モリゾウ選手が新型Zに、日産グプタCOO・NMC片桐社長がGRスープラに乗ることを富士24時間で約束 新型Zがカーボンニュートラル仲間に

日産/NMCがカーボンニュートラル車でスーパー耐久に参戦

左から日産モータースポーツ＆カスタマイズ株式会社 社長 片桐隆夫氏、日産自動車株式会社 COO アシュワニ・グプタ氏、モリゾウ選手ことトヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男氏。「東京オートサロンでは～」と語り中

　日産自動車とNMC（日産モータースポーツ＆カスタマイズ）は6月4日、富士24時間レースが開催されている富士スピードウェイで同レースに参戦するレースカー「Nissan Z Racing Concept」の230号車がカーボンニュートラル燃料を使用していることを明らかにした。

　日産/NMCは富士24時間レースに新型Zをベースにした「Nissan Z Racing Concept」の230号車と244号車をエントリー。ほぼ同じ仕様の両車だが、230号車はカーボンニュートラル燃料、244号車はガソリンと燃料まわりが異なっているという。発表前は違う目線での開発とされていた両車だが、244号車は近い未来を、230号車はやや遠い未来を見すえて開発していたことになる。

　富士スピードウェイでカーボンニュートラルに関する発表を終えた日産 COO アシュワニ・グプタ氏とNMC 社長 片桐隆夫氏は、すでにカーボンニュートラル燃料で参戦していたトヨタのピットを訪問。モリゾウ選手ことトヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男氏と歓談した。

　日産自動車/NMCと新型Zがカーボンニュートラル燃料で走る仲間になったことについてモリゾウ選手は、「トヨタ、日産というライバル関係で日本の自動車業界を盛り上げてきて、そこにホンダも加わりいろいろな会社もきたけど、軸となるのはトヨタと日産だと思うんです。そういう意味では大変心強いです。いいライバルとしてね。東京オートサロンでは『Zには負けませんから』と発言して、バトンの、トスの渡し合いをしており、そういうところを（報道陣に）お伝えいただければ」と、日産/NMCが加わったことを大歓迎。

　その後、グプタCOO、片桐社長とドライビング談義になり、話の流れはモリゾウ選手が新型Zに乗ることを、グプタCOO、片桐社長がGRスープラに乗ることを約束。新型Zの発売は夏が予定されているため、夏以降にそのような機会が訪れるかもしれない。

　モリゾウ選手とグプタCOO、片桐社長は自動車メーカーのトップマネジメント同士というより、ただのクルマ好きとしての会話を楽しんでいた。2050年のカーボンニュートラル達成への道は遠いが、自動車業界にとって共通の、そして高い壁があることでライバル同士の結束は強まっているように見える。協調と競争によってカーボンニュートラル問題を克服し、モータースポーツが楽しめる世界が続いてほしいと思えた瞬間だった。

CNF（カーボンニュートラル燃料）でTN対決再び？　現状は新型Z有利と思われるが、水素カローラの技術開発速度に期待したい