ニュース

SUPER GT開幕戦 岡山予選、GT500は23号車 MOTUL AUTECH Z、GT300は65号車 LEON PYRAMID AMGがポール獲得

2023年4月15日 開催

SUPER GT開幕戦 岡山予選でGT500クラスのポールポジションを獲得した23号車 MOTUL AUTECH Z

 SUPER GTの2023年シーズンは、例年通り岡山国際サーキットで4月15日~4月16日の2日間の予定で開幕戦をむかえた。コロナ禍の影響も過去の話となり、マスクの着用も個人の判断となり多くの環境がコロナ禍前に復帰しつつあるなかでのレースとなり、多くの観客がサーキットに詰めかけている。

 しかし、天候はあいにくの雨。その影響で午前中の公式練習走行ではクラッシュ、コースアウトなどが相次ぎ、30分を残して赤旗終了という中で、14時からの予選を雨のコンディションの中でむかえることになった。

 GT500クラスは雨がやみじょじょに路面が乾いてコンディションが改善していくという中で行なわれ、チョイぬれの路面が得意とされているミシュランのウェットタイヤを履いた23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)がポール、3号車 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠組、MI)が2位となり、ミシュランタイヤを履いた日産Zがフロントローを独占した。3位は64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/太田格之進組、DL)。

 GT300は65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組、BS)がポール、2号車 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響組、BS)が2位とこちらはブリヂストン勢がフロントローを独占した。3位は7号車 Studie BMW M4(荒聖治/ブルーノ・スペングラー組、MI)。

GT500クラスは、日産Z GT500+ミシュランの2台がフロントローを独占、3位にダンロップ+NSX

23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)

 SUPER GTの2023年シーズンの開幕戦は、例年と同様に岡山県美作市にある岡山国際サーキットで開催されている。例年岡山の開幕戦は、通常よりもやや寒い環境で行なわれるが、本日の天気は雨。それにより寒いだけでなく、雨による過酷な環境でレースが行なわれることになった。そうした中でも開幕が待ちきれなかった観客が多数詰めかけている。特に今回のレースからはコロナ禍で制限が行なわれていた声だしの声援が許可されており、それぞれのファンが声を出して応援することが可能になっており、セッションの前やセッション中にコロナ禍前にはおなじみだった応援の声が復活していたのが印象的だった。

 そうした中で午前中に行なわれた公式練習では、39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一組、BS)が、車両がひっくり返るような大クラッシュに見舞われるなど、クラッシュやコースアウトなどが相次いで、最終的に天候の悪化が理由で赤旗終了になるなど、波乱含みの始まりになった(なお、39号車はドライバーにはけがはなかったが、予選までに車両は間に合わず予選には出走せず。決勝までに修復される見通し)。こうしたこともあり午後の予選では、スタート時点で気温12℃、路面温度13℃とかなり低いことなどが考慮され、タイヤに熱を入れる時間を確保するために、それぞれのセッションで5分間時間が追加されて行なわれることになった。

3号車 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠組、MI)

 GT500クラスの予選1回目(Q1)は雨がかなり上がり始めた環境で行なわれた。ドライでのGT500クラスの予選では各車セッションの中盤ぐらいまでタイヤを温存するためにピットで待機することが通例なのだが、ウェットのセッションでは走り続けることが重要になるため、練習走行でクラッシュした39号車を除く全車がピットの位置順にコースに入っていった。

 GT500クラスのQ1が始まると雨はやむ方向になり、コースコンディションはじょじょに改善していった。その中でトップタイムをマークしたのは23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)。2位は100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)、3位は64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/太田格之進組、DL)と、ミシュラン、ブリヂストン、ダンロップという三つのタイヤメーカーがトップ3を分け合った。トップ8にはホンダが3台、トヨタが3台、日産が2台という構成になっており、3メーカーの勢力が拮抗した結果となった。

 GT300のQ2の後に行なわれたGT500のQ2では雨はあがっており、走れば走るほどコンディションは改善していった。GT500の予選は、「The Michelin Show」とでも言うべき、ミシュランタイヤを履いた2台の日産Zの2台だけが上位を争う予選となった。その2台が順位を入れ替えながらトップタイムをマークし、他のメーカーのタイヤを履いた車両を全く寄せ付けなかった。ポールを獲得したのは23号車 MOTUL AUTECH Zで、Q2を走った松田次生選手は2010年以来のポール獲得になった。2位は同じミシュランを履いた3号車 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠組、MI)になり、トップの23号車は2位に約1.2秒、3位に約1.4秒という圧倒的な差をつけてポールポジションを獲得した。

64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/太田格之進組、DL)

 3位を獲得したのはダンロップタイヤを履いた64号車 Modulo NSX-GTで、このレースがGT500デビュー戦となる太田格之進選手はデビューレースで予選3位獲得の結果を残した。
 4位はブリヂストン勢、トヨタのトップとなる14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)、5位は横浜勢の最上位となる19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組、YH)、6位は37号車 Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組、BS)となった。

GT500クラス予選結果

順位カーナンバーマシンドライバータイヤQ1Q2
123MOTUL AUTECH Z松田次生/ロニー・クインタレッリMI1分29秒6591分27秒860
23Niterra MOTUL Z千代勝正/高星明誠MI1分29秒9081分29秒035
364Modulo NSX-GT伊沢拓也/太田格之進DL1分29秒8631分29秒347
414ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/山下健太BS1分30秒4091分29秒742
519WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/阪口晴南YH1分30秒4451分30秒332
637Deloitte TOM'S GR Supra笹原右京/ジュリアーノ・アレジBS1分30秒2381分30秒772
78ARTA MUGEN NSX-GT野尻智紀/大湯都史樹BS1分30秒4621分31秒589
8100STANLEY NSX-GT山本尚貴/牧野任祐BS1分29秒8121分31秒717
916ARTA MUGEN NSX-GT福住仁嶺/大津弘樹BS1分30秒511
1036au TOM'S GR Supra坪井翔/宮田莉朋BS1分30秒565
1124リアライズコーポレーション ADVAN Z佐々木大樹/平手晃平YH1分30秒600
121MARELLI IMPUL Z平峰一貴/ベルトラン・バゲットBS1分30秒811
1317Astemo NSX-GT塚越広大/松下信治BS1分30秒939
1438ZENT CERUMO GR Supra立川祐路/石浦宏明BS1分31秒279
39DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口 雄飛/中山雄一BS

GT300クラスは、Aグループは雨で赤旗終了、結果65号車 LEON PYRAMID AMGがポール獲得

 GT300の予選1回目(Q1)では例年通りAグループ、Bグループという2つのグループに分かれて行なわれ、それぞれの上位8台(合計16台)が予選2回目(Q2)へと進出してグリッドが決定される形になる。

65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組、BS)

 Q1 Aグループでは予定通り14時にスタートしたが、残り4分の段階で雨が強くなってきて、前の車両がはねあげる水煙で前が見にくいような状況になって事もあり、赤旗で中断。結局そのままセッションが再開されることはなく、その時点での上位8台がQ2へ進むことになった。

 これで犠牲になったのはその時点で11位だった一昨年の王者61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)などだが、天候事由ということで、残念ながらここで予選終了となった。その時点でトップタイムをマークしていたのは20号車 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎組、DL)、2位は96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一組、DL)、3位は11号車 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍組、DL)などで、上位8台がQ2へと進んだ。

2号車 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響組、BS)

 天候の回復を待って10分遅れてスタートしたQ2 Bグループでは、予定通り15分で行なわれ、1位が65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組、BS)、2位が52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)、3位が2号車 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響組、BS)が入った。Aグループはダンロップ勢がトップ3を独占したが、Bグループはブリヂストン勢がトップ3を独占した。

 GT300のQ2では雨は上がる方向になっており、じょじょに路面は改善していく方向で行なわれた。水煙の上がり具合なども明らかに改善して、後半になればなるほど路面が乾いていってだんだんとタイムもアップしていった。

7号車 Studie BMW M4(荒聖治/ブルーノ・スペングラー組、MI)

 ポールポジションを獲得したのは65号車 LEON PYRAMID AMG。序盤からタイムシートのトップにずっといた65号車だが、最終ラップでさらにタイムを短縮し、1分36秒038というタイムをマークしてポールポジションを獲得した。2位は2号車 muta Racing GR86 GTで、いずれもブリヂストンタイヤを履いた2台がフロントローを占めることになった。3位はミシュランタイヤを履いた7号車 Studie BMW M4(荒聖治/ブルーノ・スペングラー組、MI)で、4位はヨコハマタイヤ勢の最上位となった88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組、YH)で、5位は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)、6位はこのレースが新型車両「LC500h GT」のデビューレースとなる31号車 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗組、BS)となった。

GT300クラス予選結果

順位カーナンバーマシンドライバータイヤQ1Q2
165LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/篠原拓朗BS1分38秒2561分36秒038
22muta Racing GR86 GT堤優威/平良響BS1分39秒0721分36秒749
37Studie BMW M4荒聖治/ブルーノ・スペングラーMI1分40秒0971分36秒751
488JLOC ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH1分45秒1511分36秒937
54グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH1分40秒1341分37秒070
631apr LC500h GT嵯峨宏紀/小高一斗BS1分44秒9351分37秒697
750ANEST IWATA Racing RC F GT3イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河YH1分44秒5561分37秒913
856リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平YH1分45秒0291分38秒241
927Yogibo NSX GT3岩澤優吾/伊東黎明YH1分45秒7041分38秒455
1052埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰BS1分39秒0191分38秒529
119PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG阪口良平/リアン・ジャトンYH1分40秒3411分38秒621
12244HACHI-ICHI GR Supra GT佐藤公哉/三宅淳詞YH1分40秒4101分38秒650
1311GAINER TANAX GT-R富田竜一郎/石川京侍DL1分43秒9641分39秒850
1496K-tunes RC F GT3新田守男/高木真一DL1分43秒8701分40秒646
1520シェイドレーシング GR86 GT平中克幸/清水英志郎DL1分43秒6751分40秒847
16360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/田中篤YH1分39秒9191分45秒865

 明日の決勝レースは13時半からスタートする予定だ。