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トヨタ、WRC 第6戦で1-2-3-4フィニッシュ 1993年のサファリ・ラリー以来29年ぶり

2022年6月27日 発表

WRC(2022年 FIA世界ラリー選手権)第6戦 サファリ・ラリー・ケニアの表彰台

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は6月26日(現地時間)、WRC(2022年 FIA世界ラリー選手権)第6戦 サファリ・ラリー・ケニアでGR YARIS Rally1 69号車のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が優勝。表彰台に加えて4位までトヨタ勢で独占し、1993年のサファリ・ラリー以来、2回目の1-2-3-4フィニッシュを決めた。

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、69号車に続いて、33号車のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合2位、1号車のセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組が総合4位。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから出場した18号車の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が総合3位を獲得して、GR YARIS Rally1が1-2-3-4位までを独占した。

GR YARIS Rally1 69号車のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組
1号車(セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組)
69号車(カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組)
33号車(エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組)

 2022シーズンは、ロバンペラ選手は6戦中、4勝を記録するなど圧倒的な強さで、ドライバー選手権では、2位のヌービル選手よりリードを65ポイントに拡大してトップ。また、マニュファクチャラー選手権においては、チームは上位2台が獲得したポイントとオジエ選手のボーナスポイントにより、2位のヒョンデよりリードを62ポイントに広げてトップに立っている。

 2022年のサファリ・ラリーは、「フェシュフェシュ」と呼ばれる、目の細かい砂状のグラベルが堆積した路面や、降雨により泥状となった滑りやすい路面、大きな穴が口を開け鋭い石が転がる荒れた路面など、今シーズンもっとも困難な路面であったという。ほかの多くのクルマが深刻なトラブルに見舞われる中、GR YARIS Rally1は高い信頼性と速さを両立し、この困難なラリーを戦い抜いたとしている。

 29年ぶりの1-2-3-4フィニッシュという結果に、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamチームオーナー 豊田章男氏が「“ラリーは、いかにトラブルなく走り切れるかがなにより大切”ということを、改めて強く感じました」などと、コメントを発表した。以下はその全文となる。

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamチームオーナー 豊田章男氏のコメント全文

 カッレ、ヨンネ優勝おめでとう!

 エルフィン、貴元、セブ、1-2-3-4フィニッシュという素晴らしい結果をありがとう! アーロンは、初ポディウムおめでとう! TOYOTA GAZOO Racing初の4台上位独占は、厳しいケニアの道を、みんなが無事に帰ってきてくれたからこその結果です。“ラリーは、いかにトラブルなく走り切れるかがなにより大切”ということを、改めて強く感じました。もちろん無事に最後までクルマを運んでくれたドライバーたちの力は大きいですが、その裏にあるチームの力にも心から感謝したいと思います。

 チームのみんなは前戦での厳しい結果に気を落とすことなく、ケニアへの準備を短時間でやりきってくれました。中にはケニアに入ってから完成させたパーツもあったと聞きます。サービスの合間にも、メカニックやエンジニアが悪路対策などの知恵を出し合い、ラリーがスタートしてからもサファリの道に対応するための改善を繰り返してくれていたそうです。“もっといいクルマづくり”を“走りながら”“道の上で”実践してくれるチームを本当に頼もしく思います。

 優勝したカッレは、初日にコースオフしクルマを破損していました。チームの多くが心配する中メカニックたちは「大丈夫!直せる!」と笑顔で言い、15分しかない中でクルマを元通りにしてくれていました。初日のビハインドからでも優勝するカッレの運転も素晴らしいですが、あっという間にクルマを直してしまうメカニックたちの腕と自信も本当にすごいと思います。今回、この素晴らしい結果が今まで積み重ねてきた“チーム力”の賜物だと感じられることが、なによりうれしいです。

 ファンの皆さまの声援もやはり、チームにとって大きな力となっています。いつも、ありがとうございます。2022年シーズンは次から後半戦に入ります。引き続き、ご声援をよろしくお願いいたします。

 追伸

 現地応援に駆けつけてくれたトヨタケニアのみんなもありがとう! みんなに迎えられ、サファリ・ラリーもわれわれのホームラリーとして戦えました!