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日米欧の自工会が再確認した2050年カーボンニュートラル達成への道 バッテリEVに加えFCEVやCNF内燃機関の活用も

日本自動車工業会 会長 豊田章男氏

日米欧の自動車工業会で再確認

 4月4日、自工会(日本自動車工業会)は各国の自動車工業会と2050年カーボンニュートラル達成に向けた方向性を再確認したと発表した。各国に含まれる自動車工業会は、ACEA(欧州自動車工業会)、ANFIA(イタリア自動車工業会)、Auto Innovators(米国自動車工業会)、GAC(カナダ自動車工業会)、JAMA(日本自動車工業会)、PFA(フランス自動車工業会)、SMMT(英国自動車工業会)、VDA(ドイツ自動車工業会)と、実質的に日米欧での再確認となっている。

 この再確認では、2050年カーボンニュートラル達成のためには「多様、かつ技術にとらわれないアプローチによる柔軟性が必要」「新車だけでなく使用中の自動車からもCO2排出を削減する施策を追求しなければなりません」としており、「ゼロエミッション車両(電気自動車[EV/BEV])および燃料電池車(FCV/FCEV等)のように、直接排出されるCO2をゼロにする技術や、カーボンニュートラル燃料に代表されるCO2排出をオフセットするエネルギーを用いる内燃機関車両等、さまざまな技術を進歩させることが重要」と、バッテリEVだけでなくFCEV(燃料電池車)やCNF(カーボンニュートラル燃料)を使うICE(内燃機関)車の活用と、すべての手段を用いていくことを宣言している。

OICA Releases Global Decarbonization Framework | www.oica.net

https://www.oica.net/oica-releases-global-decarbonization-framework/

 実際、この再確認のベースとなっているOICA(国際自動車工業連合会)の「Releases Global Decarbonization Framework」を見てみると、日本自動車工業会(Japanese Automobile Manufacturers Association)のカーボンニュートラル達成へのシナリオが挙げられており、そこではパワートレーンの電動化(BEV、PHEV、HEV、FCEVを含む)とカーボンニュートラル燃料(synthetic fuels and biofuels)の組み合わせなどが提案されている。

 また、大型車両についてはHydrogen in ICE(HICE、水素内燃機関)の可能性が示されている。

 いずれにしろ日米欧の自動車工業会は2050年カーボンニュートラル達成へ向けては、これまでのようなバッテリEV一辺倒ではなく、さまざまな手段の技術開発を通じて挑戦していくことになる。その方向性が、広島G7サミット気候・エネルギー・環境大臣会合(4月15日~16日開催)前のこのタイミングで確認されたことになる。