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メルセデス・ベンツ、新型バッテリEV「EQB」発表会 「今冬に世界初のEV専売拠点をオープンする」と上野社長

2022年7月14日 実施

メルセデス・ベンツ日本はバッテリEVの新型「EQB」の発表会を実施した

年内にバッテリEVモデル2車種を追加発表し、さらに電動化を推進

 メルセデス・ベンツ日本は7月14日、BEV(バッテリ電気自動車)第3弾となる新型「EQB」の発表会を、東京都港区にある東京ポートシティ竹芝で実施した。

 登壇したメルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏は、久々にオンラインではなく直接の発表会を開催できた喜びを語るとともに、発表会場として選んだ東京ポートシティ竹芝について、「建物内に1000台を超える3DセンサーやAIカメラなど最先端のデバイスが採用されているスマートビルであると同時に、さまざまな自然を表現した竹芝新八景を通じた環境教育や、生物多様性の認知を図りグリーンインフラ大賞を受賞するなど、メルセデスEQシリーズのデジタルと環境への取り組みとの親和性が高いことから選びました」と会場の選択意図を紹介。

メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼CEO 上野金太郎氏

 続けて、世界情勢や半導体不足などの影響で、需要に対して供給が追い付いていない現況をお詫びしつつも、この状況でも国内でEQシリーズが2021年度は昨対比で4倍の販売を記録したことを紹介し、BEVの好調さをアピールした。

 また、メルセデス・ベンツでは、2016年にCASE戦略を、2019年には「アンビション2039」を策定し、2039年までにバリューチェーン全体で販売車両を100%カーボンニュートラルにするという目標に触れ、その目標に向け、年内に新たにBEV専用プラットフォームを採用したフラグシップモデル「EQS」と「EQE」を発表すると予告。

 さらに、この冬にメルセデス・ベンツとして世界で初めてとなる「EV専売拠点」を日本にオープンすることが決まったと発表。豊富な展示車、試乗車、専門知識を持ったスタッフをそろえ、ユーザーのEVライフをしっかりとサポートする施設になるという。

BEV第3弾とる新型EQBの発表会が行なわれた

 上野社長は新型EQBについて、「人気のSUV『GLB』をベースに、最大の魅力である7人乗りのパッケージとエクステリアデザインはそのままに、電気自動車へと仕上げられている。家族とのアウトドアや友人とのアクティビティなど、美しい楽しい人生の1ページに彩りを添えてくれるモデルである」と紹介。

 また発表会場には、すでにEQBを予約したオーナーが抽選で招待されていて、普段は参加できない報道陣向けの発表会やレセプションパーティを楽しんでいた。

新型EQBのボディサイズ(ルーフレール含む)は、4685×1835×1705mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2830mm。車両重量は2100kg(2WD)、2160kg(4WD)、オプションのパノラミックスライディングルーフを装着すると+20kgとなる
「GLB」のボディサイズは4650×1845×1700mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2830mm

 続いて登壇したメルセデス・ベンツ日本 営業企画部 部長の上野麻海氏は、新型EQBについて、スクエアでSUVらしいスタイルと、BEVには珍しい7人乗りで、GLBと同様に多彩なシートレイアウトが可能なことから、いろいろなライフスタイルに合わせられる1台であると紹介。

 ただし、ベースがGLBではあるものの、細部のデザインは電動モデル「EQ」シリーズの特徴を踏襲していて、「フロントグリルをブラックパネル化させ、左右に水平に伸びる光ファイバーがフルLEDのヘッドライトへとつながるデザインとし、リアのコンビネーションランプもLEDのライトスクリプトが途切れることがないように一体化し、リアエンドの幅を強調するデザインを踏襲している」と解説する。

メルセデス・ベンツ日本株式会社 営業企画部 部長 上野麻海氏

 また、同じBEVの「EQA」はルーフからテールエンドにかけて、スタイリッシュで丸みを帯びたデザインを採用しているが、EQBはスクエアデザインになっていて、力強い典型的なSUVスタイルなのも特徴と説明。そして2つのグレードが設定され、「EQB 250は、フロントに新設計の永久磁石同期モーターを採用した2WDで、最高出力190PS、最大トルク385Nmを発生しながらも、充電1回での走行可能距離は日本で発表しているEQモデル最長となる520kmを実現している」と上野氏は航続距離の長さをアピール。

 一方、フロントに非同期モーターを1基、リアに永久磁石同期モーターを1基搭載した4WDモデルの「EQB 350 4MATIC」は、最高出力292PS、最大トルク520Nmを発生。前後のパワーバランスを毎秒100回という頻度で高度に調整することで、効率的な走りを実現し、充電1回での走行可能距離は468kmを確保。

 いずれのモデルも普通充電(AC200V)と、100kWまでの急速充電CHAdeMOに対応している。

普通充電(AC200V)ポート

 インテリアについて上野氏は「2830mmの長いホイールベースを生かした広いレッグスペースと室内空間を確保しています。また、最大4台までチャイルドシートを装着することができ、子供が多いファミリーにも対応すると同時に、安全性、操縦安定性、快適性、利便性、品質を高レベルで実現しつつ、電気自動車ならではの静粛性も備わっています」と解説。

 さらに、メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス(MBUX)も備え、「はい、メルセデス。充電ステーションを探して!」といった会話形式の操作にも対応しているほか、オーナーに便利なサービスを提供する「メルセデスコネクト」を採用。万が一の事故の際に車内のSOSボタンを押すことで、コールセンターが消防に連絡をする24時間緊急通報サービスは、最長10年間無料で利用できるとしている。

EQBのインテリア

 そのほかにも、専用アプリをスマートフォンにダウンロードすれば、スマホから目的地を設定したり、キーのロック/アンロックもできる「Send2Car」も利用可能となるほか、アプリの地図上に自車の駐車場所を表示する「駐車位置検索」や駐車場の空き状況をオンラインでナビゲーションに表示してくれる「オフストリートパーキング」、あらかじめ設定しておいた出発時間に合わせてエアコンを自動で起動して、設定した室温にしてくれる「プリエントリークライメートコントロール」なども利用可能となる。

 メルセデス・ベンツ日本は、バッテリ保証と長期の車両保証「EQケア」を用意するだけでなく、全国約2万基の提携充電器の利用が1年間無料となる「メルセデス・チャージ」、さらに全国222拠点のアフターサービスネットワークも構築していて、オーナーのEQライフをサポートするという。

EQBの価格

 価格は「EQB 250(2WD)」が788万円、「EQB 350 4MATIC(4WD)」が870万円で、本日から納車を開始するとしている。なお、令和4年度のCEV(クリーン・エネルギー・ビークル)補助金は、両モデルともに65万円となっている。

漫画ワンピースの主人公「モンキー・D・ルフィ」から応援メッセージ

 スクリーンに映し出された漫画ワンピースの主人公モンキー・D・ルフィは、今夏に公開される映画に触れつつ、EQBについて「電気で走るなんてすっげ~、カッコいいな! フランキーに頼んで俺にも作ってもらいたいぞ」とコメント。また、上野社長はルフィについて、「麦わらの一味の船長として海賊王になる夢を抱き、多くの仲間たちとたくさんの挑戦をしていきますが、このEQBも国内外にさまざまな電気自動車がある中で、新しい価値を切り拓く存在になってほしい」と想いを語った。今後は映画とのさまざまなコラボレーション企画を予定しているという。

映画ワンピース「フィルム・レッド」とのコラボレーションEQB
ラッピングにより車体全体にワンピースのキャラクターが描かれている