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BYD、新型バッテリEV「ATTO 3」説明会 日本での販売価格や仕様装備などについて東福寺厚樹社長が解説

2022年12月5日 開催

ATTO 3:440万円

「ATTO 3」の価格などについて発表

電気自動車販売台数世界No.1を標榜

 BYD Auto Japanは12月5日、ミドルサイズSUVのBEV(バッテリ電気自動車)「ATTO 3(アットスリー)」の日本販売価格や日本仕様装備の詳細、具体的な受注開始日などについての説明会を東京 赤坂インターシティAIR(東京都港区赤坂)で開催した。ATTO 3の正式発売日は2023年1月31日となり、1グレードのみの展開で価格は440万円。ATTO 3に続き、コンパクトモデルのBEV「DOLPHIN」を2023年中頃に、セダンモデルのBEV「SEAL」を2023年下半期に日本で販売することも予告されている。

 ATTO 3は2022年2月に中国で販売を開始して以降、シンガポールやオーストラリアなど中国国外でも好評を博すモデル。BYDが独自開発した「ブレードバッテリー」を搭載したEV専用のプラットフォーム「e-Platform 3.0」を採用し、485kmの航続距離(WLTC値)と高い安全性、フラットな床面によって広い車内空間と440Lの荷室容量を実現した。

BYDがこれから展開する3モデル

 発表会ではBYD Auto Japanの代表取締役社長 東福寺厚樹氏が登壇し、ATTO 3の価格や概要、販売開始に向けた活動の進捗、アフターサービス体制などについて説明を行なった。

 BYDは2003年に自動車事業を開始し、以降は中国国内を中心にBEVの販売を行なってきたが、2021年から海外展開を推し進めており、2021年8月にノルウェーでSUVタイプの「TANG(タン)」を上梓。これを皮切りに2022年2月にはオーストラリアとニュージーランドでATTO 3の販売を開始し、続いてシンガポール、タイ、インド、中南米ではコロンビアやコスタリカ、ドミニカ、ブラジルの各国でも販売をスタートするなど、BYD全体で世界36の国と地域で乗用車事業を展開している。この精力的な活動により、BYDの電気自動車(ここでいう電気自動車はBEV、PHEV、FCVを含む)の2022年1月~10月の累計販売台数は約140万台に達しており、この数字を持って電気自動車販売台数世界No.1を標榜(出典:マークラインズ)する。

 ただし、BEVに限るとテスラは97万9373台、BYDは68万5286台となっており、東福寺氏は「BEVだけの比較ですとテスラがまだ大きくリードはしていますが、電気自動車というカテゴリーでまとめますと現時点で140万台近くということで、BYDが最大のプロデューサーになっているということが1つのカテゴリーでは事実ということでございます」とアピール。

BYD Auto Japan株式会社の代表取締役社長 東福寺厚樹氏
BYD全体で世界36の国と地域で乗用車事業を展開
BYDの2022年1月~10月の累計販売台数は約140万台に
欧州9か国で乗用車を販売する
オーストラリアとニュージーランドでATTO 3の販売を開始
中国以外で初となる海外EV生産工場をタイに建設
各地のイベントでATTO 3の実車展示・試乗を実施

 そしてATTO 3について。ボディサイズは4455×1875×1615mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2720mmというミドルサイズSUVという位置付けになり、BYDが独自開発した「ブレードバッテリ」と8つのモジュールを集約した「8in1 パワーシステムアッセンブリー」を搭載したEV専用のプラットフォーム「e-Platform 3.0」を採用。58.56kWhのバッテリと150kW/310Nmのモーターを搭載し、485km(WLTC値自社調べ)の航続距離を実現している。バッテリについて、東福寺氏は「元々BYDはバッテリメーカーとして創業いたしました。特に自動車用のバッテリでも世界トップクラスの高い技術力を誇っております。特にこのバッテリに関しましては熱安定性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池を使用いたしまして、それを刀のように長くて薄い形状にしたブレードバッテリを開発いたしました。これをバッテリパックの中に効率よく敷き詰めることで安全性と強度、航続距離と長寿命とおいった特徴、さらに高い動力性能も獲得しております。このブレードバッテリを前提にEV専用に開発されたのがe-Platform 3.0で、特に4つの特徴があると考えております。1つは安全性で、熱膨張性がないブレードバッテリとバッテリパックが車種の一部を構成することで非常に堅牢で剛性が高いクルマとなり、かつ安全性が高いということが実現できました。2つ目はデザイン性です。低重心でフラットな床面と長いホイールベースにより、広い室内空間が確保できました。それによって車両のデザインの自由度が大幅に向上しております3つ目は効率性です。こちらはモーターや制御システムなどを集積して一体化することで計量化が図れ、高い効率性を実現できました。4つ目はインテリジェンス。車両の制御、各種支援システムなどを緊密に統合して高度なインテリジェントドライブを可能にしております」と解説した。

ATTO 3の基本スペック
刀のように長くて薄い形状が特徴のブレードバッテリ
e-Platform 3.0について

 デザインについては、アルファロメオやアウディなどでデザイナーを務めたヴォルフガング・エッガー氏がデザイン・ダイレクターを務めるなど、プレミアムブランド出身のデザイナーたちが率いる世界トップクラスのチームによってBYDの乗用車は開発されているという。ATTO 3のエクステリアではスポーティで精悍なフロントフェイス、ダイナミックでシャープなウエストラインを特徴とし、このウエストラインはBYDグループの一員であるTATEBAYASHI MOULDINGが持つ熟練の金型技術によって実現しているという。

 インテリアは“フィットネスジム×音楽”をモチーフにデザインされており、トレッドミルに着想を得たセンターアームレスト、ハンドグリップを想起させるドアハンドルのほか、弦を弾くと音を奏でるドアトリムなど、ユニークなデザインが随所に散りばめられている。このインテリアについて、東福寺氏は「今までのクルマ(内燃機関車)に乗っていらっしゃるお客さまも違和感なく使えるように、物理的なスイッチはちゃんと残っております。どこにスイッチがあるんだろうと戸惑うことが極めて少ないコンベンショナルなスタイルに仕上がっています」と述べるとともに、「日本仕様ではウインカーレバーが右側に設定されていますが、これはBYDが真剣に日本向けに商品を投入しようとしている現れとご理解いただければと思います」と紹介した。

デザインはアルファロメオやアウディなどでデザイナーを務めたヴォルフガング・エッガー氏をはじめ、プレミアムブランド出身者がデザインを担当

 そのほかシェード付パノラマルーフやPM2.5 空気清浄システム、シートヒーター(運転席/助手席)、BYD E-CALL(事故自動緊急通報装置)、Apple CarPlayとAndroid Autoにも対応するナビゲーションなどを標準装備。車両に搭載した通信モジュールでのコネクテッド機能を装備しており、BYDスマホアプリとの連携やOTAリモートアップデートにも対応する予定となっている。

 さらにADAS(先進運転支援システム)においても、同一車線内走行支援のナビゲーションパイロットやアダプティブクルーズコントロール(ACC)をはじめ、死角をサポートするブラインドスポットインフォメーション(BSD)、レーンキープアシスト(LKA)、レーンセンタリングコントロール(LCC)、自動緊急ブレーキシステムなども標準で装備する。

 これらの装備が与えられつつ価格は440万円であることが発表され、東福寺氏は「受注開始は来年の1月31日からといたしておりまして、お客さまへのお届けは3月ごろからの予定となっております。令和4年度のクリーンエネルギー補助金の登録の締め切りが来年の2月17日となっておりますので、今年度の補助金には間に合わないタイミングになりますが、仮に来年度に同様の補助金が適用されるとなるとV to Load(外部給電機能)がついておりますので85万円の補助金の対象となると考えています。この補助金がそのまま続くと、実質的には440万円から85万円が引かれ、自治体によってはさらに上乗せの補助金がつきますのでかなり求めやすい価格帯となっていくのではないかと考えております。これは先ほどご紹介いたしましたバッテリの容量ですとかロングレンジの走行距離、またたっぷりしたボディサイズや充実した装備内容などを勘案いただきますと、同じクラスの電気自動車に対しても十分に高い競争力を持っているものと自負しております」とアピールした。

12.8インチの回転式タッチスクリーンを搭載
充実のADAS装備
外部給電機能も搭載
ATTO 3の価格
カラーバリエーション

 なお、BYD Auto Japanは日本のユーザーニーズに応えるサービス体制を構築するべく、2025年末までに日本各地に100店舗以上の販売ネットワークを構築し、乗用車の販売やアフターサービスを提供していくこともアナウンス。まずは2023年1月下旬以降、15都道府県 計22の開業準備室(実店舗が開業するまでの仮店舗)を順次オープンする計画で、商談や試乗の案内を開始する。各店舗には50kW級の急速充電器を設置する予定。

 また、頭金・ボーナス払いなし、登録諸費用や自動車税など込みで毎月定額4万400円(税別)でATTO 3を購入できる4年サブスク型リースプラン「BYD eフラット」のほか、4年残価据置型ローン「BYD eローン」など、多彩なファイナンスプランを用意。加えて、オリジナル補償を付帯したBYDオーナー向け専用自動車保険「BYD e自動車保険」として、正規ディーラーを通じて販売する代理店型保険に加えて、インターネットを通じてユーザーが直接保険会社と契約・更新などの手続きを行なえるダイレクト型保険も合わせて用意される。

2023年1月から開業準備室(実店舗が開業するまでの仮店舗)を順次オープン
2025年末までに日本各地に100店舗以上の販売ネットワークを構築
店舗イメージ
店舗内はクリーンなイメージ
各店舗には50kW級の急速充電器が設置される予定
新車供給体制について
販売店の“人”を通して確かな顧客体験を提供していく
BYDアカデミーで専門トレーニングを受けたスタッフが店舗でカーライフをサポート
各種問い合わせに対応するコールセンターを設置
車両保証について
認定中古車「BYD CERTIFIED」もスタンバイ
登録諸費用や自動車税など込みで毎月定額4万400円(税別)でATTO 3を購入できる4年サブスク型リースプラン「BYD eフラット」
4年残価据置型ローン「BYD eローン」など多彩なファイナンスプランを用意
BYDオーナー向け専用自動車保険「BYD e自動車保険」も用意
今後のイベント出展について