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メルセデス・ベンツ日本、新型「EQS SUV」発表会 「SUVとしての魅力に磨きをかけた」と上野社長が実車披露
2023年5月29日 18:10
- 2023年5月29日 実施
電気自動車専用プラットフォームを用いた初のSUVモデル
メルセデス・ベンツ日本は5月29日、バッテリEV(電気自動車)を展開するメルセデスEQシリーズから、EV専用プラットフォームを用いた初のラグジュアリーSUVモデル「EQS SUV」を発表。同日に発表会を世界初のEQシリーズ専売拠点「メルセデスEQ横浜」で実施した。
発表会ではメルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏が登壇し、「ここメルセデスEQ横浜は、世界初のEQ専売拠点として昨年12月にオープンして以来、予想を上まわる数のご来店をいただいており、お客さまにとって電気自動車が確実に選択肢に入ってきていることを実感しています。また、オープンの際にはこのEQS SUVを参考展示して多くのお客さまにご覧いただきましたので、本日の発表を心待ちにしていた方も多いと思います」とあいさつ。
続けて「EQS SUVは、電気自動車専用プラットフォームを用いた初のSUVモデルで、EQシリーズ6番目の車種になります。電気自動車ならではの優れた快適性と静粛性を兼ね備え、大容量のリチウムイオンバッテリと、高効率な電気モーターを採用。長いホイールベースを活用することで、大人7人が快適に過ごせる広い室内空間や、多くの荷物を載せられる積載性など、SUVとしての魅力に磨きをかけた」と紹介。日本には1充電での航続可能距離が589kmの「EQS 580 4MATIC SUV Sports」(価格1999万円)と、同593kmの「EQS 450 4MATIC SUV」(1542万円)の2モデルを導入すると明かした。
EQS SUVはバッテリEV専用プラットフォームを採用したセダンモデルの「EQS」と同じプラットフォームを採用しつつ、3列シートの7人乗り仕様に仕上げたモデル。エクステリアは、EQシリーズの美しさと伝統的なSUVデザインを融合し、新世代のダイナミズムとメルセデスならではのエレガンスさを両立。ヘッドライトと一体化したブラックパネルフロントグリルにはスターパターンをあしらい、伝統と革新の調和を表現。また、ボンネットにはパワードームを備え、力強さを強調させたという。
また、セダンと同じ3210mmのホイールベースを採用した伸びやかなシルエットは、全高を約20cm高くしたことでSUVならではの堂々たるプロポーションと、ゆとりのある室内空間を確保するとともに、Cd値0.26と優れた空力も実現した。リアはLEDライトバンドを備えた大型テールゲートがSUVならではの個性を演出。マフラーのないEVならではのリアバンパーでワイド感と安定感を演出する。
上質な素材によって精巧に作られたインテリアは、約5cm拡大したヘッドクリアランスによって広々とした空間を確保。MBUXハイパースクリーン装着車は、3つのディスプレイが新世代の操作性をもたらす革新的なコクピットを形成。メディアディスプレイおよび助手席用ディスプレイには、コントラストに優れた有機ELを採用。シートにはラグジュアリーなダイヤモンドステッチをあしらったナッパレザーを採用し、上質な風合いで乗員を包み込み、心地よい快適性を提供する。
シートヒーターを標準装備した快適な3列目は左右独立可動式となっていて、格納時はフラットなラゲッジスペースとして活用可能。7人乗りの状態でも195Lと余裕あるラゲッジスペースは、3列目を倒せばゴルフバッグを最大4セット積載できるほか、2列目も倒すと2020Lの大容量スペースが出現する。さらに、強力なろ過能力を持つ大型HEPA(高性能粒子状部室除去)フィルターを搭載し、PM2.5など微細な粒子の有害物質を最大99.65%以上除去する。
電気自動車専用のプラットフォームによって重量のあるバッテリを車体中央に配置し、優れた走行安定性およびハンドリング特性を両立。電動パワートレーンには高効率な優れた交流同期モーターを採用し、瞬時に最大トルクを発生して、モーターならではの力強い加速と振動のない滑らかな走りを実現。合計12のセルモジュールからなる最新世代のリチウムイオンバッテリは、107.8kWhの大容量を誇り、最大593kmの航続距離を達成。充電システムは6kWまでの普通充電と150kWまでのチャデモ(CHAdeMO)急速充電に対応。バッテリ残量10%から80%までの急速充電器の出力別充電時間は、50kWで100分、90kWで53分、150kWで49分となっている(メルセデス・ベンツ日本調べ)。
また、発表会にはグループ役員でメルセデス・ベンツの営業とマーケティングを統括しているブリッタ・シーガー氏がビデオメッセージで登場。シーガー氏は「EQS SUVは昨年のワールドプレミア以降、多くのお客さまの心をつかみ、たくさんの反響をいただきました。本モデルは“世界で最も愛されるクルマを作る”という当社のお約束を具現化しております。また、メルセデス・ベンツ初の電気自動車専用プラットフォームを用いた次世代ラグジュアリーSUVモデルです」と紹介。
続けて、今回の発表会場となった店舗のメルセデスEQ横浜が、世界初の新型EQSの専売拠点となることに感謝を述べつつ、「新型EQS SUVはサスティナビリティと時空を超えたデザイン、類いまれなるパフォーマンスをシームレスに融合させたモデルで、まさに電動化へシフトする過程で日本のお客さまが求めているクルマであると確信している」と強調するとともに、「全面電動化に向け、大きな変革をもたらすゲームチェンジャーとなるクルマである」とメッセージを締めくくった。
もっとブランドを知ってもらうための活動「EQカタリスト」が始動
上野社長はEQブランドの今後の展開について、電動化への変革を促進していく触媒(=カタリスト/Catalyst)となる人物を新たに設け、「EQカタリスト」としてSNSやメルセデス・ベンツの情報サイトなどを通じて、さまざまな情報を発信してもらうと発表。その第1弾となるのは、サッカーの三苫薫選手とシュミット・ダニエル選手であると明かし、上野社長は「今後もさまざまな分野で活動する人をEQカタリストとして採用していく予定なので、楽しみにしていただきたい」と語った。
シュミット・ダニエル選手は、「私自身、競技生活はチャレンジの連続だと思っています。常に自分自身を成長し続けなければならないので、メルセデス・ベンツが電気自動車という枠組みの中で挑戦し続けている“メルセデスEQ”というブランドにとても興味を持っています。これから電気自動車に乗るのが楽しみです」とビデオメッセージを通じてコメントが届いた。
また、上野社長はカーボンニュートラルへの取り組みとして、スキージャンプの高梨沙羅選手が発起人である「JUMP for The Earth PROJECT」のサポートも実施すると明かし、高梨選手からもビデオメッセージが寄せられ、「この度、スノースポーツを次世代に残したいという思いから、自然環境について学び、つないでいくための活動、『JUMP for The Earth PROJECT』を立ち上げ、メルセデス・ベンツ日本さまにもご賛同いただきました。一緒に活動できることを大変うれしく思っております。今起こっている現状の背景を知り、小さいことからでもアクションを起こせていけたらと思っています。また、地球環境に配慮したメルセデスEQとともに活動できること、とても楽しみにしております」と結んだ。
最後に上野社長は、「存分にEQシリーズの性能を体感してもらうために、4月から1デイ試乗キャンペーンを実施しています。短時間の試乗と比べて約4倍の試乗が可能で、これにEQS SUVも準備ができ次第加えていく」と説明。また、メルセデスミー東京とメルセデスミー大阪では、一般道だけでなく、高速道路も試乗できるメニューを用意していると紹介した。
さらに、安心して選んでもらうために毎月定額の支払いだけで残価の心配が不要になる「メルセデスEQスタートパッケージ」や、保証やサポートが充実する「EQケア」、充電ステーションの利用が1年無料になるサービスなども用意しているほか、秋には東京・青山にEV専売拠点の2店舗目をオープンさせると明かし、EVライフのサポート体制の手厚さをアピールして発表会を締めくくった。
なお、オンラインショールームには常時1200台以上が登録されており、いつでも検索して商談が可能。Web商談機能では「商談予約金」を支払うと一定期間車両を確保して優先的に商談を進められるとのこと。