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ランドローバー、限定30台の「クラシック ディフェンダー ワークスV8 アイラ エディション」 ブランド発祥の地アイラ島とのつながりを表現

2023年5月2日(現地時間) 発表

クラシック ディフェンダー ワークスV8 アイラ エディション

 旧型モデルオーナーなど愛好家向けにサービスを提供しているランドローバー・クラシックは5月2日(現地時間)、ヘリテージをテーマにした初の特別仕様車「CLASSIC DEFENDER WORKS V8 ISLAY EDITION(クラシック ディフェンダー ワークスV8 アイラ エディション)」を発表した。世界限定30台で、価格は3ドアの「90」が23万ポンド(限定17台)、5ドアの「110」が24万5000ポンド(限定13台)。

 アイラ エディションは、ランドローバー創設者の1人であるスペンサー・ウィルクス氏が所有し、現在ではランドローバー・クラシックのコレクションとなっている「LAND ROVER SERIES IIA」と、彼が休暇を過ごしたヘブリディーズ諸島のアイラ島からインスピレーションを得たモデル。ベースは「CLASSIC DEFENDER WORKS V8」で、同じ405PSを発生するV型8気筒5.0リッターガソリンエンジンとZF製8速ATを搭載。2012年~2016年製の車両を使用して、徹底的なレストア、リエンジニアリング、アップグレードを行ない、細部にいたるまで丁寧に手作業で組み立てられている。

 エクステリアは、スペンサー・ウィルクス氏が所有していたオリジナル車両のミッドグレーにヒントを得た「ヘリテージグレー」を採用し、ライムストーンのコントラストルーフと、ヘビーデューティ・スチールホイールを組み合わせた。また、ホイールアーチもヘリテージグレーにして、より洗練されたエクステリアデザインを実現している。

 さらに「LAND ROVER」のヘリテージロゴとエンブレムは、ボディカラーと同色とし、「ヘリテージ リミテッド エディション」と同じクラシックスタイルのグリルや、リアのマッドフラップを採用した。左サイドにはスペンサー・ウィルクス氏が所有していた「SERIES IIA」のナンバープレート「GXC 639C」の文字が入る。

LAND ROVER SERIES IIA(奥)、CLASSIC DEFENDER WORKS V8 ISLAY EDITION(手前)
ボディカラーと同色の「LAND ROVER」ヘリテージロゴ

 インテリアは、細部に至るまで「LAND ROVER」の名称の起源地であるアイラ島とのつながりを表現。プレミアム・ディフェンダー・シート、サイドトリム、ドア、ルーフライニング、ダッシュボードには、ウィンザーレザープレミアムシート(エボニー)をふんだんに使用した。センターコンソールとクラシック・インフォテインメント・システムはボディ同色のヘリテージグレーで囲み、インフォテインメントシステムには衛星ナビゲーション、DABラジオ、Bluetoothといった最新機能を装備。また、ZF製8速ATのピストルシフターギヤレバーのまわりにも、同じヘリテージグレーを採用する。

ブランド発祥の地アイラ島とのつながりを表現したインテリア

 また、シフトレバーの横には「LAND ROVER」という名前がどのように誕生したのかを説明するプレートを配し、アイラ島のラガンエステートの管理人であったイアン・ダンカン氏が、大幅な改造をしてスペンサー・ウィルクス氏がテストをしていた「ROVER」(のちの「LAND ROVER SERIES I」)を見て、「これは新しい“LAND”ROVERだ」と叫んだというストーリーが記載されている。さらに、ステアリングホイールとシートのヘッドレストには、エンボス加工の「LAND ROVER」のヘリテージロゴをレイアウトし、クラシックモデルでは珍しく、すべてカーペット敷きにしてラグジュアリーな空間を演出した。

当時のストーリーが記載されたプレート

 シートのショルダー部分、ドア、センターアームレストリッド、サンバイザー背面のディテールは、すべてアイラ島の毛織物工場から厳選した手触りのよいツイード仕上げとし、ここでもアイラ島とのつながりがいかに特別で重要なものであるかを表現。ツイードのパターンはアースカラーを基調とし、アイラ島の海と空を表す青、地元の植物であるヘザーをイメージした紫、草地を表す淡い黄色などを取り入れ、アイラ島の風景を表現。センターコンソールにはスマートフォンなどの小物を収納できるファブリックのポーチを設けている。

アイラ島の毛織物工場から厳選した手触りのよいツイードを内装に採用
アイラ島の海と空を表す青、地元の植物であるヘザーをイメージした紫、草地を表す淡い黄色などを取り入れている

 中央の収納スペースには、アイラ島とのつながりをより強める、特注のレザータブが付いた取り外し可能なトレイを装備し、その素材にはアイラ島にあるキルホーマン蒸留所で使用されているウイスキー樽のオーク材を採用。各トレイには、ウイスキー樽の端部を再現したユニークな110mm径の円形のウッドボードが配置され、ボードにはウイスキー樽に刻印されていた文字がそのまま残されており、それぞれの車両がワンオフカーである証になっている。

 このキルホーマン蒸留所は、2005年にスペンサー・ウィルクス氏の孫娘であるキャシー・ウィルズ氏が夫のアンソニー氏とともに設立。ISLAY EDITIONにちなんで、「639」と呼ばれる限定ウイスキーが製造され、このモデルの購入者に贈呈される。

 ウイスキー樽を使用したこのボードは、トレイに設置され、美しい形状のダブテールジョイントによってウォールナット材と組み合わせられ、精巧に仕上げられている。また、そのまわりには、本物のウイスキー樽に刻印されているのと同じ書体で蒸留所とウール工場の名称、そしてランドローバー75周年を記念するロゴが描かれている。さらに、各ドリンクホルダーのベースも、ウイスキー樽のオーク材で作られている。

 オーク材を使用したトリムパネルは、リアのラゲッジスペースフロアにも使用されているほか、ダッシュボード中央に設置された時計にも木目調が採用される。

中央の収納スペースにある取り外し可能なトレイ
ドリンクホルダーの底にもオーク材を使用
ラゲッジスペースまでオーク材のトリムパネルが採用されている

 ランドローバー・クラシックのディレクターであるポール・バリット氏は、「2023年はランドローバー誕生75周年という節目です。スペンサー・ウィルクスとアイラ島は私たちの歴史にとって重要な要素であり、『ISLAY EDITION』の発表は、この記念すべき年を祝うものです。このモデルは、私たちのコレクションでもある、スペンサー・ウィルクスが所有していた美しい『SERIES IIA』を参考にしながら、アイラ島の特別なプロダクトや美しい自然から着想を得ています。当社の熟練のエンジニアやテクニシャンたちによる高い信頼性、最新のエンジニアリング、精巧な仕上げは、究極のヘリテージ・ランドローバーを探している目の肥えたお客さまにとって非常に特別な車両となるでしょう」と述べている。