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ル・マンで世界初公開された新型プリウスGRエディションの市販化は? TGR加地雅哉氏に聞く

ル・マンで初公開された新型プリウスGRエディション。ル・マン24時間レースを主催するACO ピエール・フィヨン会長(左)とTOYOTA GAZOO Racing モータースポーツ技術室室長 加地雅哉氏(右)らによって世界初公開された。モータースポーツに直結するストーリーを持つクルマだ

ル・マンで初公開された新型プリウスGRエディション

 TOYOTA GAZOO Racingは6月6日(現地時間)、ル・マン24時間レース100周年を記念してJNTO(日本政府観光局)、マツダとともに出展した「Japan. Endless Discovery.」において、新型プリウスをベースとしたコンセプトカー「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」(以下、GRエディション)を世界初公開した。

 Japan. Endless Discovery.であいさつに立ったTGR 加地雅哉 GAZOO Racing Company モータースポーツ技術室室長は、ACOル・マン24時間レースが100周年を迎えたことに対し、ル・マンの主催者であるACO(Automobile Club de l'Ouest、フランス西部自動車クラブ)のピエール・フィヨン会長にお祝いの言葉を贈るとともに、共同出展したJNTOとマツダに感謝の意を述べた。

日本政府のインバウンド政策を担うJNTO、マツダ、トヨタによってJapan. Endless Discovery.を実施

 世界初公開した新型プリウスGRエディションについては、ル・マンへの感謝の思いを込め、ル・マン24時間で開発してきたハイブリッド技術が搭載されていると紹介。ル・マン24時間の戦いで磨き、進化してきたトヨタのハイブリッド技術が反映されているという。

 加地氏は、この新型プリウスについて「カーボンニュートラルに向けた、ハイブリッド技術で走る歓びを実現するコンセプトモデル」と紹介。「トヨタはモータースポーツを通じたもっといいクルマづくりに挑戦し、カーボンニュートラル目標の達成に貢献していく」と語った。

新型プリウスGRエディション
TGR GR010 HYBRID直結の要素を多く持つ

 今回の新型プリウスGRエディションは大きな話題となっているが、その1つに「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」が、ハイブリッドカーの代名詞でもあるプリウスにも向けられたことにあるだろう。これまでプリウスはエコカーの象徴のような存在だったが、高効率に走る、エネルギーを賢く使うということは、速く走るためにも大切なことでもある。

 それをGRエディションでは、リアウィンドウに「RACING HYBRID」の文字を描き、速いハイブリッド、強いハイブリッドを高らかにうたいあげている。

気になる市販化は、反響しだいと加地室長

TOYOTA GAZOO Racing モータースポーツ技術室室長 加地雅哉氏

 気になる市販化の時期についても加地氏に聞いてみたが、正直、市販化については反響しだいであるという。今後、このGRエディションは、9月10日に富士スピードウェイで行なわれるWEC 富士6時間耐久レースにも展示。そこでの反響と合わせて市販化などを検討していくという。

 詳細についてはまだ決まっておらず、ある意味多くのユーザーの意見待ちというところにあるのかもしれない。ル・マン24時間に直結するハイブリッドカーが特別なプリウスであるというのは購入もしやすく、普段使いにも向いている。

 ハイブリッドカー=エコをくつがえす新型プリウスル・マン100周年GRエディションが市販化された際には、今後のハイブリッドカーの立ち位置を大きく広げるクルマになっていくのは間違いない。

発表会のフォトセッション後、フィヨン会長とがっちり握手