ニュース
コーンズの会員制ドライビングクラブ「THE MAGARIGAWA CLUB」が7月開業 世界トップレベルのテクニカルコースなど施設公開
2023年5月18日 08:45
- 2023年5月17日 公開
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドは5月17日、会員制ドライビングクラブ「THE MAGARIGAWA CLUB」を報道陣に公開した。
「THE MAGARIGAWA CLUB」は2023年7月1日に千葉県南房総市で開業する、約100万m 2 の敷地面積を有する会員制ドライビングクラブ。コンセプトに「どのサーキットにも似ていないコースを持つ、世界に唯一のドライビングクラブ」を掲げ、東京都心や羽田空港、成田空港からクルマで約1時間の立地で富士山と東京湾を望みながらドライビングを楽しめるクラブとなっている。
その「THE MAGARIGAWA CLUB」のコースは全長3.5kmで、デザインはF1サーキットの設計を一手に引き受けるTilke Engineers&Architectsが行なった。日本で初めてゼロからデザインをし、峠道のような上り20%、下り16%勾配、そして22のコーナーと800mのストレートを持つのが特徴だ。
コースは会員それぞれの愛車で走行が可能で、走行用の車両保管と走行前後の車両メンテナンスサービスも受けられる。また、プロドライバーによるプライベートレッスンを受けることができ、愛車の秘められたポテンシャルを安全に体験することも可能になるという。
コースデザインを担当したTilke Engineers&Architects Managing DirectorのDr.Carsten Tilke氏は、「『プライベートサーキットを東京という大都市の近くに創る』初めてこの話を聞いたとき、ワクワクが止まりませんでした。用意された土地は驚くほど起伏に富んでいて、世界でも稀にみるユニークなコースの礎となりました。これまで19のF1サーキットを含む80以上のサーキットを世界中でデザインしてきましたが、私たちにとってTHE MAGARIGAWA CLUBは唯一無二の特別な作品となり大変誇らしく思っています。このコースは、あらゆるドライビングスキルの方でも楽しんでいただけるよう設計しました。安全性と周囲の環境保全策が整ったクラブの中で、連続するコーナーを攻略し、2本のストレートではアクセル全開で駆け抜け、1周3.5kmの中でさまざまな楽しみを見つけていただけるでしょう。皆さまと同じ車好きとして、かつレーシングドライバーとして、私自身もこのコースを走ることが楽しみでなりません」と述べている。
また、今回の施設公開に際して会場に訪れていたレーシングドライバーの荒聖治氏は、「世界のサーキットを走ってきましたが、その中でもトップレベルのテクニカルなコース」と「THE MAGARIGAWA CLUB」のレイアウトを評価。多くのドライバーが楽しめるコースになっているようだ。
一方、日本の伝統建築とモダン要素を融合したデザインのクラブハウスは、コースを走るクルマを眺めながら食事ができるKANAYA RESORTS監修のレストランやバーラウンジ、子供が安心して遊べるファミリーラウンジなどを備えるとともに、トレーニングルームや25mのインフィニティプール、スパ、天然温泉、娯楽ルーム(麻雀、ポーカー、カラオケ、シミュレーター)といった施設も用意。加えて宿泊棟のオーナーズパドックも設けられ、開業時には全9棟、約245m 2 から528m 2 とさまざまな部屋タイプを用意するなど、家族や友人と楽しめる施設となっている。
なお、「THE MAGARIGAWA CLUB」は会員制のドライビングクラブとなっており、正会員(上限数500名)とアソシエイト会員(上限数750名)によって構成される。入会費は正会員が3600万円、アソシエイト会員が400万円となっており、詳細は以下の通り。
正会員
会員上限数:500名
入会費:3600万円(2023年6月まで)
年会費:22万円
有効期限:無期限
更新費:なし
会員権譲渡:開業から6年目以降
コース利用日数:315日前後(90%/年)
コース利用費用:1万1000円/1set(半日)
ゲストドライバー費用:5万5000円/1set(半日)
アソシエイト会員
会員上限数:750名
入会費:400万円(2023年6月まで)
年次諸費用:105万円
有効期限:5年毎更新
更新費:180万円
会員権譲渡:不可
コース利用日数:270日前後(75%/年)
コース利用費用:1万1000円/1set(半日)
ゲストドライバー費用:5万5000円/1set(半日)
THE MAGARIGAWA CLUBを作ったきっかけ
今回の「THE MAGARIGAWA CLUB」の公開に際し、コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド MAGARIGAWA Project Office 室長の山口・オスカー・博義氏が施設についてのプレゼンテーションを実施。
山口氏は、「コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドはクルマをはじめさまざまな物を扱う総合商社ですが、クルマにフィーチャーした時にただクルマを販売して直す会社ではいけないなというのをずっと考えておりました。『クルマを楽しめるのがコーンズだよね』という感覚になっていただきたいなと思っております。なぜクルマ屋であるコーンズがTHE MAGARIGAWA CLUBを作ったか、排ガス規制、騒音規制が出てきて、お持ちのクルマをもしかしたら公道で走らせられなくなるかもしれません。クルマのスペックの1割も出せないようなことになってしまうであろうと言われています。走る場所がなかったら、もうこういうスーパーカーを持つ意味がなくなってしまうよね、という問題がありました。もう1つ、自動運転やカーシェアなどの普及で、『そもそもクルマを持つ必要ってないよね』という考えが出てきています。クルマを持つお友達がいなかったら一緒に走る相手もいなくなってしまいます」。
「では高級車やスーパーカーはなくなるの? と言われたら、高級時計と同じようにおそらくなくならないと思います。しかし、多くのスーパーカーや高級車を買ったとき、それをどこに保管するのかという問題があるというのを色々な方からうかがっています。それを解決できる場所はないのか、そんなときに海外では会員制のドライビングコースがあるというのをうかがいました。スペインのアスカリサーキットはまさにいい例で、弊社の代表がこのサーキットに行ったことが今回のプロジェクトが発足したきっかけとなっています。ですが、世界中どのドライビングコースもなかなかアクセスが良くないというのは1つ問題になりました。われわれはとにかくこのプロジェクトを始めるときに、羽田空港、都心、成田空港あたりから1時間程度で来られる場所というのを絶対条件としており、逆にその条件に合わなければこのプロジェクトはスタートしなかったと思います。というぐらいに重視して場所を探しました。その中でいくつか場所の候補がありましたが、やはりこれだけ起伏に富んだ場所で、自然が豊かで、ここに作ったらとても楽しいだろうなというのがイメージできたのでこの南房総の地を選ばせていただきました」。
「海外にはそういうドライビングコースがありましたが、日本で今までどうしていたかというと、やはりサーキットを走る方が多かったです。ただ、このサーキットというかクルマ遊びというのはとてもハードルの高い遊びだなという印象を持っていました。そうではなく、アクアラインを走り、1時間ほどドライブした後にコーヒー飲みながら少しくつろいで、じゃあちょっと3~4周走って満足したら食事して、ワインを飲んで宿泊していく。そんな気軽な遊び方ができればと思いプロジェクトを始めました」と、「THE MAGARIGAWA CLUB」を作った背景などについて説明した。