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ル・マンで世界初公開された新型プリウスのコンセプトカー「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」を見る

2023年6月6日(現地時間)公開

世界初公開された新型プリウスのコンセプトカー「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」。高輝度LEDヘッドライトがル・マンの闇を切り裂く

ル・マン24時間100周年で初公開された新型プリウスのコンセプトカー

 6月6日(現地時間)、ル・マン24時間サーキットの開催されているサルト・サーキットにおいて新型プリウスをベースとしたコンセプトカー「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」(以下、ル・マン100周年GRエディション」が公開された。このコンセプトカーはル・マン24時間100周年を記念したもの。TOYOTA GAZOO Racingがル・マンで6連覇を狙う、GR010 HYBRIDのイメージを採り入れたクルマになる。

 展示されているのは、JNTO(日本政府観光局)とトヨタやマツダが共同で展開する「Japan. Endless Discovery.」コーナー。JNTO、トヨタ、マツダで、ル・マンを訪れる観客に日本の文化を訴え、訪日客を増やしていく。言わば、インバウンド施策の一環としてブースが設置されている。

多くの人に絶賛されているプリウスのデザインだが、ル・マン100周年GRエディションは、そこに力強さを与えている

 実車のル・マン100周年GRエディションを見た印象は、もともとスタイリッシュでレーシーな新型プリウスが、さらにパワーアップしたように見える。GR010 HYBRIDゆずりの4連高輝度LEDヘッドライト、レイズのホイール、リアウィング、そしてリアディフューザー。フロントのカナードは攻撃的過ぎる感じもするが、サーキット走行などでは力を発揮するだろう。

フロントの2連カナード。公道ではおそらく使用不可能と思われるが、サーキット走行では使えるような工夫に期待したい
2連カナード下には、4連高輝度LEDヘッドライトが。びっくりするほど明るく、これもGR010 HYBRIDゆずりのものとなる
文句なしにかっこいいレイズのホイール。TS050、GR010を彷彿とさせるデザイン。ル・マン100周年GRエディションの足下を決める
赤いラインの入ったサイドミラー。GRの赤いラインは各所で見ることができる
リアホイール。すぐにでも市販化を望みたいアイテムだ
リアウィンドウの「HY」「RACING HYBRID」の文字。HYはハイブリッドであることを主張し、RACING HYBRIDで速いハイブリッド、強いハイブリッドを訴える
リアウィング。作りもしっかりしており、市販化に耐えるデザインに見える
元々プリウスは底面の空力を考慮したクルマだけに、リアディフューザーがよく似合う

ル・マンを5連覇中のTS050 HYBRID、GR010 HYBRIDのエッセンスが刻まれる

ル・マン100周年GRエディションのサイドシルエット

 詳細などは未定だが、リアウィンドウに描かれた「HY」「RACING HYBRID」の文字は、TS050 HYBRID、GR010 HYBRIDがル・マン24時間で刻んできた5連覇の歴史と重なり、ハリブッド車=エコカーという概念を覆してくれる。ハイブリッド車こそ、ル・マンを制覇する速くて強いクルマだというトヨタの主張が伝わってくる。

 市販化の予定などについては、今後トヨタ関係者に確認してみたいところだが、レイズのホイールは待ったなしで市販化してほしいほどの出来だった。

 モータースポーツに参加する上で「勝利」は必ず目指すべきものではあるが、そのチームやドライバー、メーカーを応援するファンとしては、モータースポーツを応援できるクルマがあるのはうれしいところ。トヨタは、GRカローラもそうだが、モータースポーツとファンをしっかり結びつけようとしているように見える。新型プリウスのル・マン100周年GRエディションが市販化されることで、そんなクルマがまた1台走り出すのを楽しみに待ちたい。