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ボッシュ、リジェと水素エンジン搭載車「JS2 RH2」の共同開発に着手 6月のル・マン24時間レースで公開を予告

2023年5月10日(現地時間) 発表

ボッシュがリジェと水素エンジン搭載車「JS2 RH2」の共同開発に着手した

 ボッシュエンジニアリングとリジェ・オートモーティブは5月10日(現地時間)、高性能水素エンジン車の開発に向けた戦略的パートナーシップを締結したと発表。共同活動の第一段階として、リジェ「JS2 R」をベースにしたデモカー「JS2 RH2」を製作すると明かした。また、6月のル・マン24時間レース100周年記念レースで正式に発表する予定という。

 水素エンジン搭載のリジェ「JS2 RH2」は、3つの水素タンクを内蔵した新しいタイプのカーボンモノコックを装備し、V型6気筒ガソリンエンジンを改造したものを使用。今後数か月間、両社は緊密に連携し、今夏にはテストコースで走行できる状態にまで仕上げるとしている。

 ボッシュエンジニアリングは、「スーパースポーツカー」「スペシャルプロジェクト」「モータースポーツ」などの専門開発パートナーとしての20年以上の経験を生かし、車両コンセプト全般を担当。特にエンジン、水素貯蔵タンクや水素の全体的な安全管理が含まれるという。一方リジェ・オートモーティブは、レースのスペシャリストとして、車両技術、エンジン設計、テストにおける長年の専門知識をこのプロジェクトに提供。共同プロジェクトにおいて、車両アーキテクチャ、H2システムと冷却システムの統合を担当する。

 ボッシュエンジニアリングGmbH社長のDr. Johannes-Jörg Rüger氏は、「エンジニアリングサービスプロバイダーとして、私たちは技術に対してオープンであり、気候ニュートラルモビリティへの道におけるさまざまな技術的選択肢を並行して探求し、世界中のお客さまのあらゆる要求に対して、それぞれのケースで最善の解決策を考案することが私たちの仕事であると考えています。その中で、水素推進は、特にモータースポーツや高性能スポーツカーにおいて、大きな可能性を秘めています」と述べている。

 リジェ・オートモーティブの社長であるJacques Nicolet氏は、「レーシングカーと特殊車両のメーカーとして、モータースポーツと高性能車に新しい発展の道を提供するためには、明日の課題に対応するイノベーションを提供しなければなりません。このプロジェクトは、新エネルギーと新技術を統合するために、自動車メーカーから選ばれるパートナーになるというリジェ・オートモーティブの戦略の一環です」とコメントしている。