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ランドローバー、新型「レンジローバー スポーツSV」公開 特別限定仕様「EDITION ONE」誕生

2023年5月31日(現地時間) 発表

新型「レンジローバー スポーツSV」公開

特別限定仕様車「EDITION ONE」を設定

 ジャガー・ランドローバーは5月31日(現地時間)、新型「レンジローバー スポーツSV(RANGE ROVER SPORT SV)」を発表した。初年度生産分はフロントスプリッター、センターコンソールなどに専用ロゴを配した特別仕様車「EDITION ONE」として販売するが、すでに完売している。

新型レンジローバー スポーツSVの特別限定仕様車「EDITION ONE」

 新型レンジローバー スポーツSVのエクステリアデザインは、エアフローを強化したフロントエンド、形状を見直したボディサイド下部、リアエンドのカーボンファイバーフィニッシャーを備えた4本出しテールパイプのアクティブエキゾーストシステムなどが特徴。また、「RANGE ROVER」のエンブレム、フロントグリルグリルまわり、フロントリップスポイラー、ボンネットダクト、サイドダクトにはカーボンファイバーを使用している。

カーボンファイバー製のフロントリップスポイラーには「EDITION ONE」のロゴが入る
カーボンファイバー製の「RANGE ROVER」のエンブレム、フロントグリルグリルまわり
ボンネットダクト
サイドダクト
リアエンドもカーボンファイバー製

 コクピットのようなインテリアは、背面に専用のサテンカーボンファイバーを使った「ヘッドレスト一体型SVパフォーマンスシート」を採用し、より立体的な造形のサイドボルスター、ライトアップする「SV」ロゴを配したバックレストを装備。

 また、軽量で滑らかな手触りの繊維“3D Knit to form”を使用した、新しいウルトラファブリックのポリウレタンインテリアを採用。さらに、世界初の半透明パドルシフトをステアリングホイール後方に配置し、センターコンソールにはブラックセラミック製のギヤシフターを備えた。

ステアリングの奥には半透明の光るパドルシフトを世界初装備
ヘッドレスト一体型SVパフォーマンスシートは、背面に専用サテンカーボンファイバーを使用
後席
前席
独特の形状のシート。SVマークは光るギミックが搭載される
大型センターディスプレイ
ブラックセラミックのギヤシフター
スタートスイッチ
特別限定仕様車のEDITION ONEには内装にも専用ロゴが入る

 また、前席の乗員がサウンドを全身で感じることができ、ウェルネス効果を備えた多次元オーディオ体験を実現する「ボディ&ソウルシート(BASS)」を世界初搭載。BASSは、29個のスピーカーと1430WのMERIDIANシグネチャーサウンドシステムと組み合わせて作動し、SUBPACのAI最適化ソフトウェアと前席乗員の背面に組み込まれたトランスデューサーが、再生するメディアをリアルタイムで分析し、音源に忠実なオーディオ振動を生成して、魅力的で没入感のある音響空間を作り出すという。

世界初の「6Dダイナミクスサスペンションシステム」を採用

 パワートレーンは、最高出力635PS、最大トルク750Nmを発生する専用のV型8気筒4.4リッターツインスクロールターボチャージドガソリンエンジン(MHEV)を搭載。この性能は、先代モデルの「レンジローバー スポーツSVR」が搭載していたV型8気筒5.0リッタースーパーチャージドガソリンエンジンよりも、+60PS、+50Nmを実現。また0-100km/h加速は3.8秒で、最高速は290km/hに達し、CO2排出量も先代モデルより15%低減に成功。

0-100km/h加速は3.8秒を誇る

 足まわりには、油圧連動式ダンパー、高さ調整が可能なエアスプリング、ピッチコントロールを組み合わせた世界初の「6Dダイナミクスサスペンションシステム」を採用。従来のアンチロールバーがなくても、コーナリングや加速時にピッチおよびロールを大幅に低減させてボディを水平に近い状態に保ってくれるほか、軽量化やグリップ力、快適性や洗練性の向上にも大きく貢献するという。

 また、6Dダイナミクスサスペンションシステムは、選択したドライブモードに応じて、ベースモデルの「レンジローバー スポーツ」よりも10~25mm車高が低く設定され、先進のシャシーおよびサスペンションシステムとシームレスに連携して作動。「インテリジェントオールホイールドライブ」「オールホイールステアリング」「トルクベクタリングバイブレーキング」「コンフィギュラブルダイナミクス」「アクティブロッキングリアディファレンシャル」にも、スポーツSV独自のチューニングを施したことで、スポーツカーを彷彿とさせるドライビングエクスペリエンスを実現している。

世界初の「6Dダイナミクスサスペンションシステム」を採用
あらゆる路面で最高のパフォーマンスを発揮するという

 ジオメトリーなどを見直した新型リアサブフレームやサスペンションリンクも採用され、新しい電子制御パワーアシストステアリングラックは、これまでのレンジローバーのなかでもっともタイトなギアレシオで、俊敏性とステアリングフィールを向上させている。

 タイヤはミシュランのオールシーズンタイヤ「パイロットスポーツ4(タイヤの幅はフロントが285mm、リアが305mm)」を標準装備し、サーキット走行に特化したスポーツカーに匹敵する1.1Gを超えるコーナリングG(荷重)を発生。これは先代モデル「レンジローバー スポーツSVR」のサマータイヤ装着時と比較しても22%向上しているという。

 フロントブレーキキャリパーは、レンジローバー最大サイズとなるブレンボ製8ピストンOctymaキャリパーで、ブレーキローターは標準は混合メタルデュアルキャスト製、オプションでカーボンセラミック製も選択可能。カーボンセラミック製は、バネ下重量を合計34kg軽減し、ステアリングレスポンス、加速、乗り心地がさらに向上する。また、キャリパーの色は、イエロー、レッド、カーボンブロンズ、ブラックから選択できる。

 量産車初となる23インチ超軽量カーボンファイバー製5スプリットスポークホイールをオプションに用意。従来の23インチの鋳造アロイホイールと比較して、ホイール1本あたり約9kg(4本合計で35.6kg)軽量となる。

軽量なカーボンファイバー製ホイールもオプションに設定
カーボンファイバー製ブレーキローターもオプション
キャリパーのカラーは5色から選択できる

 ステアリングホイールにある「SVモード」ボタンは、ステアリング、8速AT、スロットルレスポンス、エキゾーストノート、6Dダイナミクスサスペンションシステムを最適化するだけでなく、さらに車高を15mm下げ、もっともダイナミックで直感的なドライビングエクスペリエンスを実現。また、「SVモード」では、サーキット走行に適したスタビリティコントロールプログラム「TracDSC」も作動し、ダイナミックバランスをより自由に楽しめるという。

 レンジローバーのマネージング・ディレクターであるジェラルディン・インガム氏は「新型レンジローバー スポーツSVは、先代モデルのレンジローバー スポーツSVRを超える大胆な進化を遂げているだけでなく、もっとも目の肥えたお客さまに向けたパーソナライズされたアプローチにおいても、レンジローバーの哲学を体現しています」と述べている。

 また、ジャガー・ランドローバーのビークル・プログラム担当エグゼクティブ・ディレクターであるニック・コリンズ氏は、「新型『RANGE ROVER SPORT SV』は、最高のパフォーマンス、比類のない魅力、機能性、洗練性を巧みに融合させています。世界最高レベルの専門知識を誇る、当社のハイパフォーマンススペシャリストの実力を示しています」とコメントしている。

 ジャガー・ランドローバーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるプロフェッサー・ジェリー・マクガバンOBEは「新型レンジローバー スポーツSVのクリーンでリダクティブなデザインは、ドラマチックなプロポーションとスポーティな個性を増幅させています」と語っている。