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キャデラック、新型マシン「V-Series.R」3台でル・マン24時間耐久レースに21年ぶりに参戦

2023年2月27日(現地時間) 発表

キャデラックの新型マシン「V-Series.R」

 キャデラックは2月27日(現地時間)、ル・マン24時間レース(6月10日~11日現地時間開催)に、新型レーシングカー「V-Series.R」の3台体制で参戦すると発表。2002年の最後の参戦から21年ぶりの挑戦となる。

 3台の「V-Series.R」は、1月28日~29日の「第61回ロレックス・デイトナ24時間」でデビューし、01号車は3位で見事表彰台を獲得。また、02号車は4位、ウェーレン・エンジニアリングの31号車は5位に入賞している。

 この3台はル・マン24時間レースではカーナンバーを変更してハイパーカークラスに参戦し、総合優勝を目指すとしている。

 02号車(ブルー)は、FIA世界耐久選手権(WEC)にフルシーズンで参戦中。ドライバーは、アール・バンバー選手、アレックス・リン選手、リチャード・ウエストブルック選手。

 03号車(イエロー)は、ル・マン以外は01号車としてIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にフル参戦中。ドライバーは、セバスチャン・ブルデー選手、レンジャー・ファン・デル・ザンデ選手、スコット・ディクソン選手が務める。

 ウェーレン・エンジニアリングの311号車(レッド)は、ル・マン以外は31号車としてIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にシーズンを通して参戦する予定。ドライバーはピポ・デラーニ選手、アレクサンダー・シムズ選手、ジャック・エイトケン選手の3名。

 キャデラックのグローバル・バイスプレジデントであるローリー・ハーヴェイ氏は、「キャデラック・レーシングがチーム一丸となって、ル・マン24時間レースに復帰できることをとても喜んでいます。キャデラック・レーシングは、過去20年にわたり、サーキットでの勝利という伝説を築き上げてきました。そして、レーシングの電動化というこのエキサイティングな新時代にル・マンに復帰することができ、非常に光栄に思っています」と述べている。

 また、GMスポーツカー・プログラム・マネージャーのローラ・ウォントロップ・クラウザー氏は、「キャデラックが世界で最も過酷なレースの1つであるこのレースで、国際的に最も優れた選手たちと競い合い、そのレーシング・レガシーを築くことに、大きな喜びを感じています。私たちはアメリカを代表していること、そして『キャデラックV-Series.R』が私たちのレースの伝統を受け継ぐ素晴らしいマシンであることを誇りに思います」とコメントしている。

V-Series.Rの開発は2020年にスタート

 キャデラックは、2020年にIMSAとWECのトップカテゴリーを連携させる指針が発表されたのを受け、新型レーシングカー「V-Series.R」の設計・開発を開始。

 キャデラック・デザインとキャデラック・レーシング、シャシー・コンストラクターのダラーラが共同で開発した「V-Series.R」のデザインは、2022年6月に発表した「プロジェクトGTPハイパーカー」からヒントを得て、縦型ライトやフローティングブレードなど、キャデラックの特徴的なデザイン要素を盛り込んでいる。

 また「V-Series.R」は、ミシガン州ポンティアックを拠点とするGMのパフォーマンス&レーシング推進チームが開発したV型8気筒5.5リッターの新型エンジンを搭載し、ボッシュ、ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング(現WAE)、エクストラックが開発したエネルギーリカバリーシステムを採用。2022年7月にサーキットでのテスト走行を開始し、2023年のロレックス・デイトナ24時間に向け、アメリカ内のサーキットで1万2400マイル(約2万km)以上を走破している。

 ル・マン24時間レースで2度の総合優勝経験を持つドライバー、アール・バンバー選手は、「キャデラックがル・マンに復帰し、総合優勝に挑戦することを私たちは楽しみにしています。アメリカの自動車メーカーが偉業を達成するのは数十年ぶりのことであり、目標達成に向けて強力に後押ししていきます。このプロジェクトに最初から参加できたことは、特別な経験でした。2年ほど前のシミュレーターを使ったテストから、この旅が始まりました。素晴らしい旅で、冒険はまだ始まったばかりです。ル・マンまでの道のりは、きっと最高なものになるでしょう」と語っている。