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ランドローバー、新型「レンジローバースポーツ」日本初披露 先代モデルを超える圧倒的な走破力
2022年12月2日 13:30
- 2022年12月1日 初披露
ユーザーの心境を変化させているというランドローバーの最新モデル
ジャガー・ランドローバー・ジャパンは12月1日、新型「レンジローバースポーツ」の日本初上陸を記念して「THE NEW RANGE ROVER SPORT EXCLUSIVE PREVIEW」を開催した。
登壇したジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 マグナス・ハンソン氏は、「初代ランドローバーの登場から52年以上、ラグジュアリーSUVの原点であり続けているレンジローバーは、その比類なきキャラクターとエンジニアリングの優位性によって、世界をリードするラグジュアリーSUVとしての確固たる地位を築いてきました。第3世代のレンジローバースポーツも、間違いなく先代モデル同様、大きな成功を収めるでしょう」とあいさつ。
第3世代目となった新型レンジローバースポーツは、ランドローバー史上もっとも先進的な最新テクノロジを採用して、高い存在感と直感的なドライビングレスポンスを兼ね備え、走破性に長けたモデルとなっている。
デザインはモダニスト的なアプローチを全面的に取り入れながら、スポーティさと確固たるキャラクターを表現。ダイナミックなスタンスや筋肉質なプロファイルなど、世代を超えてひと目でレンジローバースポーツと分かるDNAを継承しながら、レンジローバーファミリーの特徴である洗練性、ラグジュアリー、先進性、モダニストをさらに進化させている。
ハンソン氏は、「日本におけるランドローバーブランドは、過去10年間で受注台数が10倍以上に増加するなど成長を続けており、ラグジュアリーSUVの需要は今も拡大しています。2019年に発売した新型ディフェンダーも受注台数が年々増加しているほか、最新の追加モデルである3列シート7人乗りモデルも、初年度の生産枠がすぐに埋まり、限定モデルは約10倍の倍率での抽選販売となりました」と好調さをアピールした。
続けて「今年1月から日本で発売している第5世代の新型レンジローバーは、受注が第4世代のピーク時と比較して3倍から4倍近くに増加しています。日本ではこれまでレンジローバーを欲しいと思っても、住宅事情や駐車場事情であきらめていたケースも多々ありましたが、第5世代になって購入するために駐車場を用意するといった逆転現象が起きています。これはランドローバーが日本のユーザーに魅力的な商品を提供している証です」と、日本国内におけるユーザー事情の変化を紹介し、3世代目となる新型レンジローバースポーツのアンベールを行なった。
ラグジュアリーSUVに高い走破性を融合したレンジローバースポーツ
続いてマーケティングディレクターのマシュー・スリース氏より、新型レンジローバースポーツについて詳しい解説が行なわれた。
レンジローバースポーツが初めて登場したのは2005年で、洗練されたラグジュアリーなSUVにスポーティな走りを融合させ大成功を収めたという。そして第2世代目が2013年に登場し、初代の成功の記録を更新。今回の3代目でも「記録更新は間違いない」と胸を張る。
デザインの特徴についてはサイドにある3本のラインを挙げ、1本目は徐々に傾斜しているルーフで、ピラーをブラックアウトすることで浮かんでいる印象を与えるフローティングルーフとした。2本目はウィンドウとボディの分かれ目となるショルダーライン。ウィンドウの下にあるゴム製のモールを中に隠すことで、よりスッキリとしたラインを実現しているという。3本目は下から徐々に立ち上がっていくライン。通常のレンジローバーも同様に3本のラインがあるが、レンジローバースポーツは、よりスポーティに見えるように細かく調整しているという。
また、余分な装飾や線は使わずに、シンプルでクリーンという、ランドローバーのデザイン哲学「Reductionism(還元主義)」を生かしているが、シンプルが故に難易度はより高くなるという。例えばボディに格納されるドアハンドルや、ルーフにレーザー溶接を用いることでつなぎ目を減らし、よりシンプルなエクステリアデザインを実現。さらに、初めて23インチホイールを採用したことで、迫力も付与している。
そのほかにも、フロントオーバーハングをできる限り短くして、ヘッドライトも薄くすることでスポーティさを強調。ちなみにこのLEDヘッドライトには130万個のデジタルマイクロミラーデバイスが備わっていて、最長500m先まで照射することが可能なうえ、最大16個の対象物に対してビームを遮ることが可能という。フロントとリアともに黒いグリルやパネルを左右に目いっぱい伸ばすことで、ワイド感を強調。ナンバープレートは低い位置にすることで、ロー&ワイドを実現している。
インテリアデザインも同じ考え方で、できるだけシンプルで直線的なデザインとしつつ、快適性は犠牲にせずにレンジローバーと比べて、よりスポーティでドライバー重視の飛行機のコクピットのような室内空間に仕上げているという。
真ん中にある13.1インチの曲面タッチスクリーンでは、年々システムが複雑になってきているが、いろいろな操作の約90%を2回のタッチでアクセスできるようにするなど、直感的に使用できる工夫を凝らしている。
また、インテリアに使用する素材に関しては、サスティナビリティの観点から新たな素材をチョイス。レザーだけでなく、再生素材やリサイクル素材を増やしているが、スポーティさを強調する意味でカーボン製のアイテムも設定しているという。
さらに、パナソニックの「ナノイーX」の技術を採用した空気清浄機を前後席に採用しているほか、タイヤの近くにあるマイクにロードノイズを拾わせ、そのノイズを打ち消す周波数の音をヘッドレストから意図的に出すことで、ドライバーに耳にノイズを届かせなくして、静かな室内空間を実現する「アクティブノイズキャンセレーション」も採用した。
そして、レンジローバースポーツでもっとも重要なのが、「オンロードでもオフロードでもしっかりスポーティでダイナミックに走れること」とスリース氏はいい、先代モデルはアラビア半島のルブアルハリ砂漠横断や、アメリカの登坂タイムアタック大会パイクスピークで記録を打ち立てたり、中国湖南省にある天門山の999段の階段を登るなど、さまざまな挑戦を行なってきたことを紹介。そして3代目も同様に、さらに過酷なダムの水路を逆走するという過去とは一線を画すハードな内容をクリアし、先代モデルを超越する圧倒的な走破力を実現していると紹介。
その過酷な挑戦を支えたのが2つの空気室を搭載するエアサスだといい、空気の容量を調節することでハード走行から快適な走行までカバー。オフロード用のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)も進化していて、これまでは定速のみだったが、新たにカメラで周囲の状況を把握して、路面状況に合わせた速度を自動で調整しながら進んでいくという。
日本へ導入するパワートレーンは2種類で、300PSのディーゼルエンジンと400PSのガソリンエンジンで、どちらも48Vマイルドハイブリッドを搭載。2023年からはPHEV(プラグインハイブリッドモデル)も導入する予定。なお、PHEVモデルは電動走行は100kmほど可能で、バッテリEVのレンジローバースポーツは、レンジローバーのBEVと同時に登場する予定であると締めくくった。