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マセラティ、「グラントゥーリズモ」のコラボモデル3台と生誕75周年記念モデル公開 ストリートカルチャーのパイオニア藤原ヒロシ氏も参画

2023年4月20日(現地時間) 公開

マセラティは「グラントゥーリズモ」のコラボモデル3台と生誕75周年記念モデルを公開した

 マセラティは4月20日(現地時間)、イタリア・ミラノの中心部にできた新店舗にて、マセラティ・チェントロ・スティーレがデザインした「グラントゥーリズモ One Off Prisma(プリズマ)」と「グラントゥーリズモ One Off Luce(ルーチェ)」、そして日本のストリートカルチャーのパイオニアである藤原ヒロシ氏が手掛けた「グラントゥーリズモ One Off Ouroboros(ウロボロス)」、さらにブランド75周年記念モデルとなる「PrimaSerie 75th Anniversary Launch Edition」を発表した。

 発表会場にはグローバル・ブランド・アンバサダーであるデイビッド・ベッカム氏も出席したほか、企画に参画している藤原ヒロシ氏やイタリアのピアニスト兼作曲家のDardust氏、イタリアの女優マチルダ・デ・アンジェリス氏らも同席した。

デイビッド・ベッカム氏
日本のストリートカルチャーのパイオニアである藤原ヒロシ氏
イタリアのピアニスト兼作曲家のDardust氏
イタリアの女優マチルダ・デ・アンジェリス氏

グラントゥーリズモ One Off Prisma

 グラントゥーリズモ One Off Prismaは、V型6気筒の内燃機関「Nettuno(ネットゥーノ)」を搭載したモデルで、外装は洗練されたクラフトマンシップの手によって、すべて手作業で14色に塗装されている。また、マセラティの車名を構成する8500以上の文字を1つ1つ手作業で貼り付け、その上からクリアが施されている。

 14色のうちの2色は未来に向けたもので、残りの12色は、1947年の「A6 1500」が採用した特徴的な色「アマラント」や、1973年の「Khamsin」を輝かせた色「Oro Longchamps」など、過去のグラントゥーリズモの人気モデルの色から選ばれている。

グラントゥーリズモ One Off Prisma
8500以上の文字が1つ1つ手作業で貼り付けてある

グラントゥーリズモ One Off Luce

 グラントゥーリズモ One Off Luceは、「革新性」と「持続可能性」を示すバッテリEVシリーズ「フォルゴーレ」モデル。

 外装は独創的なクロマティックミラーのモノリスで、さらにダイナミックなレーザーエッチングパターンを刻み込み、クルマの輪郭が周囲に溶け込むように仕上げているという。

グラントゥーリズモ One Off Luce
ボディにはレーザー加工で細かいエッチングパターンが刻まれている

 内装には再生ナイロン糸「ECONYL」が使用され、青色はサスティナビリティな素材が生まれた海を想起させるほか、シート中央部分からグラデーションがかけられている。

 マセラティの魂や技術的パフォーマンス、そして驚異的な美しさを、強く深い軌跡として表現することを目的としたレーザーと、クルマをほとんど隠してしまうミラーという、内と外、2つの対照的な手法を用いたという。

グラデーションカラーの内装

グラントゥーリズモ One Off Ouroboros

 マセラティは2021年に藤原ヒロシ氏が率いる日本のブランド「Fragment」とパートナーシップをスタートさせていて、今回もストリートカルチャーのパイオニアである藤原ヒロシ氏が、フルエレクトリックモデル「フォルゴーレ」の新型グラントゥーリズモを独自の創造的解釈でデザインしたバーチャルモデル「グラントゥーリズモ One Off Ouroboros」を発表。藤原氏はグノーシスのシンボルである「ウロボロス」にインスピレーションを受け、マセラティの歴代モデルから厳選された特徴的なデザイン要素をシームレスに融合させた唯一無二のデザインに仕上げた。

グラントゥーリズモ One Off Ouroboros

 デザインの特徴としては、1950年代のエレガンスを象徴する「A6GCS ベルリネッタ ピニンファリーナ」のフロントグリルや「3500GT」のサイドベントに加え、「ティーポ151」など1960年代のレーサーを特徴づけるカバー付きラウンドヘッドライトを組み合わせていて、鍛造ホイールは1970年代に「ボーラ(Bora)」が採用した先駆的なマグネシウム合金ホイールにインスパイアされたもの。また、一体化したテールランプは、1980~1990年代の「シャマル(Shamal)」の画期的なデザインからインスピレーションを得ている。

 藤原ヒロシ氏は、「グラントゥーリズモ One Off Ouroborosは、マセラティデザインのさまざまな時代と現在のグラントゥーリズモの世代を視覚的、文化的に結びつけるものとして構想しました。私たちはマセラティのチームと協力して、現在の技術や性能の頂点と、数十年にわたって神話を生み出し、煽り立てたスタイルのアイコンを結びつけることに成功しました」と述べている。藤原氏は同時にグラントゥーリズモの特別なコレクションアイテムを発表。2023年夏よりホームページや一部のマセラティショールームで販売されるという。

藤原ヒロシ氏が発表したグラントゥーリズモの特別なカプセルコレクション

75周年記念モデル「PrimaSerie 75th Anniversary Launch Edition」

 PrimaSerie 75th Anniversary Launch Editionは300台限定で、内燃エンジン搭載モデルは、Grigio LamieraとNero Cometaの2色で各75台ずつ。バッテリEVのフォルゴーレモデルは、Rame FolgoreとBlu Inchiostroの2色で各75台ずつとなる。

PrimaSerie 75th Anniversary Launch Edition
PrimaSerie 75th Anniversary Launch Editionのインテリア

 マセラティのデザイン責任者であるKlaus Busse氏は「グラントゥーリズモ One Off Prismaは、75年の伝統とマセラティがこれまで作ってきたすべてのクルマに吹き込まれてきたノウハウへの頌歌です。グラントゥーリズモ One Off Luceは、Prismaと完璧なバランスを保ちつつ、先を見据えた私たちの未来です。それぞれのエッセンスは、他方に依存しているのです。革新性という点では、プリズマはイタリアのクラフトマンシップの美しさと卓越性、そして塗装や色彩における卓越性をすべて表現し、ルーチェはフォルゴーレで開発された技術のすべてを明らかにし、われわれの先進的な姿勢とイタリアの創造性を融合させます」とコメントしている。