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マクラーレン、最も軽量かつ最もハイパワーを極めたクーペ「750S」とコンバーチブル「750Sスパイダー」

2023年4月26日(現地時間) 発表

マクラーレンが最軽量かつ最もハイパワーを極めた「750S」「750Sスパイダー」を発表した

 マクラーレンは4月26日(現地時間)、ブランド史上最も軽量かつ最もパワフルな新型スーパーカー「750S」を発表した。クーペの「750S」とコンバーチブルの「750Sスパイダー」があり、現在オーダー受付中。

 新型750Sは「720S」を徹底的に分析したうえで設計・開発を行なうことでコンポーネントの約30%を刷新あるいは変更し、軽量化、パワートレーンのパフォーマンス、エアロダイナミクス、動的性能のすべてを進化させた、V8エンジンを搭載する後輪駆動モデルのスーパーカー。

750Sのボディサイズはミラーを畳んだ状態で、4569×1930×1196mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2670mm、トレッド幅はフロントが1680mm、リアが1629mm
750Sスパイダー

 可能な限りカーボンファイバーを採用したボディだが、さらに軽量オプションを選択した場合クーペ「750S」の最軽量乾燥重量は1277kgで、パワーウェイトレシオは同セグメント最高の587PS/tに到達。同様に「750Sスパイダー」も軽量化を重点に設計され、RHT(リトラクタブル・ハード・トップ)、ロールバー(保護システム)、専用リア・アッパー・ストラクチャーが追加されるものの、最軽量乾燥重量1326kg、パワーウェイトレシオ566PS/tを達成した。

フロントは19インチ、リアは20インチを履く
アクティブ・リアウイングを採用

 搭載されるV型8気筒4.0リッターツインターボエンジンは、最高出力750PS/7500rpm、最大トルク800Nm/5500rpmを発生。そこに7速AT(SSG)が組み合わされ、0-100km/h加速は2.8秒、0-200km/h加速は7.2秒(スパイダーは7.3秒)を誇る。

最高出力750PS/7500rpm、最大トルク800Nm/5500rpmを発生するV型8気筒4.0リッターツインターボエンジンを搭載

 サスペンションのパフォーマンスレベルをいっそう引き上げる油圧リンク式サスペンションPCC(プロアクティブ・シャシー・コントロール)を、さらに進化させた新世代の「PCC III」を搭載。フロント・トレッドの6mmの拡大と、新サスペンション・ジオメトリーの採用によって、フロントのグリップが向上。ステアリング・レシオがさらにクイックになり、パワーアシスト用ポンプも新型を採用。

 サスペンション・スプリングは、720Sよりフロントが柔らかく、リアが硬くなり、加えて専用バルブスタックを構成するパッシブ、アクティブの両エレメントを変更。また、ストラット内のアキュムレーターを調整するなど、750Sで初めて採用された新手法のサスペンションチューニングも実施。これらのチューニングにより、乗り心地、ロール制御、ステアリングのフィードバック、コーナリング時のバランスを向上させている。

 サーキット走行をサポートする「サーキット用ブレーキ・アップグレード」も設定。「セナ(Senna)」のシステムから派生したセラミック製ディスクとモノブロックのキャリパーに、新ブースターとバキュームポンプ、F1技術を基にしたキャリパー一体型の冷却技術を組み合わせたシステムを用意。

 さらに、新しいスーパー・ライトウェイト・カーボン・ファイバー・レーシングシートや、サーキット志向のピレリタイヤ「P ZEROトロフェオR」、サイズはフロントが245/35R19(ホイールは19×9J)、リアが305/30R20(ホイールは20インチ×11J)を装着。軽量チタン製ホイールボルトなどもオプションとして用意されている。

 インテリアは、よりドライバー中心のデザインを採用。インストゥルメント・ディスプレイはステアリングコラムにマウントされ、パワートレーンやハンドリングのモードを変更するスイッチはステアリングの両サイドに配置されているので、ドライバーはステアリングから手を放さず、目の前の道路に集中したまま、「アクティブ・ダイナミクス」のモード「コンフォート」「スポーツ」「トラック」の変更が可能となる。

 また、ドライバーインターフェースに新たにMCL(マクラーレン・コントロール・ローンチャー)を追加。MCLは「スピードマーク」が描かれたボタンを押すだけで作動し、ドライビング・エクスペリエンスのパーソナライズを可能にする。ドライバーは、空力、ハンドリング、パワートレーン、トランスミッションの各設定から好みの組み合わせを作り、自分だけのダイナミクス設定を記憶させられ、MCLボタンを押すだけですぐにその組み合わせを呼び出せる。

 そのほかにも、Apple CarPlay、セントラル・インフォメーション・スクリーンも新しくなったほか、リアビューカメラとサラウンドビューカメラのシステムもアップグレードされ、いっそう高解像度のクリアな映像に進化。さらに「新ビークルリフトシステム」は、フロントを上昇させる所要時間が720Sの10秒から4秒へと短縮された。

 エクステリアは先代モデルのデザインをさらに洗練。ノーズ下部はフロントスプリッターを拡大し、ヘッドライトを挟むアイソケットインテークも細め、サイドシルのエアインテークとリアホイールアーチのベントも刷新した。リアのエアロダイナミクスも見直し、リアデッキは延長され、そこから空気が送られる特徴的なカーボンファイバー製アクティブリアウイングは、より高くより長くなった。ヘッドライト周囲はオプションのボディカラーか、カーボンファイバーを選択できるほか、前後の新バンパーベントにも、マクラーレンならではの軽量素材が用意されている。

室内からエンジンの一部が見える

 クーペはリアラゲッジシェルフに二重ガラスのパネルをはめ込んで、ドライバーの肩越しに室内からでもV8エンジンが見えるようにでき、コンバーチブルのRHTにはオプションでエレクトロクロミックガラスが用意され、ルーフを閉じているときもオープンエアの雰囲気を味わえるという。なおRHTは車速50km/hまで開閉可能で、11秒未満で開閉を完了する。