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マセラティ、新型レーシングカー「MC20 GT2」公開 6月の正式デビューに向けてサーキットでのテスト走行を開始

2023年3月7日(現地時間) 公開

マセラティが新型レーシングカー「MC20 GT2」を公開した

 マセラティは3月7日(現地時間)、MC20をベースにした新型レーシングカー「GT2」を公開した。新型GT2は、6月末にベルギーで開催されるスパ24時間レースでの正式デビューに向け、パルマサーキットでシェイクダウンを行なったという。

 MC20ベースの新型GT2マシンは、その前身である「MC12」を彷彿とさせるマシンで、スピード、エレガンス、スタイル、そしてイノベーションを具現化したもので、マセラティがサーキットに復活したことを象徴するマシンの1台。

マセラティの新型レーシングカーMC20 GT2

 息を呑むような並外れたパフォーマンスでサーキットを走る傑作といい、マセラティは昨年末に、2023年のABB FIAフォーミュラE世界選手権への参戦を発表しているが、復活ストーリーの一環として、ヨーロッパ選手権シリーズ「Fanatec GT2」への参戦も表明している。

MC20は開発の初期段階からレースに復帰させることを念頭に設計されてきたスーパースポーツカー。こちらは公道用の市販車
MC20の前身となる「MC12」

 新型GT2マシンは、マセラティ・エンジニアリングとチェントロ・スティレ・マセラティが共同で企画・設計し、マセラティブランドらしい美的品質基準を確保しつつ、「MC20」の463kW(630CV)を発生するNettuno(ネットゥーノ)V6エンジンを、より高い次元に進化させて搭載。

シェイクダウン時のカモフラージュカラー

 F1エンジンをベースに特許を取得したMTC(マセラティ・ツインコンバッション)テクノロジー、重量パワーレシオの優れたソリューションである超軽量カーボンファイバー製センターモノコック、空力特性を極限まで引き出すことでダウンフォースを改善し、同時にドラッグの面で最高の効率を確保した軽量フルコンポジットボディワークなど、随所に最高技術が注ぎ込まれている。

 フロントスプリッターや調整式リアウィングとの相乗効果を高めるために特別に開発されたボトム、素早い部品交換のためにクイックリリースで取り外し可能なボディパーツ、高いねじり剛性と曲げ剛性を持つシャシーなど、開発に多くの時間が費やされている。

シェイクダウン時のカモフラージュカラー

 電動パワーステアリングを採用し、サスペンションはすべてレーシングコンポーネントで、フロントとリアに調整可能なショックアブソーバーとアンチロールバーが装備される予定。組み合わされる6速シーケンシャルミッションは、ステアリングのパドルシフトでも操作可能となっている。

コクピット

 カーボンファイバー製のダッシュボードに組み込まれた10インチディスプレイは、直感的なキャビンを実現し、マセラティコルセ専用カラーリング「Blu Infinito」によってボディは仕上げられている。

マセラティコルセ専用カラーリング「Blu Infinito」に仕上げられたボディ

 マセラティのテストドライバーであるAndrea Bertolini選手は、「GT1世界選手権でマセラティを成功に導き、4つのタイトルを獲得した私にとっても、最初の数日はいつも特別なものです。私たちは今、新たな素晴らしいクルマで、再びタイトル獲得へ向かっています。たくさんのテストドライブを行ないましたが、初期のフィードバックはポジティブなものでした。GTマシンのステアリングを握ることは本当にエキサイティングなことだし、関係者全員が非常に熱心でモチベーションが高いことがよく分かりました。私たちはライバルに立ち向かうだけでなく、ハンドリング、快適性、パフォーマンスで、ドライバーにとって理想的なクルマを開発することに注力してきました。このクルマでしか味わえない感覚を味わってほしい。また、ここ数か月シミュレーターで集中的に作業を行なってきた素晴らしいチームスタッフに感謝したいです。最もポジティブなのは、最初の数日だけで、シミュレーターで行なってきたことを最大限に現実のものにしていることです。これからもサーキットで勝つために、過酷なテスト走行が続きます」と述べている。

マセラティ新型レーシングカー「GT2」
【マセラティ】新型GT2 シェイクダウン(55秒)