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『グランツーリスモ7』に登場した「スズキ ビジョン グランツーリスモ」を鈴鹿サーキットで走らせてみた

2022年5月26日 配信

「スズキ ビジョン グランツーリスモ」

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントのPS5/PS4用ソフトウェア『グランツーリスモ7』に、新規収録車種として「スズキ ビジョン グランツーリスモ」が登場した。スズキの2輪モデル「HAYABUSA」のエンジンにモーターを掛け合わせたスーパースポーツモデルを、鈴鹿サーキットで走らせてみた。

 スズキ ビジョン グランツーリスモは、スズキがかつてコンセプトスポーツカーとして発表したフラグシップ・スポーツバイク「HAYABUSA」の高出力エンジンを軽量アルミフレームの車体にミッドシップに積んだ「GSX-R/4」を、最新のHAYABUSAのエンジンと、最新のスズキの電動化技術や軽量化技術を用いて蘇らせたモデル。

エクステリアデザインは、スズキのスポーツマインドを代表するスイフトスポーツのDNAと、かつてのカプチーノを想起させるロングノーズのシルエットとを融合

 車重970kgのコンパクトな2シーターオープンボディに、最新のHAYABUSAの1340cm 3 (1340cc)エンジンをフロントミッドに搭載したFR駆動のレイアウトを採用して、フロント駆動用に2つのモーター、リア駆動用に1つのモーターを追加したAWDモデルとなる。

「スズキ ビジョン グランツーリスモ」を鈴鹿サーキットで走らせてみた

 記者が、PS4版の『グランツーリスモ7』にある「鈴鹿サーキット」でしばらく走り込んでみた印象としては、車重970kgからくる走りの軽快さを感じさせるモデルで、日産「GT-R」、ホンダ「NSX」、トヨタ「GRスープラ」といった国産ブランドのハイパフォーマンスモデルとバトルができるパフォーマンスを持っていることを確認できる。

 セッティング機能にあるスペックを確認すると、最高出力は432PS/9900rpm、最大トルクは18.3kgfm/7500rpm。加速性能については、バッテリEVで感じられる立ち上がりの猛烈な加速感というものはないが、エンジン回転数の高まりとともにパワーも立ち上がっていき、HAYABUSAのエンジン特性を基本としながら、モーターによるアシストを行なっているという印象。

異型ステアリングなどを採用するインテリアデザインでは、GSX-R/4でも採用したモーターサイクルのフレームのようなイメージのデザインを採用し、現代におけるピュアスポーツとしての走りの楽しさを追求

 ハンドリングについては不思議な操作感覚で、慣れるのに少し時間がかかった。マシンセッティングの項目や車両説明には書かれてはいないが、異型ステアリングを採用していることからも、可変ギヤレシオや前輪に搭載する2つのモーターの制御なども行なわれていることが想像できる。

 鈴鹿サーキットを走り込んでいく中で感じたのは、大排気量のハイパフォーマンスモデルにはない独自の走りの文法があり、エンジンを回して楽しい痛快なモデルであること。このスズキ ビジョン グランツーリスモで示したHAYABUSAのエンジンを4輪モデルに搭載するというコンセプトは、電動化技術を活用することで4輪モデルのエンジンとしては不得意な領域をモーターによるアシストで補うことで、もしかしたら実現することは可能ではないかと感じられた。

 なお、『グランツーリスモ7』にある車両説明では、今後このスズキ ビジョン グランツーリスモのGr.3バージョンも登場する予定。パワートレーンやレイアウトがGr.3のレギュレーションに合わせて大幅にチューニングされたスズキのモータースポーツに対する情熱を体現したモデルというので、その登場を楽しみに待ちたい。

Gr.3の登場を予告している
「スズキ ビジョン グランツーリスモ」