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トヨタ、2023年の全日本ラリーでラリー2向け新型車両「GR YARIS WR Concept」と、8速自動変速搭載のGRヤリスを公開開発

ラリーチャレンジで公開開発中のDAT(次世代スポーツ自動変速機)、8速AT搭載のGRヤリス。全日本選手権では車両の安全規定が違うため、異なる個体のDAT搭載GRヤリスが投入される

 TOYOTA GAZOO Racingは11月18日、2023年シーズンの国内外ラリーの参戦体制およびTGRラリーチャレンジ開催概要を発表した。WRC(世界ラリー選手権)ではラリージャパンで3位表彰台を獲得した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組がTOYOTA GAZOO Racing WRTなど、新しい参戦体制で再び各クラスでのチャンピオン獲得を目指していくものだった。

 その中で注目されたのが、全日本ラリー選手権における、人材育成と「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の実践に加えた「ラリーファン」の裾野を広げる活動について。2023年シーズンから、トップカテゴリーのJN1クラスに未発売・開発中の技術を用いた車両での参戦が可能となったおことから、開発中の新型車を投入する。

 その一つが、DAT(次世代スポーツ自動変速機)を搭載したGRヤリス。DATは、スポーツ使用も可能な8速の自動変速装置で、トルクコンバータ搭載のステップATになる。このDATは、現在TGRラリーチャレンジで早川茂副会長による実戦開発が行なわれているが、それを全日本ラリーへと拡大する。選手は眞貝知志/安藤裕一組で、日本最高のラリーの場での公開開発を行なっていく。

 もう一つが、ラリージャパンで世界初公開されたWRC2仕様の「GRヤリス ラリー2 プロトタイプ」と思われるもの。

ラリージャパンで世界初公開されたWRC2用ラリー2新型車両「GRヤリス ラリー2 コンセプト」。安全面で全日本選手権の規定に適合するラリー2車両が投入されると思われる

 豊田章男社長は、「2023年、GRヤリスは、次のチャレンジをはじめます。それが“ラリー2”です。“自分たちが勝つためのクルマ”ではなく、“お客さまが勝つためのクルマ”への挑戦です。その挑戦を、全日本ラリーで、勝田範彦選手にやってもらいます。GRヤリスのラリーカーで全日本ラリーに参戦し始めた昨年のように、最初はトラブルが続くかもしれませんが、クルマを鍛え続けて“勝てるクルマ”に近づけていければと思います」と語っており、参戦名称は「GR YARIS WR Concept(仮称)」となっているWRC2仕様のラリー2車両の公開開発を、勝田範彦/木村裕介組が担っていく。

 スーパー耐久シリーズが開発車両が参戦可能なST-Qクラスを新設したことで多くの魅力的なクルマの公開開発が行なわれているように、全日本ラリーにおいてもJN1クラスの規定が変更されたことでプロトタイプ車両をと投入しての公開開発が可能になった。

 トヨタの新型車両は第2戦から投入される。