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ホンダ、「CR-Vハイブリッドレーサー」 パイプフレームにインディカー用のパワートレーンを搭載したモンスターマシン

2023年2月28日(現地時間) 公開

CR-Vハイブリッドレーサー

 本田技研工業は2月28日(現地時間)、800HP仕様の「CR-Vハイブリッドレーサー」を米国で発表した。

 CR-Vハイブリッドレーサーは、カリフォルニアにあるHDP(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)のエンジニアと、アメリカンホンダの北米オートデザイン部門(NAAD)のデザイナーが構想・設計し、オハイオ州のHonda Automotive Development Center(ADC)でHonda of America Racing Team(HART)が製作した特別な1台。

 開発中は「ビースト」というコードネームが付けられ、1980年代~1990年代にかけてのGTレーシングカーやグループBラリーカーのシルエットを思わせるルックスを持ちつつ、中身は21世紀の技術で仕上げられている。

 2023年式のCR-V Hybridにインディカー用のV型6気筒2.2リッターツインターボのハイブリッドエンジンとトランスミッションを搭載。シェルの100%再生可能なレース用燃料で走行し、Skeleton製スーパーキャパシタと、Empel MGU製ハイブリッドモーターテクノロジーを採用している。

 NAADによって設計されたシャシーはクロモリ鋼管のパイプフレームで、フロントガラスやサンルーフも含めて、ベルトラインから上はCR-Vの純正ボディを使用。下半分はカーボンコンポジット製で、巨大なフロントスプリッターとルーバーを備えたオーバーフェンダーを装備。さらに大型のリアウイングを装備し、運転席と助手席のドアは半分にカットされ跳ね上げ式となっている。

 完成したCR-Vハイブリッドレーサーにラッピングを施した、シニアエクステリアデザイナーのLili Melikian氏は、「グラフィックは、ハイブリッドパワートレーンからインスピレーションを受け、Honda Hybrid BlueからHonda Racing Redへと放射状に広がり、ドライブレーンの二面性を象徴しています。ラッピングの中にはホンダがスポンサーをしているサーキットコースの輪郭や、CR-Vハイブリッドレーサーを動かすエンジンの俯瞰図なども散りばめました」と説明している。

ルーフにはエンジン俯瞰図のデザインが入る
ボディサイドにはサーキットのコースが散りばめられている

 アメリカンホンダとアキュラの北米レース部門であるHPDの社長兼技術ディレクターの David Salters氏は、「このCR-Vハイブリッドレーサーは、『羊(CR-V)の皮を被った獣(インディカー)』です。この車両はHPDとホンダの才能ある人々が、電動化、ハイブリッド技術、100%再生可能燃料でどこまでいけるか挑戦するために作った『走る電動化研究所』なのです。ホンダの“ファン to ドライブ”の精神を象徴しつつも電動化を示し、私たちの自動車文化のルーツとレースの伝統を揺さぶるCR-Vハイブリッドレーサー、別名『HPDビースト』です」とコメントしている。

CR-V Hybrid Racer Reveal(42秒)

 なお、CR-Vハイブリッドレーサーは、インディカーレース場での展示やデモンストレーション走行に加え、2023年を通して一部のイベントにも登場する予定という。

・NTT INDYCAR SERIES(すべて現地時間)
3月3日~5日:ファイアストン・グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ
4月14日~16日:アキュラ・グランプリ・オブ・ロングビーチ
4月28日~30日:チルドレンズ・オブ・アラバマ・インディ・グランプリ
6月30日~7月2日:ホンダ・インディ200・アット・ミッドオハイオ
7月14日~16日:Honda Indy Toronto
8月4日~6日:Big Machine Music City Grand Prix in Nashville
9月1日~3日:Grand Prix of Portland
9月8~10日:Firestone Grand Prix of Monterey