを搭載していたが、一体化することで、車両への搭載性を高めた。

新型のインバーター。4WD車では従来2台あったものが1台で済む

 SiC材料を用いたパワー半導体はトヨタ自動車「MIRAI」に搭載。電力損失が少ないことが特徴となる。

トヨタ・MIRAIに搭載されるSiC材料を用いたパワー半導体

 安心分野としては、新たに運転支援システムの「Global Safety Package 3」を展示した。これは、トヨタの「ノア」「ヴォクシー」の新型に搭載されるもので、カメラやレーダーの検知角度を広くすることで出合い頭の事故の回避につなげるというものとなる。

運転支援システムの「Global Safety Package 3」

 また、デンソーはエネルギー利用技術として、エネルギー循環社会を目指す上でCO2の再利用や、CO2回収システムを展示した。

CO2の循環利用をデンソーの安城製作所で行なっている
CO2回収システムのモックアップ

 二次元バーコードとなるQRコードはデンソーが開発したもの。そのQRコードを使ったシステムが紹介されており、会場では電池のカーボンフットプリント情報を取り上げたトレーサビリティシステムを展示した。

 さらに二次元バーコードは数が多くなると貼り付ける場所の問題や、美観という問題も出てくる。その解決として、1つのQRコード内にもう1つのコードを埋め込む「QR in QR」や、カメラでは読めるが通常は見えない「透明QRコード」を紹介した。

QRコードを使ったトレーサビリティシステム
合わせて、二次元バーコードの場所や美観の問題を解決する技術も展示
1つのQRコード内にもう1つのコードを埋め込む「QR in QR」
カメラでは読めるが通常は見えない「透明QRコード」