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ユーグレナ、バイオジェット燃料を使用した日本初フライトを実施

2021年6月4日 発表

 ユーグレナは6月4日、国土交通省航空局が保有し運用する飛行検査機「サイテーションCJ4」において、同社が製造したバイオジェット燃料を世界で初めて使用したフライト・飛行検査業務を実施したと発表した。政府機関の航空機で国産のバイオジェット燃料が使用されるのは日本で初めてとなる。

 この飛行探査機は、全国の空港などで運用される航空保安施設などが正常に機能しているかといったことを飛行して検査するために特殊な装備を施した航空機で、国土交通省航空局では5機のCJ4型機と1機のDHC8型機を保有して運用している。

 国土交通省が2050年カーボンニュートラルの実現に向けてさまざまな活動を推進する中、世界環境デーを前に取り組み加速の一助になりたいとの考えから同社製造のバイオジェット燃料を提供し、飛行検査機への活用に至ったとのこと。

 このフライトでは、バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントのBICプロセスにて製造し、外部検査機関によるASTM D7566 Annex6規格への適合検査に合格したバイオジェット燃料を、既存石油系ジェット燃料と混合した上で使用。このバイオジェット燃料の原料には、使用済み食用油と微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)由来の油脂などが用いられている。バイオジェット燃料を給油した飛行検査機は、2時間30分程度飛行して飛行検査業務実施後、中部国際空港に着陸。なお、これは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業となる。

使用済み食用油と微細藻類ユーグレナ由来の油脂などを使用して製造されたバイオネット燃料

 今回の取り組みについて、赤羽一嘉国土交通大臣がバイオジェット燃料の給油などを視察。赤羽国土交通大臣は、バイオジェット燃料の普及促進について「カーボンニュートラルがわが国最大の国際公約である中、運輸セクターとしても、CO2排出削減は一番大きなテーマ。その観点から、今日、航空機におけるバイオ燃料の使用が実施されたのはよいこと。(バイオジェット燃料の)製造については、航空各社がやるというより、なるべく大きな塊とするのがよいと思う。今後も重要な位置づけとして取り組みたい」とコメントした。

赤羽一嘉国土交通大臣が今回の取り組みを視察

 ユーグレナは、2018年10月末、日本初のバイオ燃料製造実証プラントの竣工を機に、「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す「GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)」を宣言し、陸海空における移動体にバイオ燃料を導入することを目標として掲げてきた。2020年3月にはバイオディーゼル燃料が完成。供給を開始し、バス、配送車、フェリー、タグボートなどでバイオ燃料の導入が拡大している。2021年3月にはバイオジェット燃料が完成し、今回初フライトの実現に至った。