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ホンダの協調人工知能「ホンダ CI」を搭載したマイクロモビリティ技術を見てきた

2022年11月2日 発表

左から、株式会社本田技術研究所 先進技術研究所 知能化領域 エグゼクティブチーフエンジニアの安井裕司氏、株式会社本田技術研究所代表取締役社長の大津啓司氏、茨城県常総市長の神達岳志氏。後ろに見えるのは豊田城である

 本田技研工業の研究開発子会社である本田技術研究所は、2022年7月4日に茨城県常総市と「AIまちづくりへ向けた技術実証実験に関する協定」を締結し、知能化マイクロモビリティの技術実証実験の準備を行なっていた。その準備が完了し、常総市内の「水海道あすなろの里」(2022年11月より)と「アグリサイエンスバレー」(2023年春より)で技術実証実験を開始する。技術実証実験の開始に先立って、報道関係者向けに知能化マイクロモビリティの実機や技術についての説明会が行なわれた。その様子をレポートする。

ホンダは2050年に自社の車両が関与する交通事故死者ゼロを目指す

本田技術研究所代表取締役社長の大津啓司氏

 説明会では、本田技術研究所の所長や常総市長によるプレゼンテーションと、試乗体験を含むデモンストレーションが行なわれた。プレゼンテーションでは、まず、本田技術研究所代表取締役社長の大津啓司氏が、ホンダのビジョンを説明した。その要旨は以下の通りだ。

 ホンダのビジョンは、「すべての人に”生活の可能性が広がる喜び”を提供する」ことであり、そのために、いつでも、どこでも、どこへでも、人とモノの移動を「交通事故ゼロ」「ストレスフリー」で実現することを目指している。具体的には、2050年に全世界でホンダの二輪・四輪が関与する交通事故死者ゼロを目指すとしており、そのために重要になるのが「安全運転支援システム」「知能化運転支援技術」「安全・安心ネットワーク技術」だ。

ホンダのビジョンは、「すべての人に”生活の可能性が広がる喜び”を提供する」ことだ

 また、2030年以降という間近に控えている問題として、「タクシードライバーや集配スタッフなどの労働力の不足」や「Z世代では運転が苦手な人が増えている」「高齢者の認知能力低下による事故リスク」があり、それを解決する手段が、知能化モビリティである。

 知能化モビリティは、大きく現行の自動車をベースとした自動運転/運転支援車と、もっと小型の知能化マイクロモビリティに大別でき、「自由な移動の喜び」を拡大するために、予知・予測による安全・安心と交通参加者間の協調を実現するための高度なAIが必要である。それが、ホンダが開発している「ホンダ CI」である。CIとは、Cooperative Intelligenceの略で、協調人工知能と訳される。その名の通り、人とわかり合い協調して動作するAIであり、通常のAIよりも高度な技術だ。

2050年に全世界でホンダの二輪・四輪が関与する交通事故死者ゼロを目指す
2030年以降の問題として、「タクシードライバーや集配スタッフなどの労働力の不足」や「Z世代では運転が苦手な人が増えている」「高齢者の認知能力低下による事故リスク」が挙げられる
それを解決する手段が、知能化モビリティである
知能化モビリティは、大きく現行の自動車をベースとした自動運転/運転支援車と、もっと小型の知能化マイクロモビリティに大別でき、「自由な移動の喜び」を拡大するために、予知・予測による安全・安心と交通参加者間の協調を実現するための高度なAIが必要

「ホンダ CI」を搭載したマイクロモビリティ「CiKoMa」と「WaPOCHI」

本田技術研究所 先進技術研究所 知能化領域 エグゼクティブチーフエンジニアの安井裕司氏

 続いて、本田技術研究所 先進技術研究所 知能化領域 エグゼクティブチーフエンジニアの安井裕司氏が、ホンダ CIおよびホンダ CIを搭載したマイクロモビリティについて説明を行なった。その要旨は以下の通りだ。

 ホンダ CIとは、ホンダが開発を進めているユーザーと周りの環境、まわりの人々との間を取り持ち、協同する知能化技術であり、ホンダ CIを搭載した知能化モビリティによって「すべての人に”生活の可能性が広がる喜び”を提供する」ことが可能になる。ホンダ CI搭載マイクロモビリティ開発の背景にあるのが、少子高齢化とアフターコロナ後の社会生活の変化であり、今回の実証実験のために、搭乗型の「CiKoMa」(サイコマ)と非搭乗型の「WaPOCHI」(ワポチ)という2つのホンダ CI搭載マイクロモビリティを開発した。

 これらのホンダ CIマイクロモビリティのポイントとなる技術が「地図レス協調運転」と「意図理解・コミュニケーション」である。地図レス協調運転では、世界で初めて高精度な地図を持たずにリアルタイムに道路構造を理解することに成功。人と環境にあわせた協調行動計画機能も世界トップレベルである。

 また、意図理解・コミュニケーションでは、世界で初めて意図のキャッチボールや対話によるユーザー特定、ユーザーとの交渉・提案を実現。2023年春オープン予定の「アグリサイエンスバレー」で、CiKoMaとWaPOCHIの実証実験を行ない、「水海道あすなろの里」で、CiKoMaの実証実験を2022年11月から開始する。

 実証実験は段階的に行なう予定で、CiKoMaは当初ドライバー運転+安全運転支援やクローズドコースの自動走行から実験をスタートし、順次無人走行やエリアの拡大を行ない、2030年までには公道での長距離走行を実現する。WaPOCHIも当初は屋内外の実験区画のみで開始するが、順次エリアを拡大していく。

ホンダ CIは、ユーザーと周りの環境、周りの人々との間を取り持ち、協同する知能化技術である
ホンダ CIによって、「すべての人に”生活の可能性が広がる喜び”を提供する」ことが可能になる
ホンダ CI搭載マイクロモビリティ開発の背景にあるのが、少子高齢化とアフターコロナ社会である
今回の実証実験のために搭乗型の「CiKoMa」と非搭乗型の「WaPOCHI」という2つのマイクロモビリティを開発した
これらのホンダ CIマイクロモビリティのポイントとなる技術が「地図レス協調運転」と「意図理解・コミュニケーション」である
ホンダ CIマイクロモビリティのシステム構成図。カメラやマイクからの情報を元に考え、動いたり相手と対話をしたりする
地図レス協調運転では、世界で初めて高精度な地図を持たずにリアルタイムに道路構造を理解することに成功。また、人と環境にあわせた協調行動計画機能も世界トップレベルである
意図理解・コミュニケーションでは、世界で初めて意図のキャッチボールや対話によるユーザー特定、ユーザーとの交渉・提案を実現
搭乗型の「CiKoMa」と非搭乗型の「WaPOCHI」にはホンダ CIが搭載されており、ドライバーの能力や他者との協調をサポートする
2023年春オープン予定の「アグリサイエンスバレー」で、CiKoMaとWaPOCHIの実証実験を行なう
また、「水海道あすなろの里」では、CiKoMaの実証実験を2022年11月から段階的に行なう
実証実験のロードマップ。CiKoMaは当初ドライバー運転+安全運転支援やクローズドコースの自動走行から実験をスタートし、順次無人走行やエリアの拡大を行ない、2030年までには公道での長距離走行を実現する。WaPOCHIも当初は屋内外の実験区画のみで開始するが、順次エリアを拡大していく

常総市は6次産業×AIの「AIまちづくり」を推進

茨城県常総市長の神達岳志氏

 最後に、常総市長の神達岳志氏が、常総市が目指すまちづくりについて説明した。その要旨は以下の通りだ。

 常総市は平成27年に鬼怒川の堤防決壊によって大きな被害を受けたが、現在では完全に復興した。しかし、常総市には「若者の流出による人口減」「少子高齢化」「公共交通機関が脆弱」「事業の後継不足」という課題があり、それらを解決するために、乗り合いタクシーや移動スーパー、空き家活用などの取り組みを行なってきた。課題を解決するための切り札として、農業×商業×工業の6次産業化を目指す「アグリサイエンスバレー」を圏央道常総インターチェンジ付近に建設中である。アグリサイエンスバレーは2023年春オープン予定で、道の駅としても活用される。常総市は6次産業×AIの「AIまちづくり」を推進し、地域経済の活性化や地域雇用の増加、人口増を実現する。そのAIまちづくりのために2022年7月からホンダと協業し、AIモビリティのテスト拠点としてAIモビリティパーク紫峰を本田技術研究所に提供した。さらに、常総市はホンダや他の企業と一緒にまちづくりコンソーシアムを設立する。すでにプレコンソーシアムが6回開催されており、2022年12月から情報発信を行なう予定だ。

常総市は平成27年に堤防決壊によって大きな被害を受けたが、現在では完全に復興されている
常総市の課題として、「若者の流出による人口減」「少子高齢化」「公共交通機関が脆弱」「事業の後継不足」が挙げられる
常総市はこれまで乗り合いタクシーや移動スーパー、空き家活用など、上記の課題にたいして果敢に取り組んできた
農業×商業×工業の6次産業化を目指して「アグリサイエンスバレー」を建設中
常総市は、6次産業×AIのAIまちづくりを推進し、地域経済の活性化や地域雇用の増加、人口増を実現する
AIまちづくりに向けてホンダと協業し、AIモビリティのテスト拠点としてAIモビリティパーク紫峰を本田技術研究所に提供
また、AIまちづくりに向けて常総市はホンダや他の企業と一緒にまちづくりコンソーシアムを設立する
AIまちづくりコンソーシアムのロードマップ。すでにプレコンソーシアムが6回開催されており、2022年12月から情報発信を行なう予定だ

CiKoMaの地図レス協調運転技術の試乗体験やWaPOCHIのデモ

CiKoMaの試作車両。以前開発された超小型電気自動車「MC-β」をベース車両としているが、カラーリングが白と黒のため、警察車両みたいな雰囲気だ

 続いて、4つのグループに分かれて、4つのデモや試乗を順に体験することができた。まず、搭乗型マイクロモビリティ「CiKoMa」の地図レス協調運転技術の試乗体験の様子をレポートする。

 CiKoMaのデモは3種類公開されていたが、すべて常総市が本田技術研究所に提供したAIモビリティパーク紫峰で行なわれた。CiKoMaの試乗体験では、地図レス協調運転技術による、高度な自動走行アシストを体験できる。自動走行アシストの基本は自動運転であり、ドライバーがハンドルやアクセル、ブレーキに触れる必要は一切ない。交差点やT字路に近づいた際にドライバーがジョイスティックによって曲がりたい方向をCiKoMaに指示するだけで、CiKoMaがドライバーの意図を理解し、その意図に応じた進路を決定するというものだ。

こちらが常総市が本田技術研究所に提供したAIモビリティパーク紫峰。自動車教習所のコースに似た感じだ

 実際に、記者も試乗してみたが、まず自動運転そのものが滑らかで素晴らしかった。CiKoMaでは基本的に上部に搭載された複数のカメラの情報だけで、走路の認識を行なっているが、カーブでの加減速やコーナリングもスムーズであり、非常に快適であった。ジョイスティックによる進行方向指示も直感的で分かりやすく、左のモニターにリアルタイムに進む予定の進路が表示されるので安心だ。運転に慣れていない人でも、これなら思い通りの場所まで移動することができるだろう。

CiKoMaの試乗体験では、地図レス協調運転技術による、高度な自動走行アシストを体験できる
地図レス協調運転技術では歩道や車道の自動走行や車道での手動走行+走行支援など、状況に応じた乗り方ができる
自由な進路決定を可能にするため、ジョイスティックを採用。曲がりたい方向にジョイスティックを傾けるだけで、ドライバーの意図に応じた進路を決定する
高精度地図を使わずに、カメラベースで走路認識を行ない、リアルタイムで行動計画を立てることができる
車道を走行する場合、カメラからの画像情報だけで道路構造を理解し、スムーズな進路修正が可能
試乗体験では、ドライバーはハンドルやブレーキには一切手を触れず、ジョイスティックだけを操作して、CiKoMaに意図を伝える
このジョイスティックで操作を行なう。ジョイスティックはハプティクス(振動などで皮膚感覚フィードバック)付きである
CiKoMaの上部についているのが、周囲を認識するためのカメラ群である
右奥の液晶モニターはタッチパネルになっており、ドライブスタートと中断時などは、画面のボタンをタッチして行なう。右サイドにはジョイスティックがある
CiKoMaのスタートの様子。タッチパネルのドライビングスタートボタンをタッチすると、進みはじめる。カーブにくると自動的に車速が落ち、ハンドルが回る
交差点で左に曲がろうとして、ジョイスティックを左に一度倒すだけで、CiKoMaにその意図が伝わる
スタートから最初のカーブを曲がるまでの様子。加減速もコーナリングもスムーズだ
交差点を曲がる様子。ウィンカーも自動的に点灯する

CiKoMaに採用される「意図理解・コミュニケーション技術」のデモ

CiKoMaの意図理解・コミュニケーション技術のデモに使われた実機。試作機であり、まだ実際に人が乗ることはできないが、1人乗りを想定している

 続いて、CiKoMaの意図理解・コミュニケーション技術の実機デモが行なわれた。このデモでは、ユーザーは音声とジェスチャーでCiKoMaに移動意図を伝え、CiKoMaも音声での対話を行なう。ユーザーがCiKoMaが向かうべき目的地を途中で変更すると、それに対してCiKoMaが新たな提案を行なうといった、意図のキャッチボールが可能なことが特徴だ。CiKoMaは、クルマの近くは危険だといった人間が持つ常識も備えており、危険な場所への停車を指定すると別の場所を提案するようになっている。従来のAIを超えた、高度な知能化技術といえる。

また、CiKoMaの意図理解・コミュニケーション技術の実機デモが行なわれた
意図理解・コミュニケーション技術デモの概要。ユーザーは音声とジェスチャーでCiKoMaに移動意図を伝え、CiKoMaも音声での対話を行なう
CiKoMaはこのように意図のキャッチボールが可能で、停止位置の確認や適切な停止位置の提案などを行えることが特徴だ
CiKoMaは、カメラで人の特徴情報を認識し、その人の動作や服の色などに注目し、対話でユーザーを特定する
また、ジェスチャーでの指差し位置を推定し、キーワードと統合してユーザーの意図する位置を絞り込むこともできる
さらに、人間が持つ常識を備えており、周囲の状況を考慮して適切な停止位置を提案することができる

 デモは2回行なわれたが、最初のデモは以下のような流れになっていた(動画を参照のこと)。まず、ユーザーがCiKoMaに「ビーツバーガーに迎えに来て」と話しかけ、CiKoMaが「了解です」といってビーツバーガーの近くまで移動する。そこでCiKoMaが「ビーツバーガーの近くに到着しました」とユーザーに返答する。CiKoMaは、ユーザーと思われる人物がスマホを見ていることに気付き、「スマホを見ていますか?」と確認する。それに対してユーザーが「うん、そうだよ」と答えると、CiKoMaは「目の前に停まりますね」と応答する。しかし、ユーザーはジェスチャーで指し示しながら「いや、あっちの自販機に停めて」とCiKoMaに伝え、CiKoMaがその意図を理解して「青の自販機の近くに停車します」と答える。その移動途中で、ユーザーが「やっぱりクルマのところに停めて」と話しかけると、CiKoMaはクルマの前に停めるのは危ない(クルマが動き出す可能性があるから)と判断し、「危ない場所のため、黄色のコーンの近くに停車していいですか?」と提案する。それに対して、ユーザーが「うん。よろしく」と了承。CiKoMaが黄色のコーンまで移動するという流れだ。

前方に駆動輪が2つ、後方に小さなタイヤが2つあり、4輪車となっている
CiKoMaの意図理解・コミュニケーション技術のデモの様子
CiKoMaとユーザーの音声のやりとりを、リアルタイムにログとして見ることができる

 2回目のデモは、ユーザーがスマホを見るのはやめ、代わりに黄色の服を着て行なわれたが、CiKoMaはそれをちゃんと認識して服の色でユーザーを確認していた。また、停まる場所も、ポストの前に変更されたのだが、しっかりとその意図が伝わっており、なかなか見応えのあるデモであった。

今度はユーザーが黄色い服を着て、別の位置への移動を指示した。ちゃんと服の色を見分けて、ユーザーに確認しているところに注目

CiKoMaに採用する「協調安全運転支援技術」のデモ

デモに使われたCiKoMa技術実証実験車

 CiKoMaの3つめのデモが、ユーザー(ドライバー)の見落としを防ぐ「協調安全運転支援技術」のデモである。こちらのデモは、車両自体は動かさず、歩行者などが車両の前方を通過した際にドライバーの視線を検出し、歩行者に気付いていない可能性が高い場合、視覚と聴覚によってそのリスクを知らせるというものだ。

前を人などが横切ると、モニターのその位置に対応する部分に緑色のバーが表示される
視線が前方の通行人から外れていると、警告音が鳴り赤色のバーが表示されるが、視線をそちらに向けると、警告音が止まりバーが緑色になる

 このデモで使われたCiKoMa技術実証実験車両には、ホンダ知能化運転支援技術だけでなく、交換が容易なEV(電気自動車)向けバッテリ「Honda Mobile Power Pack e:」を採用している。また、前方にステレオカメラと通常のカメラを搭載するほか、側面や後方にもカメラが搭載されている。さらに、車両内部にも室内カメラが設置されており、ドライバーの顔向きや視線を検出することができる。ドライバーの視線が前方の通行人などのリスク要因から外れていると、警告音が鳴り赤色のバーが表示されるが、視線をそちらに向けると、警告音が止まりバーが緑色になる仕組みだ。

 また、車内には前方左右、中央左右、後方左右のそれぞれにスピーカーが設置されており、スピーカーの数は合計6個になる。警告音はこれらのスピーカーを利用して、立体音響として聞こえる(今回のデモでは前方左右のスピーカーしか利用していなかった)。例えば、右後ろをすり抜けるように進んでくるリスクを発見した場合、警告音の定位も右後方から右前方へと移動する。

CiKoMaの3つめのデモがユーザーの見落としを防ぐ「協調安全運転支援技術」のデモである
このCiKoMa技術実証実験車両には、ホンダ知能化運転支援技術とHonda Mobile Power Pack e:が搭載されている
車両内部にも室内カメラが搭載されており、ドライバーの視線などを検出して、ドライバーのリスク認知状態を推定し、外界カメラで取得した情報から予測されるリスクのレベルと合わせて、リスクを報知するかどうかを決定する
ドライバーの顔向きや視線を推定し、ドライバーがリスクを認知している場合は警報を最小限にとどめ、ドライバーが見落としていると思われる場合は、視覚と聴覚によってそのリスクを知らせる
CiKoMa技術実証実験車には、バッテリとしてHonda Mobile Power Pack e:が搭載されており、乾電池感覚でバッテリを簡単に交換できる
Honda Mobile Power Pack e:の実物。持ち運びも容易だ
前方にステレオカメラと通常のカメラを搭載
側面にもカメラを2つずつ搭載
車内にもドライバーの視線や顔向きを検出するためのカメラが設置されている
前方には2つのモニターと2つのスピーカーが設置されている
車両の中央にも2つのスピーカーが設置されている。さらに後ろにも2つスピーカーがあり、全部で6個のスピーカーが搭載されている
前の座席の下にHonda Mobile Power Pack e:が4つ搭載されている
Honda Mobile Power Pack e:を取り出しているところ
ドライバー席に座ると、ドライバーの視線や顔向きがリアルタイムで検出される

非搭乗型のマイクロモビリティロボット「WaPOCHI」

WaPOCHI試作機

 4つめのデモは、非搭乗型のマイクロモビリティロボット「WaPOCHI」のデモで、室内で行なわれた。WaPOCHIは、荷物を持ってペットのようについてきてくれ、人の「歩き」をもっと自由にする。上部前方に2つ、後方に2つ、左右に1つずつ、合計6つのカメラを搭載し、ユーザーの外見の特徴をディープラーニングにより把握し、過去のユーザー位置と比較することで、似た服装や背格好の人が周りにいても、ユーザーを見失わずに追従していけることが特徴だ。また、周囲にいる全歩行者の将来位置を予測し、人混みの中でもぶつからずに、人間のようなスムーズな回避行動をとることができる。

 今回デモに使われた試作機では30kgの荷物を載せて移動することが可能で、ユーザーに追従するだけでなく、ユーザーを先導していくこともできる。実際に、ユーザーと服装や背格好が似ている他の通行人を登場させ、ユーザーを見失わずに追従していくデモなどが行なわれた。WaPOCHIには、小型PCが内蔵されており、ユーザーの識別や全歩行者の将来位置予測など、すべてWaPOCHI単体で行なっている。こちらも先進的で素晴らしい技術であり、社会実装に期待したい。

ホンダ CIマイクロモビリティロボット「WaPOCHI」は、荷物を持ってペットのようについてきてくれ、人の「歩き」をもっと自由にする
WaPOCHIは、ディープラーニングによりユーザーの外見の特徴を把握し、過去のユーザーの位置と比べることで、似た服装の人がいても見失うことがない
また、全歩行者の将来位置を予測し、人混みの中でも人間のようなスムーズな回避行動をとることができる
WaPOCHI試作機の後ろ側
前方の下部には超音波センサーが搭載されている
上部前方に2つ、後方に2つ、左右に1つずつ、合計6つのカメラを搭載する。上部中央の赤いボタンは非常停止ボタンである
WaPOCHIは、駆動輪が2つ、補助輪が1つの3輪車両である
最初に手のひら静脈認証で、ユーザー認証を行なう
WaPOCHIがユーザーを認識し、ユーザーの後をついていく様子。上部のオレンジ色の光は、ユーザーがいる方向を示している
他の歩行者の将来位置を予測し、ぶつからないような進路を生成。スムーズに移動する
似た背格好、服装をした他の人が周囲を横切っても、ユーザーをしっかり認識し、追従している