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豊田章男社長、ラリーチャレンジ富士山おやまにWRC仕様のレーシングスーツで参戦 「意思ある間違い」とラリージャパン参加の可能性を示唆

TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ 第11戦富士山おやまで、エントラント代表としてあいさつを行なうモリゾウ選手こと豊田章男氏。レーシングスーツのデザインがWRC仕様

富士スピードウェイを舞台に、ラリーチャレンジ初開催

 10月23日、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)を中心にした地域では7つの競技が同時に開催されている。その一つが、TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ 第11戦富士山おやま。ラリーチャレンジは、ラリチャレとして親しまれている地域と一体になって運営されるアマチュア向けラリー競技。今回のラリチャレ富士山おやまには、トヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男氏も、モリゾウ選手として参戦していた。

 ここ2年は、スーパー耐久レースに水素カローラで参戦して、サーキットドライバーイメージの強いモリゾウ選手だが、ラリーをこよなく愛していることでも知られている。とくにラリチャレは自身が立ち上げからかかわっている思い入れの強いイベント。最初は8名から始まったラリチャレも、近年は運営上の上限に達するほどの参加者を集めており、今回も90名(ラリーは1分ごとにスタートするので、スタートするだけで90分)の参加者で行なわれている。

ラリーチャレンジ 第1戦安芸高田でのレーシングスーツ。シンプルなGRカラーのデザイン

「意思ある間違い」によりWRC仕様のレーシングスーツで参戦

WRC ラリー・ベルギーでのデザイン。水素GRヤリスでSSをデモランした

 スタート前に、モリゾウ選手こと豊田章男社長に話を聞いていたが、なにか気がつかないかという風に胸のTOYOTA GAZOO Racingマークを指す。レースをする際には安全のために耐熱・耐火規定を満たしたレーシングスーツを着る必要があるが、確かに何かデザインが違うような気がした。

「そのスーツって?」と問いかけると、待ってましたとばかりに豊田社長は「間違えてWRCのラリー・ベルギーで使用した、WRCのレーシングスーツを着てきた」という。「意思ある間違い」であるという。

 この時期に意思ある間違いでWRCのレーシングスーツを着るということは、11月10日から13日に愛知県・岐阜県で開催されるラリージャパン参加ですかと聞いてみると「まだオファーがない」とのこと。

 豊田社長は、ラリチャレの前週に開催されたスーパー耐久においては予選に参加したものの、決勝には不参加。その際に、不参加の理由を聞いたところ「準備しているから」と答えており、どうもラリージャパンのどこかに参加させてほしいとWRC仕様のレーシングスーツでアピールしている模ように見える。

 クルマ好きのモリゾウ選手が、エキシビションになるのかどうか分からないが、どのような形であれラリージャパンにドライバーとして参加すれば日本で12年ぶりに開催される世界的なラリーが盛り上がるのは間違いない。何より、自動車会社の社長がクルマの楽しさをアピールしてくれるのは、モータースポーツ好きでなくても歓迎したいところだ。

 現状、モリゾウ選手こと豊田章男氏の参戦情報は明らかになっていないが、わざわざWRC仕様のレーシングスーツを着てラリチャレに参戦した以上、誰かが声をかけてくれるに違いない。モリゾウ選手の参加発表・参加形態を楽しみに待ちたい。