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FANATEC「Gran Turismo DD Pro」を使って『グランツーリスモ7』の新型「フェアレディ Z」を走らせてみた

FANATECの「Gran Turismo DD Pro」

 3月4日に発売された『グランツーリスモ7』。その『グランツーリスモ7』にあわせて登場したグランツーリスモ公式となるFANATECのダイレクトドライブホイール「Gran Turismo DD Pro」を入手したので、『グランツーリスモ7』においてどのような操作感なのかをお伝えしていきたい。

 結論を先に述べてみると「う~ん。滑らか」の一言、ダイレクトドライブによる滑らかな操作感に感動した。結構なお値段はするけど「イイもん買っちゃったな」というのが正直な感想だ。

 届いたGran Turismo DD Proの梱包材を広げて中身を開けてみると、自動車のエンジンルームにあるオルタネーターぐらいの大きさの本体が現れ、持ち上げてみるとものすごい重さ、家庭ゲーム機向けとは思えない重さに“なんか、とんでもないものを買ってしまったな”というのが第一印象。実際、公式Webサイトで確認してみると、本体部分はモーターのような構造となっていて、ステアリングホイールがモーターシャフトに直接マウントされるダイレクトドライブを採用しているのがこの「Gran Turismo DD Pro」の特徴だ。ステアリングについては、手入れがしやすい樹脂素材でできていて、スイッチ類はグランツーリスモを楽しむのに最適化されたレイアウトで扱いやすい印象。

ステアリングホイールがモーターシャフトに直接マウントされるダイレクトドライブを採用する
グランツーリスモ公式ダイレクトドライブホイールとしてデザインされた「Gran Turismo DD Pro」

 さて、「Gran Turismo DD Pro」の操作感はどんなものなのか、『グランツーリスモ7』に収録された日産自動車の新型「フェアレディ Z」を再現した「Z Performance '23」でしばらく走り込んでみた。

 このGran Turismo DD Proを使い込む中で一番印象に残ったのは、滑りやすい路面できちんと車両をコントロールできるようになったこと。

 例えば、土砂降りの鈴鹿サーキットをヘビーウェット用タイヤを装着して走らせていた時、こういった滑りやすい路面では新型フェアレディ ZはFRのパワフルなモデルなので、繊細なステアリング操作やアクセル操作が求められるのであるが、Gran Turismo DD Proで走らせていると、滑りやすい路面の状況が伝わってきて、カウンターステアもしっかり決まる。左にステアリングを切っていて、リアが滑り出しそうと感じたら、左から右に一気に必要な量のカウンターステアを当てることが必要となるが、この操作がスパッと一発で決まり気持ちがいいのである。

FANATEC「Gran Turismo DD Pro」を使って『グランツーリスモ7』の新型「フェアレディ Z」を走らせてみた

 記者はこれまで、『グランツーリスモSPORT』公式ステアリングコントローラーのTHRUSTMASTER「T300RS GT」を使ってきたが、この「Gran Turismo DD Pro」を一度体験してしまうと、ベルトやギヤ駆動を採用するこれまでのステアリングホイールを少しおもちゃっぽく感じてしまったのは正直なところ。

 それは、T300RS GTの内部構造を確認してみると、プラスチックのギヤやゴムのベルトなどが使われていて、プラスチックのギヤやゴムのベルトといった、実車のステアリング装置では使われていない部品によるノイズが伝わっているのを感じて、おもちゃっぽいと感じたのかもしれない。冒頭に述べた「う~ん。滑らか」との印象は、速く走るために必要な情報以外のノイズが少ない、そういったノイズのない気持ちよさが含まれている。

 そのほか、操作ペダルなどについても触れておくと、剛性感のある素材で作られていてアクセルペダルの操作感もよく、ブレーキペダルの踏み心地もよい。ブレーキはブレーキ時にしっかりと踏力を要求するタイプなので、滑り止めのマットを敷くなどの工夫が必要かも。ステアリングについてもトルクがかかるので、しっかりしたものに固定したほうがいいだろう。

 Gran Turismo DD Proの価格は、標準モデルが9万2900円で、ピークトルクは5Nmとなる。ピークトルクが8Nmになるという別売の「Boost Kit 180」がセットになるモデルが11万2900円などをラインアップしている。ゲームやホビーの領域で考えると高額なものになるが、モータースポーツの道具としてのドライビングシミュレーターと考えれば、この値段でこの性能のものが買える時代になったのかと思うと、ちょっと感慨深い。