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豊通エネルギー、名古屋港で自動車運搬船向けバイオディーゼル燃料を供給

2022年9月12日 発表

バイオ燃料の供給を受ける自動車運搬船「とよふじ丸」(トヨフジ海運)と供給を行なう燃料供給船「尚山」(豊田通商)

 豊田通商は9月12日、豊田通商グループの豊通エネルギーが舶用バイオディーゼル燃料(以下:バイオ燃料)の供給を、トヨフジ海運が運航する自動車運搬船向けに実施したことを明らかにした。船用バイオ燃料の供給は、名古屋港でShip to Ship方式により2022年7月26日と8月3日に実施された。

 今回の取り組みは、令和3年度国土交通省関係補正予算(2021年12月20日予算成立)の「内航カーボンニュートラルの推進に向けた調査」の一環として行なわれるもので、低硫黄C重油とバイオ燃料の配合燃料を内航船向けに供給する国内初の試みとしている。

 今回、豊通エネルギーが供給したバイオ燃料は、豊田通商がダイセキ環境ソリューションと連携し、一部、国内のトヨタグループや豊田通商グループ企業から回収した廃食油を原料として使用したもの。地産地消によるサプライチェーン構築を通じてサーキュラーエコノミー(循環型経済)にも資する取り組みとし、バイオ燃料に関して国内でサプライチェーンや常時利用が確立されれば、海運業界のカーボンニュートラル推進になるとしている。

 豊田通商グループでは、2021年4月に、シンガポール港で初めてバイオ燃料の運航実証を実施したことを皮切りに、同年6月には、同港で外航船向けにバイオ燃料の供給を行ない、2022年4月には、国内で初めて、港内を運航するタグボート向けに実施するなど、バイオ燃料による船舶の代替燃料転換の取り組みを展開している。今回、取扱貨物量が国内最大の名古屋港において、自動車運搬を行なう内航船に向けてバイオ燃料の供給トライアルを行なうことで、バイオ燃料の有効性を検討するとともに、内航海運における脱炭素化を図っていくとしている。