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日立アステモ、ホンダが2026年の展開を目指すBEV向け電動アクスルを受注

2022年9月26日 発表

電動アクスルのイメージ

 日立Astemoは9月26日、本田技研工業が2026年からグローバル展開を予定している中・大型BEV(バッテリ電気自動車)向けの電動アクスルを受注したと発表した。

 ホンダ向けの電動アクスルでは、日立Astemoがシステムインテグレータとして、炭化ケイ素(SiC:シリコンカーバイド)を使用した高効率インバータと角線を用いた高効率・低損失モーターをギヤメーカーの小型で静粛性が高いギヤボックスに組み合わせ、自社開発の高性能な一体駆動ユニットとしてホンダに納入する予定。

 世界各国からカーボンニュートラル実現に向けた表明が相次ぎ、自動車メーカーが電動車などの環境対応車の投入を加速しているなか、パワートレーンにおける開発効率向上や部品点数削減によるコスト低減、軽量・コンパクト・高効率化などに寄与する電動アクスルの需要拡大が見込まれているという。日立Astemoは自社開発した電動アクスルを、今後グローバルでさまざまな自動車メーカーに拡販するとともに、モーター、インバータを自動車メーカーの内製やギヤメーカーの組み立てとなる電動アクスル用に供給するといった両方のビジネスモデルにより、急拡大している電動アクスルの需要に対応していくとした。

 今後、日立Astemoは2021年の経営統合によるシナジーを最大限に生かし、統合した拠点や技術、リソースを活用するとともに、グローバル生産拠点のさらなる強化を図ることで、電動化事業におけるグローバルリーディングカンパニーとしての地位を強化。具体的には、電動化事業に対し2025年度までに研究開発費を含め3000億円の投資を行ない、2025年度における電動化事業の売上収益を4000億円超、さらに2030年度にはその2倍以上に拡大することを目指すとのこと。

 また、日立Astemoは日立製作所の研究開発グループとも連携し、インバータでは独自冷却方式のパワーモジュールや小型・薄型で放熱性の高い絶縁実装技術などにより、業界最高水準の出力密度を誇っており、モーターではこれまでに培ってきた材料開発技術や解析技術、静音化技術、生産技術をマグネット、電磁鋼板、巻線で構成される磁気回路などに生かすことで、トルク密度において競争優位性を確立。さらに、モーター、ギヤの最適制御ソフトウェアを含むシステムインテグレーションにも強みがあるといい、同社におけるこれらの差別化技術をギヤメーカーが有する先端技術と融合し、業界最高水準の効率性とともに、低振動・低騒音やモジュール設計によるコスト競争力に優れた電動アクスルを自動車メーカーに提供していくとした。