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ラリーツーリズム第2弾「TGRラリーチャレンジ 八ヶ岳 茅野」開催 次戦は旅行プランも用意された利府

TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ 第2戦 八ヶ岳 茅野でスタートフラッグを振る茅野市長 今井敦氏

TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ 八ヶ岳 茅野

 TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ(以下、ラリチャレ) 第2戦 八ヶ岳 茅野が4月16日~17日の2日間にわたって長野県茅野市を中心に開催された。2022年シーズンのラリチャレはラリーツーリズムを前面に打ち出しており、第2戦は蓼科など八ヶ岳高原エリアが選ばれていた。

 ただ、募集時期やコースの関係などもあり、この第2戦は無観客試合として開催されている。茅野市運動公園などをベースに大規模なイベントも計画されていたが、無観客としたためにすべて中止。集客は行なわずラリー参戦者のみによる大会となっていた。

 地元と密着したアマチュアドライバー向けのエントリーラリーとなるラリチャレだが、年々人気は高まり今回のエントリー台数はイベントとして運営可能としている90台を超えているという。スペシャルステージ数はクラスによって異なるが、Eクラスは8本で約14km、Cクラスは6本で約9km設定されていた。

ほぼフルエントリーとなったラリチャレ 八ヶ岳 茅野

交通安全が強く求められたラリチャレ 八ヶ岳 茅野

 ラリーの開始に先立って、コースの説明を含むドライバーブリーフィングが行なわれた。2日開催となるEクラス、1日開催となるCクラスがあるため、2日間とも同様に実施。そこで競技長などからとくに強調されていたのが、一般公道を走るリエゾン区間での交通法規の順守。

 ラリーは公道をクローズして最速タイムを競うスペシャルステージ区間と、一般公道を移動のためにタイムを守って走るリエゾン区間から構成されることが多い。このリエゾン区間は一般公道や生活道路を普通に走る区間のため。道路交通法を守って走る区間となる。自動車免許を持っている人なら当たり前に走行すればよい区間なのだが、全日本ラリー第2戦において一部チームによる道交法違反が大きな社会問題(当該チームは当面の活動を中止)となるなど、道交法を守らずに走る例が全日本クラスの競技で起きてしまった。

 モータースポーツ全般を統括するJAF(日本自動車連盟)では、この問題を強い危機感を持って受け止め、各イベントを運営する地方統括団体おいて確認が行なわれたとのことが競技長より参加者に伝えられた。ラリチャレはアマチュアドライバーが中心のイベントではあるが、地元とともに発展してきたイベントでもあり、改めて確認された次第だ。競技長からは無観客ではあるものの、沿道の人たちの応援があった場合、手を振るなどの余裕を持ってリエゾン区間を通過してほしいとの要望が伝えられた。

リエゾン区間を走るコペン

 Eクラスの選手とCクラスの選手がそろう2日目の朝には、ラリチャレを応援する茅野市長、茅野商工会議所などを招いての開会式が行なわれた。

 茅野市長 今井敦氏はあいさつにおいて、3年ぶりにラリチャレを茅野で開催できたことによろこびつつ、コロナ禍の影響もあり無観客になったことを残念がっていた。本来であれば、もっと参加者に楽しんでもらえるような企画もあったとのことだ。

あいさつを行なう茅野市長 今井敦氏

青空の下で行なわれたラリチャレ、次戦は利府でラリーツーリズム

スタートするクルマにエールを贈るTOYOTA GAZOO Racing Company President 佐藤恒治氏

 このラリチャレで話題となっていたのは、ルーキーレーシングチームがカーボンニュートラル燃料を用いるGRヤリスと、試作の8速AT搭載GRヤリスをラリチャレに参戦させていたこと。いずれも賞典外とはなるのだが、トヨタ自動車がかかげる「もっといいクルマづくり」に取り組む試作車両として参戦していた。

 このルーキーレーシングのGRヤリスは、2022年からのニューカラーとなっていた。ラリチャレ茅野の舞台となる蓼科には、トヨタ自動車とトヨタ販売店が発願して建立した交通安全を祈願するお寺である「聖光寺」があるのだが、ルーキーレーシングチームはドライバーも含め交通安全祈願を行なってから参加したとのこと。新たなカラー、新たな気持ちでラリーに臨んでいたのかもしれない。

新カラーとなっていたルーキーレーシングチーム
交通安全祈願のお寺「聖光寺」

 ラリチャレ茅野は無観客となっていたが、すでに全国的にまん延防止等重点措置は解除されており、5月14日~15日に行なわれる第3戦の利府では有観客で実施予定。さらにラリチャレのWebサイトでは、TMEJ(トヨタ自動車東日本)宮城大衡工場見学、サービスパーク見学などがセットになった旅行プラン「プロドライバーとラリー実感体験 TGRラリーチャレンジ観戦者向けツアーin宮城利府」が4月26日まで販売されている。

 ワクチン接種済みなどこの時代ならではの条件はあるが、ラリーツーリズムをプレミアムに体験できるプランとして設計されているようだ。