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CJPT、福岡県「BRTひこぼしライン」で水素を活用した燃料電池小型バスの実証運転

2023年2月8日 発表

福岡県のBRTひこぼしラインを走る水素を活用したFC小型バスのデザインイメージ

福岡県、JR九州と合同で実証運転を実施

 トヨタ自動車、いすゞ自動車、日野自動車、スズキ、ダイハツ工業が出資するCommercial Japan Partnership Technologies(以下、CJPT)、福岡県、JR九州(九州旅客鉄道)の3社は2月8日、2023年夏頃開業予定の「BRTひこぼしライン(正式名称:日田彦山線BRT)」にて、環境にやさしい次世代エネルギーである水素を活用した燃料電池小型バス(FC小型バス)の実証運転を実施することに合意したと発表した。実証運転期間は2023年秋頃~2025年春頃までの予定。

 この取り組みは、福岡県とCJPTとの間で、カーボンニュートラル実現に向けた水素社会構築を目指し、2022年12月26日に締結した「水素社会実現に向けた商用FCモビリティ普及に関する連携協定」の具体化の第1弾で、CJPT、福岡県、JR九州の3者で地域交通へのFCモビリティ導入の実現に向け、実証運転に取り組むもの。

 BRT(バス高速輸送システム)ひこぼしラインは、「ひと、地域、みらいにやさしい」をコンセプトに、地域の協力を得ながら、開業に向けて準備が進められていて、次世代車両であるFC小型バスの実証運転は、「環境にやさしい交通機関」として地域振興の歩みをさらに進めるものになると期待されている。

FC小型バスはトヨタ自動車のFCコースターで定員20名(座席14席予定)、ボディサイズは6990×2100×2630mm(全長×全幅×全高)。FCEV「ミライ(MIRAI)」の第2世代FCシステムを活用し、走行中のCO2排出ゼロを実現。デザインはイメージで変更となる場合もあり

 各者の役割は、福岡県が全体調整や実証運転の環境整備に向けたサポート。CJPTが次世代水素バスの開発企画、実証車両のコーディネート。JR九州がBRTひこぼしラインでの実証車両の運転となる。

 車両デザインは、環境にやさしい水素エネルギーのイメージや、BRTひこぼしライン沿線に広がる青空を表現。また、「おりひめの羽衣」をイメージした模様によって、BRTひこぼしラインオリジナル車両として、他の車両との統一感を持たせたデザインを採用したという。

BRTひこぼしライン略図

 BRTひこぼしラインは、平成29年7月九州北部豪雨により被災した、JR日田彦山線の添田駅(福岡県添田町)~夜明・日田駅(大分県日田市)間の約40kmで、BRT方式として2023年夏の開業を予定。「ひと、地域、みらいにやさしい」をコンセプトとし、一般道とともに一部区間はBRT専用道を経由。現在開業に向けBRT専用道の工事などが進められている。