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トヨタ、WRC第12戦でオジエ選手が今季初優勝 チームは2年連続マニュファクチャラーズタイトル獲得

2022年10月24日 発表

トヨタがWRCで2年連続マニュファクチャラーズタイトルを獲得した

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は10月24日、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「ラリー・スペイン」にて、セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(GR YARIS Rally1 HYBRID 1号車)が優勝、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合3位、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合6位でフィニッシュし、チームが2年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲得したと発表した。

 ラリー・スペインの最終日(10月23日現地時間)、首位のオジエ選手は2位のティエリー・ヌービル選手に20.7秒、3位のロバンペラ選手に22.1秒のリードでスタート。最終のパワーステージSS19でもベストタイムを記録し、オジエ選手は見事今シーズン初、GR YARIS Rally1 HYBRIDで初勝利を挙げた。オジエ選手の優勝は昨年の最終戦ラリー・モンツァ以来となり、ラリー・スペインでの優勝は4回目、WRC通算優勝回数を55回に伸ばした。また、今シーズンからオジエ選手とコンビを組んだヴェイラス選手は、初めてのWRC優勝となった。

 第11戦でドライバーズタイトルを獲得しているロバンペラ選手は、最終のパワーステージを3番手タイムで走破。その瞬間、オジエ選手のフィニッシュを待つことなくチームのマニュファクチャラーズタイトル獲得が確定した。

WRC第12戦ラリー・スペインで優勝したセバスチャン・オジエ選手(右)とベンジャミン・ヴェイラス選手(左)

 トヨタにとってマニュファクチャラーズタイトル獲得は2021年に続き2年連続、通算6回目の獲得で、WRC歴代3位の記録となるほか、2017年にTOYOTA GAZOO Racing World Rally TeamとしてWRCに復帰してからは、3回目の獲得となる。また、前戦ラリー・ニュージーランドでロバンペラ選手がドライバーズタイトルを、ハルットゥネン選手がコ・ドライバーズタイトルをすでに獲得していることから、チームは2022年も3つのタイトル全てを手にした。

トヨタのWRCマニュファクチャラーズタイトル獲得記録

1993年:セリカ GT-Four ST185
1994年:セリカ GT-Four ST185
1999年:カローラ WRC
2018年:ヤリス WRC
2021年:ヤリス WRC
2022年:GR YARIS Rally1 HYBRID

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team チームオーナー 豊田章男氏のコメント

 チームのみんな、マニュファクチャラーズチャンピオンおめでとう! 昨年同様にドライバーズ、コドライバーズ、マニュファクチャラーズの全てのタイトルを獲ってくれて本当にうれしく思います。そして、なにより“GRヤリスがトリプルチャンピオンカーになったこと”がうれしくて仕方がありません。みんなに心から感謝します!

 チームタイトルを決めてくれたのはセブとベンジャミンでした。振り返れば、新しい規定のクルマで臨んだ初戦モンテカルロでポイントを獲ってくれたのもセブ。そして、最後にチャンピオンを決めてくれたのもセブ。本当に頼もしい存在です。ありがとう。カッレとヨンネは6回の優勝でチーム最大の功労者です。エルフィンとスコットは苦しいラリーもありました。ですが、苦しい中でも諦めずに走り切ってくれたポイントが貴重なものになっています。エサペッカとヤンネも悔しいラリーが多かったと思いますが、3度表彰台に上がりチームポイントを獲得してくれました。貴元とアーロン。2人はチームポイントには加わらない参戦ですが、君たちが得点圏内に入り続けてくれたことがチームチャンピオンを引き寄せてくれました。

 4台のGR YARIS Rally1 HYBRID、10人のドライバー、それを支えた全てのスタッフ、パートナーの皆さま、そして応援し続けてくれた全世界のファンの皆さま、みんなで獲った2022年のチャンピオンです。皆さん、本当にありがとうございました!

 日本では多くのファンが3週間後のラリージャパンを待っています。チャンピオンに相応しい走りを日本の多くのファンに見てもらいたいと思います。チームのみんなは、そのために、今夜は大喜びをして、また明日から最終戦に向けた準備を、よろしくお願いします!

追伸 ヤリ-マティへ

 先日のヒストリックラリーで、また“ドライバー ラトバラ”に戻っていましたね。その姿をSNSで見かけ「チーム代表の時よりドライバーの時の方が“良い笑顔”をするな……」と思っていました。しかし、今日は中継で“それ以上の良い笑顔”を見ることができました。代表としてプレッシャーも多かったと思いますが、温かいチームづくりをしてくれて、結果も残してくれていること、心から感謝しています。最終戦を終えたら、また一緒に走りましょう。“ドライバー ラトバラ”の笑顔にも会えることを楽しみにしています。明日からも健康第一! 日本で待ってます!

チーム代表 ヤリ-マティ・ラトバラ氏のコメント

 チーム、そして3つのチャンピオンシップを獲得した今シーズンの成果をとても誇りに思います。成功の要因は3つありますが、まず最初に挙げたいのは、カッレが最終ステージを走り終えた時に言ったように、われわれのチームには才能豊かなスタッフが揃っているということです。そして2つ目は、全員が情熱と勝利に対する強い欲望を持っていること。最後、そして最も重要なのは、皆が力を合わせて働いていることです。これらの要素が全て揃えば、おのずと結果はついてきます。セブはこの週末、なぜこれまで多くのタイトルを獲得してきたのか、その理由を速さで示しました。彼には、他のチャンピオンたちと同じようにプラスアルファの力があり、それによって一線を画してきたのです。カッレも非常に成熟したドライビングを続け、われわれは今回もダブルポディウムを獲得することができました。ここスペインで3つ目のタイトルを獲得できたのは、素晴らしいことです。これでもう少しリラックスして日本でのホームラリーに臨むことができますし、日本ではまた別のお祝いをできることを期待しています。

チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラ氏

セバスチャン・オジエ選手のコメント(GR YARIS Rally1 HYBRID 1号車ドライバー)

 とても素晴らしい気分です。最も重要なのは、チームの全員でマニュファクチャラーズタイトルを勝ちとったことです。彼らはシーズンを通して、タイトル獲得に値する素晴らしい仕事をしてきました。また、個人的にも、今年出場したイベントでは不運が続いていたので、優勝することができてとてもうれしいです。とても楽しい週末になり、クルマはドライビングが非常に楽しく感じられ、タイムもついてきました。しばらくこのクルマでターマックを走っていなかったですし、テストも1日だけだったので、ラリーが始まってすぐに速く走ることができたのはうれしい驚きでした。金曜日は出走順があまりよくなかったので、なおさらです。また、ベンジャミンが初優勝したことも本当にうれしいです。ここまでカッレが6勝、私が1勝しているので、日本ではラッキーナンバーである8勝目を目指したいと思います。

セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(GR YARIS Rally1 HYBRID 1号車)

エルフィン・エバンス選手のコメント(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車ドライバー)

 チームがマニュファクチャラーズタイトルを獲得したことは、もちろんとてもうれしいです。今年のために新しいマシンを作るのは大変な作業でしたし、素晴らしいシーズンを送ってきたので、チームの皆を心から祝福したいと思います。ただし、私とスコットにとってはあまりいい週末にならず、全体的にペースがよくなくて苦しんだので、今後に向けて改善しなければなりません。この週末はセットアップやドライビングスタイルについていろいろなことを考え、改善しようと試みました。それによっていい方向に進んだと思いたいですし、他にもいくつかアイデアがあるので、日本に向かう前に作業を進めたいと思っています。

エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)

カッレ・ロバンペラ選手のコメント(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車ドライバー)

 チームを祝福し、感謝したいと思います。素晴らしい才能を備えたチームのスタッフたちがいたからこそ、新しいクルマを最強で最速、そして最も信頼性の高いものにすることができたのです。われわれ選手はただコクピットに座っているだけでよかったのですから、みんなに感謝します。ただし、われわれも今シーズンは自分たちの役割をしっかりと果たし、チームに多くのポイントをもたらすことができたので満足しています。自分たちも含むチーム全員が、成し遂げたことを本当に誇りに思うべきでしょう。今大会は、もし首位争いについていけるだけのペースがなかった場合、それを賢明に見極めて少しでもいい結果を残すことが目標でしたので、いい週末になりました。セブは週末を通して非常に速く、自分が最高の力を発揮したとしても、彼についていくことはできなかったでしょう。セブは優勝に値する戦いをしましたし、今回もわれわれの2台が表彰台を獲得することができたので、うれしく思います。

カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)

ラリー・スペインの結果(10月23日現地時間のもの)

1 セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 2h44m43.9s
2 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +16.4s
3 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +34.5s
4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +44.0s
5 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m21.5s
6 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m51.1s
7 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m19.1s
8 アドリアン・フォルモ/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2m38.4s
9 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2m43.0s
10 ピエール=ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +3m25.1s

次回はいよいよ2022年度の最終戦となるラリー・ジャパン

 WRC次戦は、11月10日~13日に日本で開催される最終戦「ラリー・ジャパン」となる。かつて日本では2004年~2010年にかけて北海道で、グラベル(未舗装路)ラリーとして6回開催されたが、それから12年を経て久々の日本開催。

 開催エリアは愛知県および岐阜県、路面はターマックと、完全に新しいイベントとして行なわれる。サービスパークは愛知県豊田市のトヨタスタジアムに置かれ、4日間で19本のステージが行なわれる予定。ステージは全体的に道幅が狭くツイスティなコーナーが多いため、非常に精度の高いドライビングが求められる。

フォーラムエイト・ラリー・ジャパン2022のキービジュアル