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ポルシェ、新型「718 スパイダー RS」予約受注開始 手動式ソフトトップルーフを搭載する自然吸気6気筒ボクサーモデル
2023年5月10日 17:37
- 2023年5月10日 受注開始
ポルシェジャパンは5月10日、新型オープントップミッドエンジンスポーツカー「718 スパイダー RS」の予約受注を開始した。価格は2024万円。
718 スパイダー RSは、「718 ケイマン GT4 RS」と対をなすオープントップモデル。「911 GT3」に搭載されている最高出力368kW(500PS)の自然吸気6気筒ボクサーエンジンをオープントップのミッドエンジンスポーツカーに初搭載する。これと同じ高回転設計の軽量パワーユニットは、レーシングカー、「911 GT3 カップ」にも搭載されている。
また、718 スパイダー RSの超軽量ソフトトップルーフは手動式を採用することで、標準装備の軽量ステンレススチール製スポーツエキゾーストシステムと、ヘッドレスト背後の両サイドに設けられた特徴的なプロセスエアインレットによる、刺激的なエンジンサウンドを楽しめるとした。
718 スパイダー RSのパワートレーンは、「718 ケイマン GT4 RS クーペ」と共有しており、6気筒4.0リッターボクサーエンジンは、最高回転数9000rpm、最高出力368kW(500PS)、最大トルク450Nmを発生。この6気筒エンジンにクロスレシオの7速PDKトランスミッションを組み合わせることで、2シーターロードスターは0-100km/h加速3.4秒、0-200km/h加速10.9秒とした。718 スパイダーと比較すると、最高出力は59kW(80PS)増加し、0-100km/h加速は0.5秒速くなったほか、最高速も300km/hから308km/hにアップしている。
現代のすべてのRSモデルと同様、新型718 スパイダー RSもポルシェドッペルクップルング(PDK)仕様車のみとなっており、パドルシフトを備えるため、手動でシフトチェンジする場合もステアリングホイールから手を離さずに操作可能。さらに、人間工学に基づいて設計されたセンターコンソールのセレクターレバーを使用することもできるとしている。
また、エンジンのパワーアップに加え、軽量化もパフォーマンスの向上に貢献。718 スパイダー RSの車両重量は1410kgで、PDK搭載の718 スパイダーより40kg軽く、クローズドモデルの718 ケイマン GT4 RSと比較しても5kg軽量となる。
新型718 スパイダー RSのフロントエンドは718ケイマンGT4 RSとほぼ同じで、CFRP製フロントボンネットを標準装備。バンパーの上にはワイドエアアウトレットを備えている。2本のNACAダクトはCd値を悪化させることなくブレーキの冷却効果を高め、バンパー外端のサイドブレードによってダウンフォースを増大。フロントスポイラーリップは718 ケイマン GT4 RSよりもわずかに短くなっており、718 ケイマン GT4 RSでは、大型リアウイングと組み合わせることで全体のダウンフォースを増大し、フロントスポイラーリップを大きくしてエアロダイナミクスバランスを取っている。また、718 スパイダー RSでは、リアウイングの代わりに、ダックテイルのような形の印象的なティアオフエッジを備え、すべてのエアロダイナミクスコンポーネントが複雑に連動することで、エアロダイナミクスバランスを維持しながら高速走行時の安定性を最大限に高めている。
718 スパイダー RSのシャシーは、718 ケイマン GT4 RSと718 スパイダーのコンポーネントを採用することで、ワインディングロードで最高のドライビングプレジャーが得られるように設計されており、スポーツチューニングを施したポルシェ アクティブ サスペンション マネージメントシステム(PASM)を標準装備し、車高を30mm低くしている。また、機械式リミテッド スリップ ディファレンシャル(LSD)を備えたポルシェ トルク ベクトリング(PTV)、ボールジョイント式サスペンションベアリング、20インチ鍛造アルミホイールを装備。車高、キャンバー、トレッド、スタビライザーは、すべて個別に調整でき、718 ケイマン GT4 RSと比較すると、スプリングレートとダンパーレートを低くしたことで、リラックスできる、特徴的なコンバーチブルスタイルのセットアップとなっている。
新型718 スパイダー RSに装備される手動操作式のシングルレイヤー軽量ソフトトップは、サンセイルとウェザーディフレクターという2つの部分で構成。どちらも完全に取り外し可能で、2つ一緒に、または片方だけを車内に収納することができる。サンセイルは、ドライバーと助手席乗員を強い日差しから守るために、単独で「ビミニトップ」として使用することもでき、この場合、パッセンジャーコンパートメントは側面と背後が大きく開いた状態となる。これにウェザーディフレクターを組み合わせると、サイドウィンドウを開けた場合に雨を効果的に防ぐことができるコンプリートトップとなる。機械部品を含むルーフ全体の重量は18.3kgで、718 スパイダーよりも7.6kg軽く、718 ボクスターと比較すると16.5kg軽くなっている。また、天候が許せばトップを完全に取り外すことで、さらに8kg軽量化することもできる。
車内もスポーティなキャラクターを特徴とし、インテリアは機能的にも人間工学的にも不可欠なものだけに切り詰められた。グリップの効いたRSスポーツステアリングホイールは12時の位置にイエローのマークが備えられ、標準装備のフルバケットシートはカーボンの編み目模様の軽量CFRP製で、特に優れたサイドサポートを発揮するという。シートカバーはブラックレザー製で、パーフォレーション加工を施したRace-Texシートセンターは、ブラックを背景としたコントラストカラー(アークティックグレーまたはカーマインレッド)となり、ヘッドレストにはコントラストカラーで「Spyder RS」ロゴが刺繍されている。また、ダッシュボードとトリムはレザー仕上げとなっている。
ボディカラーは、新しいバナジウムグレーメタリックをはじめ、スペシャルカラーのアークティックグレー、シャークブルー、ルビースターネオなど、4色のソリッドカラーと3色のメタリックカラーが用意されている。
新型718 スパイダー RSには、オプションでヴァイザッハパッケージも用意。オプションの軽量な鍛造マグネシウムホイールは、パフォーマンス重視の装備パッケージと組み合わせて注文することができる。パッケージに含まれるチタン製のスポーツエキゾーストシステムは2018年に限定モデルとして公開された935のテールパイプのデザインからインスピレーションを得ているとした。また、ダッシュボード上部は防眩仕様のRace-Texで仕上げることで、車内の視覚的なハイライトとしている。
さらに、718 スパイダー RSのオーナーのみが購入できるポルシェデザイン製クロノグラフも用意。スイスのゾロトゥルンにあるポルシェ時計工房で製造された高品質時計は、クルマのデザインや技術的ディテールとも連動しており、軽量なケースはチタン製、文字盤はカーボン製、ストラップはインテリアと同素材のレザーで構成。裏蓋は、718 スパイダー RSのホイールリムのデザインと対応している。