ニュース

トヨタ、WRC史上最年少22歳のロバンペラ選手が2022年ドライバーズタイトル獲得 ラリーニュージーランドで今シーズン6回目の優勝

2022年10月2日 発表

69号車「GR ヤリス ラリー1 ハイブリッド」のヨンネ・ハルットゥネン選手(左)/カッレ・ロバンペラ選手(右)

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は10月2日(現地時間)、2022年WRC(FIA世界ラリー選手権)第11戦「ラリー・ニュージーランド」に参戦した、69号車「GR ヤリス ラリー1 ハイブリッド」のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が優勝したと発表。WRC史上最年少記録22歳のロバンペラ選手が、2022年のドライバーズタイトルを獲得した。

 ロバンペラ選手は、ラリー・ニュージーランドで今シーズン6回目の優勝を決めるとともに、最終のパワーステージでボーナスの5ポイントも獲得した結果、ドライバー選手権のポイントが237となり、選手権2位のオィット・タナック選手が今回総合3位でフィニッシュしたため、2戦を残して2022年のドライバーズタイトルを決定した。

 これまでWRCの最年少チャンピオン獲得記録は、故コリン・マクレー氏が1995年に樹立した27歳と109日であったが、WRC最高峰カテゴリー参戦3年目のロバンペラ選手は、その記録を5歳以上も縮めた。

 2022年、ロバンペラ選手は第2戦スウェーデンで優勝してドライバーズ選手権トップに立ち、第3戦クロアチア、第4戦ポルトガルと3連勝。さらに、第6戦サファリ(ケニア)と第7戦エストニアでも優勝し、選手権をリードし続けた。そして今回のニュージーランドでの勝利により、シーズンの優勝回数は6回。10月20日〜23日の「ラリー・スペイン」、11月10日〜13日「ラリー・ジャパン」と2戦を残してタイトルを決めることに成功した。

 ロバンペラ選手は「今、大きな安堵感に浸っています。今年はとてもよいシーズンを送っていたのですが、何戦か困難なラリーが続き、ようやくタイトルを獲得することができました。速くて信頼性の高いクルマを作ってくれたチームのみんなに感謝します。お陰で、純粋に運転を楽しむことができています。また、彼らは苦しい状況でも、いつも僕らを信じて支えてくれました。年齢のことはあまり考えていなかったですが、それでもこのような結果を残せたのは特別なことです。チャンピオンになることは、自分にとって唯一の目標だったので本当に嬉しいです。実は、金曜日は今日よりも少しナーバスになっていて、戦うためにはハードに攻めなくてはなりませんでしたが、今日は、純粋に楽しんで走ることができました」とコメントしている。

 トヨタのドライバーのタイトル獲得はこれで4年連続、通算8回目。なお、マニュファクチャラー選手権では、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、2位ヒョンデとの差は81ポイントとなっており、はやければ次戦のラリー・スペインでタイトルが決まる可能性がある。

69号車(カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組)

 ロバンペラ選手のドライバーズタイトル獲得に、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのチームオーナー 豊田章男氏がコメントを発表した。以下はその全文となる。

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team チームオーナー 豊田章男氏のコメント

今週はカッレに“おめでとう!”を3つ伝えたいと思います。
ひとつ目は22歳の誕生日おめでとう!
ふたつ目はラリー・ニュージーランド優勝おめでとう!
みっつ目は2022年のドライバーズチャンピオンおめでとう!

 スペイン、日本と残り2戦ありますが、今までの11戦の内6勝してのチャンピオンは本当にすごいことだと驚いています。先日、記者の方に「なぜカッレは強いのか?」と聞かれ、とっさに出てきた答えは「彼はドーナツが好きだから」でした。パワーステージでもドーナツ・ターンを楽しんでいた君の姿が目に焼き付いていたから出た言葉でしたが、運転することをいつも楽しんでいるからこそ強いんだと思っています。GRヤリスラリー1を楽しんで運転してくれて、そしてチャンピオンになってくれて、本当にありがとう。今度、どこかで一緒にドーナツを楽しみながら、お祝いできる場がもてるといいなと思ってます。

 カッレを支えたコ・ドライバーのヨンネにも感謝しています。コ・ドライバー・チャンピオンおめでとう! 横に座るカッレだけでなく、チーム全体をも盛り上げて支えてくれている君の姿をベルギーで見かけました。マニュファクチャラーズ・タイトル獲得まで、今までどおりチーム全体の雰囲気づくりも頼みます。

 久々にGRヤリスに乗ってくれたセブも、運転を楽しめたからこその結果だと思います。チームのために走ってくれて、そしてタイトルに向けて貴重なポイントを取ってくれてありがとう!

 エルフィンと貴元も、チームのために攻めてくれた結果のコースオフでした。スペインでも日本でもこのまま一緒にマニュファクチャラーズ・タイトルを目指していきましょう!

 こうして4人のドライバーが思いっきり走れた裏には、前回ギリシャでの悔しさからチーム全員が気持ちをしっかり切り替えてくれたこともあると思います。

 また、10年ぶりのWRC開催を力強く盛り上げてくれた、トヨタ・ニュージーランドのみんなの応援の力もあったと思います。今回の勝利に力を尽くしてくれたみんなに、心から感謝します。最高の週末をありがとうございました!

 4台8人の選手たちが、あと2戦、すべての道を気持ちよく走り切れるようチーム全員で引き続きがんばっていきましょう!

 ヤリ-マティ代表、よろしくお願いします!